パナソニック株式会社が行った20~40代の女性500名を対象にした「スキンケアにおける考え方」に関する調査により、多くの女性がスキンケアに関する一般的な誤解を抱えていることがわかりました。

例えば「化粧水はたっぷりと使用すると良い」という考えや、「クレンジング時のマッサージが肌のもたつきケアに効果的」というが挙げられます。興味深いことに、スキンケアに熱心な人やスキンケアブランドのプロデューサーでさえ、これらの誤解を持ちやすい傾向があることが分かりました。


調査で明らかになった「勘違いスキンケア」について、美容医療クリニックの貴子先生協力の元、正しいスキンケア方法の解説とアドバイスも紹介されています。

話題の成分が入っているかどうかでスキンケアアイテムを選ぶ

専門家の見解としては「正しいとは言い切れない」

話題の美容成分が含まれているかでスキンケアアイテムを選ぶことは、専門家によれば必ずしも正しいとは言えない行動です。美容成分が個人の肌質や悩みに適しているかどうかを確認することが重要であり、また、美容成分の濃度や浸透のしやすさにも違いがあり、同じ成分でも処方が異なれば効果も変わってきます。

そのため、高い効果を望む場合は、濃度や浸透のしやすさにも注目することが勧められます。
「医薬部外品」の表示があるものは、有効な美容成分が一定の濃度で配合されていることを示しています。また、美容成分の分子が大きく手塗りでは浸透しにくい場合は、リポソーム技術を利用した製品や美顔器を使うことで、美容成分を肌の奥、角層まで効率良く届けることが可能です。美顔器は、ヒアルロン酸やコラーゲン、ビタミンCなど、多くの美容成分の浸透を高めるメリットも提供します。これらの情報は、消費者が自分に適したスキンケアアイテムを選ぶ際の参考となり、個人の肌質や悩みにマッチした製品選びの助けとなるでしょう。

化粧水はたっぷりの量をバシャバシャ使ったり、重ね付けしたりする

専門家の見解としては「正しいとは言い切れない」


化粧水をたっぷりと使うことが肌に良いと思っている人もいるかもしれませんが、実は角層が吸収できる水分量には限りがあり、過剰な使用は肌のバリア機能を低下させてしまう可能性があるとの見解が出されています。

肌が水分を過剰に含むと、水分の蒸発が促進され、皮膚は乾燥しやすくなるのです。
専門家は、化粧品の使用量は各メーカーの推奨量を守ることを強く勧めています。足りないと感じる場合は、量を増やすのではなく、保湿力の高い成分が含まれた別のアイテムを試すことを推奨しています。ヒアルロン酸、コラーゲン、セラミドなどの保湿成分が肌の水分保持に効果的とされています。
さらに、保湿成分を肌にしっかりと浸透させるための方法として、美顔器の使用が推奨されています。美顔器は、手塗りでは難しい角層への高浸透を可能にし、適量の化粧品使用で肌の健康を支えます。

高価なスキンケアは少しずつ大事に使う

専門家の見解としては「正しいとは言い切れない」

スキンケアアイテムは美肌への第一歩ですが、その効果を最大限に発揮するには、適切な使用量を守ることが重要です。各メーカーは推奨する使用量をパッケージに明記しています。この推奨量を守ることで、高価なスキンケアアイテムの効果が期待できます。


しかし、高価なスキンケアアイテムの推奨量を使い続けるのが難しい場合、手ごろな価格のスキンケアアイテムを選び、美顔器を取り入れる選択肢も考えられます。美顔器は一度の投資で長期にわたって使用でき、肌に有用成分をしっかりと浸透させる助けとなります。


特に、高価なスキンケアアイテムを使用する際は、美顔器との併用がおすすめです。美顔器は有用成分を肌の角層まで浸透させ、化粧品の効果を向上させます。これにより、投資したスキンケアアイテムの価値を最大化し、美肌への近道となります。このように、適切な化粧品の使用量と美顔器の利用は、効果的なスキンケアルーチンを築くための賢い選択と言えるでしょう。

美容医療でなければ、ハリ感のなさによる肌のもたつきケアはできない

専門家の見解としては「誤っている」

美容医療は肌のハリ感を取り戻し、もたつきをケアする効果的な方法ですが、自宅でも日々のケアにより改善することが可能です。

特に、表情筋トレーニングは自宅でのデイリーケアとして推奨されています。口や目の周りの筋肉、そして舌を動かすことで、衰えた筋肉を活性化し、柔らかく滑らかな表情を取り戻すことができます。
こわばった表情筋のトレーニングを毎日自力で行うのはなかなか大変ですが、デイリーケアを積み重ねておくことで、美容医療に頼りすぎないでいられるようになります。

クレンジングをしながらマッサージをすることで、メイクを落としながらリフトケアもおこなう

専門家の見解としては「誤っている」

手を使って皮膚を動かすようなマッサージは、ジェルやクリームなどを塗っても、やり方によっては、摩擦にはつながってしまいます。また、クレンジング剤を長時間塗布したままにすることも、肌の負担になるのでおすすめしません。


肌の角層は非常にデリケートなため、少しの摩擦で簡単にはがれて薄くなり、ターンオーバーの乱れや、バリア機能の低下につながってしまいます。そのため、皮膚をひっぱったり、こすったりするようなマッサージは、肌にとって負担になってしまうことがあります。
リフトケアの際にも、肌をこすらないように意識して、前述のように、手を触れずに口や目を動かすなどの方法で、表情筋トレーニングをすることをおすすめします。

今回の調査では、多くの人が、スキンケアに関するさまざまな勘違いをしていることが判明したようです。また、一般女性を対象とした調査においては、5項目すべてで「正しいと思っている」または「実践したことがある」人の割合について、「一般女性全体」を「スキンケア好き」が上回る結果になったとのこと。スキンケアについて調べるのが好きな人こそ、こうした勘違いに陥りやすい傾向にあるようです。

「スキンケアのプロ」も勘違いに陥っていたことが判明!?

さらに、今回は、スキンケアブランドをプロデュースしている「スキンケアのプロ」にも、同様の質問をおこないました。その結果、「スキンケアのプロ」たちでさえ、今回の5つの項目に、勘違いしていたものがあったことがわかりました。

「スキンケアのプロ」である、スキンケアブランドのプロデューサー・ディレクターたちの声


(1)話題の成分が入っているかどうかでスキンケアアイテムを選ぶ
「最近流行っている、肌荒れに効果があると言われているツボクサエキス配合などのアイテムをみるとついつい購入してしまいます。今後は、成分自体だけではなく、濃度や浸透のしやすさにも、こだわっていきたいと思いました」(Eri/谷奥えりさん)

(2)化粧水はたっぷりの量をバシャバシャ使ったり、重ね付けしたりする
「化粧水は、1度目は顔よりも手に水分が吸収されている認識なので、顔にも水分が届くように、時間をかけて何度か塗り重ねていました。重ねすぎると乾燥のリスクがあるとのことなので、水分よりも成分の吸収を高めるように意識したいです」(小室安未さん)

(3)高価なスキンケアは少しずつ大事に使う
「私も昔、高価なスキンケアは、少しずつ使っていた記憶があります。私のブランドのお客様にも、高価なものはちょっとずつ大切に使うという方が多いです」(山中美智子さん)

(4)美容医療でなければ、ハリ感のなさによる肌のもたつきケアはできない
「成分重視のスキンケアアイテムを取り入れたりすることはあるのですが、目に見える効果や長期的な効果は美容医療に頼るのが一番なのかなと思っていました。表情筋のトレーニングについては選択肢に入っていなかったので、これから意識してみたいです」(小室安未さん)

(5)クレンジングをしながらマッサージをすることで、メイクを落としながらリフトケアもおこなう
「クレンジングなどは伸びがいいので、そのついでにリンパを流して浮腫みを取ることがありました。肌の負担や摩擦につながり、リスクがあるとのことなので、今後は肌への負担の少ないケアを心掛けたいです」(Ema/谷奥えまさん) 

なお、今回調査で扱った5項目が、すべて「スキンケアにおいて勘違いしがちな内容(正しいとは言い切れない、または誤っている内容)」であることを、調査回答時点で「知っていた」と答えた人は、わずか8.6%に。残り大多数は、「知らないものがあった」(66.4%)、「すべて知らなかった」(25.0%)と回答していたとのことです。

【専門家(美容皮膚科医)プロフィール】
貴子先生
松倉クリニック代官山 院長
日本形成外科学会認定専門医 帝京大学医学部卒業
京都大学付属病院など大学病院を経て、都内美容外科クリニック院長など歴任。
日本形成外科学会認定専門医の知識を活かして正しい美容医療を行う。

また、今回調査を行ったパナソニックは、2023年11月1日に、角層浸透研究の成果を結集した新美顔器「イオンブースト マルチ EX」を発売するとのこと。

この製品は、「パワーブーストテクノロジー」を搭載し、約3秒で肌の角層を一時的にゆるめ、美容成分の浸透を助けます。通常、分子サイズが大きい美容成分は手で塗るだけでは浸透しにくいが、この技術により美容成分の効率的な浸透が可能になり、スキンケアの効果を向上させることが期待されています。この新製品により、自宅でのスキンケアがさらに進化し、効果的なケアが期待できるでしょう。

情報提供元: TREND NEWS CASTER
記事名:「 美容のプロも知らなかった?「勘違いスキンケア」多くの女性が誤解、美容医療クリニックの先生が解説