「住職が話しているのに『ネットにこう書いてあった』」僧侶の落語家“ネットde真実”に懸念
天台宗の僧侶でもある異色の上方落語家、露の団姫(つゆの・まるこ、38)が19日までにX(旧ツイッター)を更新。インターネット上の情報を正しいと信じて疑わない人々について言及し、懸念を示した。
17日に投開票された兵庫県知事選では、パワハラなどの疑惑渦中にあった斎藤元彦氏をめぐって審議の判断が難しい情報もネット上に飛び交ったが、SNSを活用した選挙活動を展開して勝利したことで「大手メディアの敗北、ネットの勝利」といった文言や、ネット上の情報が正しいとうのみにする人々などを指す「ネットde真実」というネットスラングも話題になった。
団姫は、かつてネット上で殺人事件の関係者などといわれなきデマを書かれ、誹謗(ひぼう)中傷を長年受けた経験があるタレントのスマイリーキクチ(52)が「僕が恐れている言葉『ネットで真実を知った』この危険を理解している人は少ない」とつづったポストを引用。「お墓や仏事について、住職が説明しているのに『ネットにはこう書いてあった』と引かない人のお話をよく聞きます」と記した。
続けて「プロの言葉や現場の声そっちのけで信じられる『ネット』はこれからどうなるのでしょうか」と憂(うれ)えた。
さらに「ちなみに医師からも、ネットで調べた情報で自己診断してくる人がいて困るという愚痴を聞いたことがあります。そして、その信じ込んだ情報を覆す大変さも…」と、ほかの現場にも専門家の言葉よりネット情報を信じ込む人物が存在している現状について記述。「私は以前、ネットで誹謗中傷を受けたことがありますが、その人はWikipediaも書き換えており悪質だったため警察に相談、その後、2度逮捕されました」と自身がネットを通じて受けた被害についてもつづった。
そうした経験からも、「スマイリーキクチさんはネットリテラシーについていつも分かりやすく発信してくださっていますが『匿名だから大丈夫』『ネットだから大丈夫』『みんなが拡散しているから自分も拡散して大丈夫』は危険です」と訴え、「また、ネット上で誹謗中傷に遭っている方はネットだからと諦めず、警察にも相談しましょう。ネットで膨らんだ憎悪は、現実の世界と隣り合わせです」とつづった。