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製薬会社の試験で、アルコール製剤500mL容器を、1週間に1回の頻度で製品のふたを開け、15mL廃棄し、ふたを閉じて室温で保存することを繰り返した。
その結果、6ヶ月後も製品として問題はなかった。
また別の製薬会社も、ポンプ式などのアルコール消毒薬の使用期限を6ヶ月と示している。
しかし、実際は6ヶ月より短い場合が多い。
まずは、開封後の保存状況や使用方法により、使用期限が短くなることがある。
当然のことながら、使用条件や保管状況などは、人によって異なる。
製薬会社の試験は、直射日光に当たらず、室温で保管した場合だ。
室温とは、1〜30℃と定められている。
真夏の室内温度は30℃を越すこともあるだろうし、直射日光下にさらされる場合もある。
この場合、製薬会社の試験した条件からは外れてしまうため、6ヶ月の保証ができないのだ。
次に、消毒液が微生物によって汚染される可能性もある。
使用中に容器の注ぎ口やキャップの内側に手指が触れてしまうと、微生物が付着する。
市販の消毒薬の中には、アルコールよりも消毒効果の低い成分のものもある。
その場合は、上記の製薬会社の試験よりも殺菌効果が弱いため、汚染する可能性も高い。
ちなみに、汚染した場合には速やかに破棄することが望ましい。
また3、消毒液を開封すると、アルコールが飛んでしまうことがある。
アルコールが揮発することで、ボトル内のアルコール濃度が下がる。
そうなると抗菌作用の十分な効果が得られないのだ。
一般的には、消毒液の使用期限は6ヶ月だ。
しかし、さまざまな理由で半年も効果が持続しない場合も多い。
また、長期間消毒薬が残っているという状況は、十分な手指衛生が行えていないとも考えられる。
いずれにせよ、開封後は出来るだけ早めに使用することが望ましいのだ。
執筆者:あやたい
医療制度や医療職・医療現場が抱えるさまざまな問題について考える医師。
日々変わっていく医療現場から生の声や、日常に役立つ医療知識を発信したいという思いで執筆。