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「F2P」とは、「Free to Play(無料でプレイ)」の略語です。
無料で利用できるゲームやアプリケーションを指すために使われることが多い用語です。
開発者がゲームやアプリをF2Pで提供する際は、広告表示、アイテム課金、プレミアム機能の提供などの方法で収益を得るビジネスモデルを取ることが一般的です。
このF2Pビジネスモデルは、開発者にとっては新たな収益の源を開拓しやすく、プレイヤーは手軽にアクセス権を得られるため、ゲーム業界における近年の大きなトレンドの一つとなっています。
F2Pモデルは、ゲーム業界における大きな変革をもたらすビジネスモデルとして有名です。
F2Pゲームの特徴や具体例を下記に解説します。
プレイ前に支払いが必要な「Pay to play」ゲームとは対照的に、F2Pゲームは基本プレイが無料のため、新しくゲームを試す機会が多く与えられています。
それにより、新規プレイヤーを引き寄せやすいという特徴があります。
F2Pゲームでは、プレイヤーはゲーム内でアイテムや特典を有料で購入することができ、これが開発者の主要な収益源となります。
具体的な課金要素としては以下のようなものがあります。
ゲーム内のアイテムや特典を購入できます。
課金ボックス(ガチャ)は、一定の金額を支払うことでランダムにアイテムやキャラクターが提供される仕組みです。
何が手に入るか分からない未知の要素が、プレイヤーに課金を促す強い動機となり、運営者にとっては収益の向上に大きく寄与します。
バトルパスは、F2Pゲームで採用されている収益モデルの一つです。
プレイヤーがバトルパスを購入すると、進行度や特定の課題を達成することで報酬が得られます。
具体的には、スキン(キャラクターの外見変更)やエモート(感情や動作を表現するアクション)などがあります。
進行度による報酬は、ゲームプレイを継続すれば無理なく達成できるように設計されていることが多いので、バトルパスを購入したプレイヤーを長期間ゲームに参加し続けるよう促せます。
バトルパスもゲーム開発者に収益をもたらす効果的な仕組みとなっています。
Epic Games社が開発、提供しているFortnite(フォートナイト)は、バランスの取れたF2Pモデルとして、ゲーム業界の中でも際立った存在です。
F2Pへの理解をより深めるため、Fortnite(フォートナイト)が成功を治めた理由を解説します。
Fortniteではバトルパスが季節ごとに提供されているので、多くのプレイヤーが意欲的にゲームに参加し続けています。
バトルパスの報酬やショップから購入できるアイテムには、スキン、エモート、バックブリングなど多様なアイテムがあります。
プレイヤーは自分のキャラクターを細かくカスタマイズすることができ、これが課金への意欲を促進しています。
F2Pはトレンドのゲームモデルである一方で、課題も抱えています。
ここでは、下記の論文を参考にF2Pの問題点と課題についてまとめます。
F2Pゲームで実際に発生した、もしくは発生の可能性がある問題点について詳しく解説します。
ゲームの進行や目標達成を果たすために課金に依存するプレイヤーが生まれることがあります。
プレイヤーには強いプレッシャーが発生し、ゲーム体験に悪影響を与えることがあります。
ゲーム内に多くの広告が表示され、それを解除するために課金をしなければならない、という構造に陥ってしまうF2Pゲームがあります。
これにより、プレイヤーのゲーム体験の低下を招くことがあります。
課金要素に関する情報が不透明だと、プレイヤーの課金への理解が浸透しません。
課金情報の不透明性は、ゲーム自体の信頼性低下にもつながることがあります。
ゲーム収益の大部分を一部の重課金者に依存することで、多くのプレイヤーから見てゲームバランスを崩壊させてしまう可能性があります。
それにより、プレイヤー離脱が加速することがあります。
上記のような課金による問題点を発生させないように、プレイヤー心理を理解することが、F2Pゲームの重要な課題です。
研究結果によると、現状のF2Pモデルには問題がある可能性もあり、従来の収益モデルから転換する必要性も示唆されています。
少額課金で多くのユーザーを取り込むことや、課金アイテムを工夫することが既存プレイヤーの維持に寄与するとされ、企業の収益性とユーザー体験の調和をとることが重要です。
技術の進歩により予測されるF2Pの今後の展望を解説します。
現在、5G対象地域が広がりを見せていることなどもあり、技術進化により今後もさらに高速で安定した通信環境が整うことが予想されています。
F2Pゲームもよりスムーズな多人数同時プレイや、高品質なゲーム体験が可能となり、新たなビジネス機会の創出を促すことが期待されます。
例えば、高品質なアイテムやコンテンツの販売、NFT(非代替可能トークン)の活用、サブスクリプションベースのアプローチなどが考えられます。
これにより、プレイヤーのゲーム体験が高まるとともに、開発者はより多様な方法で収益を上げられる可能性が高くなります。
その機会創出のタイミングを逃さないよう、現状課題点への認識をしておくことが重要となりそうです。
F2Pモデルはゲーム業界において大きな成功を収めた実績があるため、これからも進化し続けることが予測されます。
プレイヤーと開発者の調和をキーとし、持続可能なF2Pゲームモデルを築くことが重要です。