「没後10年 高倉健特集 銀幕での再会」の上映作品。上段左から「悪魔の手毬唄」「ジャコ萬と鉄」、後列左から「狼と豚と人間」「山口組三代目」(C)東映

2014年(平26)11月10日に83際で亡くなった映画俳優・高倉健さん出演映画の特集上映「没後10年 高倉健特集 銀幕での再会」が、11月7日~22日まで東京・丸の内TOEIで行われる。これまでデジタル上映されなかった61年「花と嵐とギャング」はじめ、10本の初デジタル上映作品を上映。さらに、鶴田浩二さんや藤純子の主演作品に客演した「脇役でも輝く健さん」作品、また東宝・松竹・KADOKAWA配給作品も含む、珠玉の19作品をデジタル上映する。

高倉さんは「東映ニューフェイス」2期生として、1956年(昭31)1月29日公開の「電光空手打ち」「流星空手打ち」(ともに津田不二夫監督)に主演し、デビューした。その後「日本〓(人ベンに峡の旧字体のツクリ)客伝」「網走番外地」「昭和残〓(人ベンに峡の旧字体のツクリ)伝」といったシリーズもののほか、主演、助演問わず数多くの作品に出演。76年に東映を退社し、独立後も日本映画界をけん引し、89年の「ブラック・レイン」や93年「ミスター・ベースボール」など、米ハリウッド映画にも出演。遺作となった12年「あなたへ」(降旗康男監督)まで、205本の映画に出演した。

「没後10年 高倉健特集 銀幕での再会」が開催される丸の内TOEIでは、亡くなった約1カ月後の14年12月6日から、追悼上映会を開催された経緯がある。追悼上映会第1回は、65年の主演映画「網走番外地」(石井輝男監督)が上映。午前11時の上映開始を前に、同9時20分の券売窓口のオープン時には、20人のファンが列をつくり、150人が鑑賞。開映直前には「よっ、健さん、待ってました!」と声があがり、終映後には客席から大きな拍手が湧き起こった。劇場で販売されたマルベル堂のプロマイドも100枚売れた。

東映は5月15日に、1960年(昭35)に開館した本社ビル「東映会館」の、再開発と本社移転、併せて丸の内TOEIの25年夏の閉館を発表した。22年12月に渋谷TOEIが69年の歴史にピリオドを打ち、東映最後の直営館となった丸の内TOEIのスクリーンでの「高倉健特集」は、今回が最後となる。

「没後10年高倉健特集銀幕での再会」上映作品(全19本、※は初のデジタル化)

※<1>「花と嵐とギャング」(石井輝男監督。1961年(昭36)6月23日公開)

※<2>「悪魔の手毬唄」(渡辺邦男監督、同11月15日公開)

<3>「人生劇場 飛車角」(沢島忠監督、主演・鶴田浩二、63年3月16日公開)

※<4>「ジャコ萬と鉄」(深作欣二監督、64年2月8日公開)

※<5>「狼と豚と人間」(深作欣二監督、同8月26日公開)

<6>「網走番外地」(:石井輝男監督、65年4月18日公開)

※<7>「網走番外地 北海篇」(石井輝男監督、65年12月31日公開)

※<8>「緋牡丹博徒」(山下耕作監督、主演・藤純子、68年9月14日公開)

※<9>「ごろつき」(マキノ雅弘監督、共演・菅原文太、68年10月12日公開)

※<10>「日本〓(人ベンに峡の旧字体のツクリ)客伝花と龍」(マキノ雅弘監督、69年5月31日公開)

<11>「昭和残〓(人ベンに峡の旧字体のツクリ)伝 死んで貰います」(マキノ雅弘監督、70年9月22日公開)

※<12>「山口組三代目」(山下耕作監督、共演・※菅原文太、73年8月11日公開)

※<13>「現代任〓(人ベンに峡の旧字体のツクリ)史」(石井輝男監督、同10月27日公開)

<14>「新幹線大爆破」(佐藤純彌監督、75年7月5日公開):

<15>「幸福の黄色いハンカチ」(山田洋次監督、配給・松竹、77年10月1日公開)

<16>「野性の証明」(佐藤純彌監督、配給・KADOKAWA、78年10月7日公開)

<17>「駅 STATION」(降旗康男監督、配給・東宝、81年11月7日公開)

<18>「夜叉」(降旗康男監督、配給・東宝、85年8月31日公開)

<19>「鉄道員(ぽっぽや)」(降旗康男監督、99年6月5日公開)

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 高倉健さん没後10年上映11・7スタート、25年夏閉館の丸の内TOEIで最後の特集上映