ロッテ「YOIYO 酒ガナッシュ<黒龍酒造>貴醸酒」記者発表会に出席した中田英寿氏(撮影・村上幸将)

サッカー元日本代表MF中田英寿氏(47)が22日、都内で行われたロッテ「YOIYO 酒ガナッシュ<黒龍酒造>貴醸酒」記者発表会に出席した。

質疑応答で、大手菓子メーカーのロッテと創業200年の福井県の黒龍酒造とのコラボが実現した今回の企画が、衆院選挙期間中に各陣営が叫ぶ景気浮揚、石破茂首相が訴える地方創生に繋がるのかと聞かれ、持論を展開した。

中田氏は「YOIYO 酒ガナッシュ<黒龍酒造>貴醸酒」は、贈答用にもいいとの考えを示した。その上で、イベントの最後に「これだけ訪日外国人も増え、日本酒への興味も感じる。さらに新しいキャッチポイントを増やす試みをやっていくべき」と、インバウンド(訪日客)にもインパクトを与えられると強調。「今後も、引き続き日本の文化、日本酒を広める活動をしたい」と訴えた。

中田氏はこの日、15年に設立した日本酒の販売促進事業を行う「JAPAN CRAFT SAKE COMPANY」の代表取締役として登壇。同社は、ワールドカップ(W杯)ドイツ大会後の2006年(平18)7月3日に現役を引退後、世界約90カ国、150以上の都市を旅し、09年からは日本全国47都道府県をめぐり、400を超える酒蔵を訪問。その中で日本酒のおいしさと文化的可能性を強く感じたことから設立。翌16年にスタートし、累計100万人が訪れた世界最大級の日本酒PRイベント「CRAFT SAKE WEEK」などで、地方の酒蔵や酒を紹介している。

質疑応答では。そうした活動、実績を踏まえ「国政選挙も行われているが、厳しい経済状況において、有権の関心事は景気浮揚。また、地方創生も叫ばれているが、今回のプロジェクトの意義、力になれることはあるか?」との質問も出た。

中田氏は「なかなか、すごい質問ですね。社会全体の話になる」と笑みを浮かべた。その上で「自分も全国を回って長いですけど、政治の話とかは、僕には、そこまで話す視点はないですけど、地方を回り、素晴らしい生産者は、たくさんいると思います」と地方の可能性について言及。一方で「だけれども、多くの場合、世界を見て動けていなかったり、世界に出た経験がないところで、考え方が小さかったりする」と課題も指摘した。

そして「ロッテのような世界的な企業や、黒龍酒造のように海外に出ているプラットフォームを使うことによって、世界へと視野を広げる物作り、流通を考えていくのは現場で起こっていくべきであって」と強調。「行政がやってくれるまで待つのではなく、自分たちで動いていく必要性がある。可能性があるコンテンツは、地方に非常に眠っていると思う」と地方の可能性を改めて強調した上で国、行政を頼みにするのではなく、自ら行動することの重要性を訴えた。

中田氏は、今回の企画にあたり30種類以上もの日本酒を試飲。「日本酒が入っている、どうこうじゃなく、本来の味のベースを分かった上で特徴を出すのが大事」と、チョコレートのベース作りの重要性を強調し、試作品106種類を作った。その上で、日本酒とチョコレートとの相性を比較して「黒龍 貴醸酒」を醸す黒龍酒造とのコラボレーションが決定した。

そのことを踏まえ「こういったことを、より多く、数多く試していくこと。可能性を試していくことが、地方創生型経済に繋がっていけばいいと思う」と強調。「可能性は、大きく残っているんじゃないかと思います」と語った。

中田氏は9月25日に、現役時代からマネジメント契約を結ぶPR会社大手サニーサイドアップグループの執行役員エグゼクティブオフィサーへの就任を発表。今月1日付で就任して以来、初の公の場となった。【村上幸将】

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 中田英寿氏、ロッテと老舗酒造会社とのコラボ企画に景気浮揚、地方創生のヒントあるか聞かれ持論展開