経済アナリストの森永卓郎氏(24年11月4日撮影)

ステージ4の膵臓(すいぞう)がんで闘病中だった経済アナリスト森永卓郎氏が28日午後1時33分、原発不明がんのため、自宅でなくなったことが分かった。67歳だった。

東京都生まれ。23年12月27日にレギュラー出演する、ニッポン放送「垣花正あなたとハッピー!」でがんであることを発表。同日から抗がん剤治療に続けていた。

同年11月に人間ドックを受け、膵臓(すいぞう)がんが見つかった。入院して抗がん剤治療を続けながら、電話やネットでラジオ番組に出演して仕事を続けていた。

最後のメディア出演は27日の文化放送「ゴールデンラジオ」(月~金曜午後1時)がだった。自宅からリモートで出演。大竹まこと、阿佐ヶ谷姉妹とトークし、「この一週間何も食っていないんですよ。だからパワーがなくなってボロボロになんですよ」「一週間前から急激に体調が悪くなった。根性で行くところまで行くぞ」と番組冒頭で話していた。

また、持論を話すコーナーでは「社会を分断させてボコボコにすることがいいことか、報復の連鎖が続くと良くない」とフジテレビ問題に見る世相について言及。「かつてフジテレビは、楽しくなければテレビじゃないというキャッチコピーを掲げていた。ギスギスしている今こそ楽しめる社会って大事なのではないか。石破茂首相の施政方針演説で、楽しい社会にしたいと言っていたが、あながち間違いじゃないと思う」とも話していた。

28日にはニッポン放送「垣花正 あなたとハッピー!」を欠席。長男で経済アナリストの康平氏が「かなりキツそうだなっていうのが正直な感想」など森永さんの様子を伝えていた。

森永氏は1980年(昭55)に東大経済学部を卒業して、日本専売公社に入社。三菱UFJリサーチ&コンサルティング等をへて、独協大教授。2003年(平15)に出版した著書「年収300万円時代を生き抜く経済学 給料半減が現実化する社会で『豊かな』ライフ・スタイルを確立する!」は200万部以上のベストセラーになった。“モリタク”の愛称で、ラジオやテレビで経済を分かりや説明して人気者となった。

時の政権の経済政策を歯に衣(きぬ)着せず批判することでも知られ、がんとの闘いを「基本的には戦いますので。岸田政権とも戦い“増税クソめがね”でテレビを降ろされているので。今のところ全然大丈夫。(抗がん剤注入のために体に)ポートを埋め込んでいるので、サイボーグになった気持ち」などと笑っていた。

森永氏は、食玩、アニメ美少女のフィギュア、有名人のサイン入り名刺、携帯電話ストラップ、テレビ局のノベルティの時計、グリコのおまけ、おもちゃのカンヅメ、ライター、指人形など収集マニアとして知られる。14年に自宅のある埼玉県所沢市内にコレクション約10万点を展示する「B宝館」をオープンしている。

◆森永卓郎(もりなが・たくろう)1957年(昭32)7月12日、東京都出身。80年に東大経済学部を卒業して、日本専売公社入社。経済企画庁、三井情報総研、三和総研、三菱UFJリサーチ&コンサルティングなどを経て、06年(平18)に独協大経済学部教授。安倍晋三総理のアベノミクスを“弱者切り捨て”と批判。収集マニアとしても知られた。長男は経済アナリストの森永康平氏。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 森永卓郎さん死去 67歳 膵臓がんで闘病中