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コロナ禍の打撃を受けた2020年(189件)を大幅に上回り、年間最多を更新することが確実となった。
居酒屋ニーズの変化や酒類・食材など原材料の仕入れ価格高騰、人件費の上昇といったコストアップが重なり、居酒屋各店の苦戦が鮮明となっている。
10月までの推移を基にした2024年度の居酒屋市場規模(事業者売上高ベース)は、推定で約1兆6,600億円の見込み。
コロナ禍の影響で大きく落ち込んだ21年度(約8,900億円)から年々増加傾向にあるものの、過去10年で最高だった17年度(約1兆8,900億円)の水準には届かないとみられる。
インバウンド消費の拡大による客数増は好材料となるものの、大規模な宴会から少人数でのカジュアルな飲み会へニーズがシフトしているほか、物価高による節約志向の高まりで来店頻度や単価の低下といった影響を受けている。
また、コスト面では食材や酒類などの仕入れ価格が高止まりしているほか、人手不足による人件費、電気・ガス代など光熱費、地代・家賃などの負担増が重なり、収益を大きく圧迫するなど厳しい経営環境。
実際に、2023年度における居酒屋の損益状況をみると、最終損益が「赤字」となった居酒屋が約4割を占めた。
また、コスト増による収益の圧迫で「減益」のケースを含めた「業績悪化」の割合は6割を超えた。
こうした厳しい経営環境のなか、大手居酒屋ではハンバーガー店やカフェへの業態転換を図る「脱居酒屋」の動きも。
しかし、中小零細の居酒屋では対応策も限られており、コロナ禍では見えづらかった居酒屋の優勝劣敗がさらに進むとみられる。