仕様書とは|定義

ゲーム制作における「仕様書」は、ゲームのコンセプトやシステム、キャラクター設定、挙動など、ゲームの詳細をまとめたプロジェクトの設計図です。

「仕様書」は、開発メンバーがプロジェクトへの理解を深めるために不可欠なもので、新しいキャラクターの導入や新ゲームモードの実装、インターフェースの変更など、プロジェクトの変更や追加なども記述されます。

仕様書とは|解説

「仕様書」は、プロジェクトメンバー全員が共通の理解を確立し、開発を円滑に進めるために欠かせない要素です。
そのため、プロジェクト全体の方針や目標が詳細に記述されています。

仕様書の要素

仕様書の内容は抽象的なアイデアから具体的な要件まで幅広く、プロジェクトが成功するために必要な要素が示されています。
具体的な内容は下記の通りです。

    基本情報

    ゲームの基本となる情報が記述されるセクションです。
    主に下記の要素が記述されています。

    • タイトル
    • ジャンル
    • 対応プラットフォーム
    • プレイ人数
    • ターゲット層
    このセクションにより、ゲーム全体の方向性がチーム内で共有、理解されます。

    キャラクターの詳細

    プロジェクト内のキャラクターに関する情報が記載されるセクションです。
    外見、性格、役割、能力などが具体的に示され、アーティストやデザイナーがキャラクターを実装する際の指針となります。

    ゲームの仕様

    ゲーム内のルール、システム、操作方法などが書かれるセクションです。
    プログラマーやゲームデザイナーがゲームロジックを理解するために必要です。

    デザイン指針

    ゲームのビジュアルUI/UXデザインサウンドの指針などがまとめられたセクションです。
    アーティストやサウンドデザイナーが統一感のあるデザインを作るための基準になります。

    プログラム仕様

    プログラマーが理解しやすい形で、ソースコードの構造アルゴリズムデータベースの仕様などが示されるセクションです。
    効率的なプログラムの実装に必要です。

    仕様書の役割

    プロジェクトの方向性を確立させる

    「仕様書」はプロジェクトの方向性を確立する指針でもあります。
    プロジェクトがどのような体験や価値を提供するのかを明示することで、メンバーが共通の理解を持ち、目標を共有できるようになります。

    作業の指針を決定

    「仕様書」はゲーム開発に携わる全てのメンバーにとっての作業指針となります。
    各要素や機能の詳細が明示されているため、開発者、デザイナー、アーティスト、プロデューサーなどが共同で作業を進め、目指すべき最終的なゲームの形を共有できます。

    コミュニケーションの促進

    「仕様書」はプロジェクトメンバー間のコミュニケーションを促進する手段でもあります。
    特にプロジェクトが大規模で、異なる専門性を持つメンバーが多くなる場合は、仕様書は共通の理解を生む媒体として大きく機能します。

    メンバー間で議論や疑問が発生した場合も、仕様書で明確な情報が提供されていれば、円滑に問題解決を図れる場合も多いです。

    仕様書の作成に必要な事項

    プロジェクトを成功させるためには、「仕様書」の作成に必要な事項やプロセスを把握しておくことが必要です。
    以下にその概要を解説します。

    要件を明確にする

    「仕様書」を作成するための最初のステップは、プロジェクトの要件を明確にすることです。
    コンセプトや目標の定義達成すべき目的ユーザーに提供したい体験を具体的に設定します。
    これにより、プロジェクトの全体像や方針が確立され、メンバーに周知されます。

    構造設計、セクション整理

    各セクションごとに情報整理し、適切な構造を持たせることで、後の作業がスムーズに進みます。
    各セクションが持つべき情報を整理し、優先度や関連性を考慮して配置します。
    わかりやすい仕様書を構築することで、開発中も必要な情報にアクセスしやすくなり、メンバーの混乱を少なくすることができます。
     

    各領域の専門家と協力する

    仕様書は、ゲーム制作に必要な複数の専門知識を統合するものなので、各領域の専門家とコミュニケーションを図りながら作成する必要があります。

    専門家との協力が十分に取れていれば、仕様書は偏りのないものに仕上がり、ゲームの完成度向上につながります。

    「企画書」との違い

    「企画書」「仕様書」は、プロジェクトの異なる段階で使用されるドキュメントです。

    「企画書」はプロジェクトの初期段階で必要であり、社内やスポンサーに対してプロジェクトの魅力を伝えるために利用されます。
    その後、「仕様書」が作成され、実際の制作段階においてプロジェクトを具現化していきます。
    「企画書」と「仕様書」は連携しており、プロジェクトを成功に導くために補完し合います。

    具体的な相違点を下記で解説します。

    目的の違い

    • 企画書プロジェクトの概要やビジョンを提示し、プロデューサーや投資家にプロジェクトの魅力を伝えることを目的とします。
    • 仕様書プロジェクトの具体的な要件と実装の詳細を明示し、開発者が作業を進めるためのガイドとなります。

    視点と詳細度の違い

    • 企画書戦略的な視点から、大まかなビジョンや方針を提示します。市場の需要予測やプロモーション戦略など、高いレベルでの計画が記されています。
    • 仕様書具体的で技術的な文書であり、実際の作業に直結する情報を提供します。

    対象読者の違い

    • 企画書:プロデューサーや経営陣、広報担当者など、プロジェクト全体を俯瞰するポジションの人々を対象としています。
    • 仕様書:デザイナーやプログラマーなど、開発に関与するメンバーを対象としています。

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    情報提供元: GAMEMO
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