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時代劇ヒットメーカー・土橋章宏著の小説「身代わり忠臣蔵」を、ムロツヨシ、永山瑛太の共演で映画化した映画『身代わり忠臣蔵』が、全国公開中だ。時代劇「忠臣蔵」をベースに、“身代わり”という斬新なアイデアが加わり生み出された物語が見ものだ。本作に江戸随一の遊郭・吉原の花魁・高尾太夫役で出演した橋本マナミに出演の感想、演技への想いなどを聞いた。
―今回の『身代わり忠臣蔵』は、土橋章宏氏による同名小説の実写化ですが、ストーリーの印象はいかがでしたか?
わたしが観て思ったことは、やっぱり吉良上野介の弟の孝証(ムロツヨシ)が身代わりとなって、周りとのちょっとすれ違っていくやり取りや、そのドタバタ劇も面白いのですが、それだけではないほっこりさせられる展開もあったりするので、とても見応えがある映画だなと思いました。
―今回は孝証と大石内蔵助(永山瑛太)が偶然再会するきっかけとなる江戸随一の遊郭・吉原で登場する、花魁・高尾太夫役でしたが、どのように役柄に向き合いましたか?
そうですね。自分を役に近づけようと思って、いろいろとその役を調べるのですが、本当に説得力があるセリフとか、そういう人、いそうだなって思わせるには、わたしの中にあるものを引っ張ってくるしかないんですよね。なので、自分の中の似たような経験と置き換えてみたり、そういう役作りはとても大事にしています。
―吉良上野介役、弟の孝証役、一人二役のムロツヨシさんとの共演シーンがありましたが、ムロツヨシさん印象はいかがでしたか?
とても気を遣われる方なんです。本当にいつも明るくて、わたしがご一緒した撮影は1日だけだったのですが、本当に周りにも気を遣っていらして、みんなで盛り上がるようにしてくださりました。ある時マネージャーさんが4人くらい立っていたのですが、その様子を見ていたムロさんが立っているマネージャーさんのために椅子を用意してくださったり。
―吉良上野介とのギャップがとてもあるエピソードですね。
そうなんです(笑)。本番中のちょっとした待ち時間とかでそういうことってなかなかできないですが、 明るさと押し付けがましさを感じさせずに自然とそういうことをなさるので、自分も真似したいと思いました。
―そして、大石内蔵助を演じる永山瑛太さんとも同じシーンで共演されていましたが、自由なムロさんのアプローチに対して大石内蔵助には、王道の時代劇感が残っていて、とても対照的でしたよね。
永山瑛太さんとは『光』という映画でもご一緒したり、過去に共演が何度かありました。普段は寡黙な方なのですが、大石内蔵助としてわたしがご一緒したシーンは、わたしが花魁を演じた遊郭でのシーンなので、あの弾けっぷりは、大石内蔵助も人間なんだなという感じがして、とても面白かったです。あのおふたりのやり取りを現場で見ていて、一発であの空気を出されてたので、息ピッタリで思わず観客として見ちゃっていました(笑)。
―橋本さんご自身も、大河ドラマ「真田丸」(16)、NHK連続テレビ小説「まんぷく」(18)のほか、直近でもドラマ「婚活1000本ノック」など、さまざまな作品でお見かけします、日々充実されている状況は、どう受けとめていますか?
不器用なタイプなので出来ないこともたくさんあるのですが、その中でも仕事をいただけるありがたさって、過去のわたしから見たら夢のまた夢のような感じなんです。だからなるべくそれをスタッフの方などに120パーセントで恩返しできるように、1個1個の仕事を準備して、こなしていくしかないのかなって。毎回を後悔しないようにしたいなって思っています。
―そのために日々大切にしてることはありますか?
感謝の気持ちですね。それがとても大事だと思います。仕事だけでなく、家庭でも夫もいて、子供もいるので、おごらず、ありがとうっていう言葉が言えるような人でありたいなと。わたしは下積みが15年ぐらいあって長かったので、今こうやって仕事いただけるだけでも、とても感謝を感じるので、初心を忘れずにやっていきたいです。
―15年間、思い描いてた状況に辿り着いた今、新たに思い描いている将来像はありますか?
死ぬまでお芝居がやりたいです。どういう役という具体はないのですが、この人起用したいなって思わせるような人になりたいですね。高畑敦子さんみたいになりたいです。本当にどの作品を観ても素敵で、普段はとても優しくて役に入ると深みがあって。なのでわたしも、幅広く演じられる人になりたいですね。
(C) 2024「身代わり忠臣蔵」製作委員会