- 週間ランキング
NHK総合テレビの人気自然番組「ダーウィンが来た!」の劇場版第4弾、『日本列島生きもの超伝説 劇場版ダーウィンが来た!』が、全国公開となった。第4弾の舞台は日本列島で、驚愕のスクープ映像から思わずほっこりする親子のドラマまで貴重な映像が満載。身近なのに知らなかった日本の自然を堪能する90分だ。その本作について、前作よりナレーションを務める、声優の水瀬いのりにインタビューを行なった。
―劇場版第4弾が全国公開となりますが、今の心境はいかがでしょうか?
第3弾の「驚き!海の生きもの超伝説 劇場版ダーウィンが来た!」から劇場版に関わらせていただいて、生きものたちのリアルな生活に寄り添うナレーションを担当してきました。わたし自身、ここまでの長尺のナレーションへの挑戦が初めての経験だったので、緊張しながら声を当てていました。
そして今回の第4弾、わたしにとっては2回目の劇場版ということで、前回感じたやりがいや、反対にその時はなかなかできなかったことなどを、今回は肩肘張らず、生きものたちと同じ目線になって頑張ろうと思いました。温かさのあるアットホームなナレーションができたらいいなと心がけながら収録させていただきました。
―今回は日本列島が舞台ですが、作品の感想はいかがでしたか?
今回は赤ちゃん動物にもフォーカスを当てていて、動物ごとに親子の物語も収録されているのですが、わたしも今回はお母さんと子どもなど、実際に動物たちに声を当てているので、そこは聞きどころといいますか、見どころになってくれたらうれしいです! どの動物も無邪気ですが、その中でものんびりだったり、悪戯っ子だったり、それぞれの個性があります。子どもの演じわけは楽しくもあり、難しさもあり、声の使いわけはドキドキしましたが、注目しながら聞いてほしいですね。
―日本とは思えないロケーションの数々に驚かされましたよね。
そうですね。これが日本のお話しなのかと、日本にこれほどたくさんの生きものが共存しているのかと信じられないくらいで、この目で見るまでは本当なのだろうかと、映像を通しての発見でした。
―ナレーションをするにあたり、特に意識したことはありますか?
アニメーションやゲームのキャラクターを通じて言葉を伝えることとは別で、ナレーションは一定であればあるほど聞きやすいものなんです。声に強弱が付いたり、抑揚をつけて強調すると、そのワードが目立ってしまう。イコール、その前後が埋もれてしまうんです。
凹凸があるような声色と起伏は、こういう主役がリアルな生きものたちの映像には適さないと言いますか、あまり自分が前に出るような声や言い方はミスマッチですよね。なので前作ではなるべく平坦に読むことを心がけていたのですが、そうすると今度は暗くなるみたいなこともあり。なので物事を正確に伝えることを意識してナレーションに臨んだので、そこは前作よりは上手くいったかなと個人的には思っています。
―難しい作業ですよね。
ついつい感情が入ってしまうのですが(笑)、盛り過ぎず、ナレーターという軸は超えず、ある意味引き算なのですが、テンションは引いちゃダメというのが難しくて、そこは今回も貴重な体験でした。個人的なことですが、スキルアップにつながる収録だったとも思います。
個性的にしすぎないことが大切なんです。アニメーションでは個性を出すことが大事ですが、今回の場合はずっと橫を歩いているような、併走する感じ。決して自分が真ん中に行くのではなくて、ナビゲートすることにすごく重きを置きました。
―改めてこの作品に携わった今、受け取ったメッセージはありますか?
本当にたくさんあるのですが、何よりも<生きること>ですかね。それはすごく感じました。環境はそれぞれ違いますが、たくましく地に足を付けて生きていくこと、カッコ悪くてもそれが美しさになるような強さみたいなものは、生きものたちから学びました。人間はどこかでキメなきゃ、ちゃんとしなきゃ、とかあると思うのですが、彼らは今を生きているというのが、それが映像を通して胸に響きました。明日が来ることが楽しみというか、どんな一日が待っているんだろう、どんな一日にしようという生命力みたいなものを映像から受け取れるような気がしていて、自分の心や魂が生き生きする、そういう作品だなと思いました。
『日本列島生きもの超伝説 劇場版ダーウィンが来た!』
ナレーター:水瀬いのり
出演:こうちゃん、須貝駿貴(QuizKnock)
ヒゲじい:龍田直樹
監督:久保嶋江実
制作:NHKエンタープライズ 映像提供:NHK
製作・配給:ユナイテッド・シネマ
公式HP:https://nippon-darwin.com
(C) 「日本列島生きもの超伝説 劇場版ダーウィンが来た!」製作・配給 ユナイテッド・シネマ