マーリンズのイチロー外野手が今季350打席に到達し、80万ドル(約9640万円)の出来高獲得を確定させた。

 イチローの今季基本年俸は200万ドル(約2億4100万円)だが、300打席到達で40万ドル(約4820万円)の出来高が支払われ、さらに50打席到達ごとに40万ドルずつが追加される。設定されているのは600打席までで、最大280万ドル(約3億3740万円)が得られる契約。

 9月2日(日本時間3日)現在、今季の打席数は364。今のペースでイチローが試合に出続ければ、450打席は超えそうで、そうなれば、トータルで160万ドル(約1億9280万円)の出来高がゲットできる。

 マーリンズの外野陣は、左翼がクリスチャン・イエリッチ、中堅がマーセル・オズナ、右翼がジャンカルロ・スタントンと、3人の若手でしっかり固定されており、イチローはあくまでも“4番手”の位置付けだった。

 ナ・リーグには指名打者制がないため、開幕当初は代打中心の起用で、与えられる打席数は限られたものになることが予想されたが、レギュラー外野手の故障、不振が相次ぎ、スタメン出場が増加。6月に左手を骨折した昨季の本塁打王・スタントンが、いまだに戦列復帰できていない状況であるため、今後もイチローのスタメン出場は続きそうだ。

 ヤンキースに在籍した昨季は自己最低の385打席だったが、それを上回るのは確実。今季83安打で、メジャー15年連続の100安打も見えてきた。ただ、330打数83安打で、打率は.252と低調。このまま、調子が上がらなければ、13年の.262を下回り、自己ワースト打率でシーズンを終えることになる。

 メジャー通算安打は現在2927本で、来季中の3000安打達成が現実味を帯びてきた。そうなると、気になるのは来季の去就だ。マーリンズとは1年契約で残留するかどうかは未知数。

 ひとつのカギを握ることになりそうなのが、イチロー獲得に動いたダン・ジェニングズ監督(5月17日までGM)の動向だ。ジェニングズ氏は今季終了後に監督を解任されるのが濃厚だが、イチローの古巣マリナーズのGMに就任する可能性が浮上。その一方、マーリンズも、ジェニングズ氏のGM職復帰を打診する腹づもりだという。

 10月で42歳になるイチローを欲しがる球団は、そう多くはないだろう。イチローを戦力として買っているジェニングズ氏の去就が、来季のイチローの所属先を左右する可能性もありそうだ。

※為替は現在のレート
※成績は9月2日(日本時間3日)現在

(落合一郎)

【記事提供:リアルライブ】
情報提供元: リアルライブ