水玉れっぷう隊のケン(2004年3月撮影)

かつてアイドル的人気を誇ったお笑いコンビ「水玉れっぷう隊」ケン(55)が、21日夜放送のMBSテレビ「あれみた?」(月曜午後11時56分=関西ローカル)に出演。大きな浮沈を何度も経験し、今なお再起を期す思いを語った。

人気コンビ「ビスケットブラザーズ」による「東京踏ん張り兄さんの自宅へ行こう」の企画。ケンは、木村祐一、宮迫博之、宮川大輔からバトンを受けたという部屋に住んでおり、ビスブラの2人を迎え入れた。

ケンは、今年の吉本新喜劇選抜総選挙で3連覇を遂げ、新喜劇芸人として個性を発揮しているアキと、92年にコンビ結成。アキとは、高校時代のアルバイト先で出会った。横山ノックさんの弟子だった「横山アラン・ドロン」が経営する店で、ダンスや歌、お笑いの活動。デビューに至った。

「結成半年でNGKの漫才出番もろた」

芸人の聖地、大阪・なんばグランド花月(NGK)の出番に、わずかデビュー半年で立った。「NHK上方漫才コンテスト」「ABCお笑い新人グランプリ」でも、各種の賞を受賞するなど、洗練されたルックスもあいまって、アイドル的人気を誇った。

「プレゼントが大量に届くんで、プレゼント用のタクシー用意したぐらい」

大阪での爆発的人気に加えて、宮本亞門氏のミュージカルでオーディションに合格。出演した舞台を「三谷幸喜さんが見に来てて、『ダンスがよかったです』って。すぐにドラマ(の配役に自身)を入れてくださって」と振り返った。

そして01年、ついに東京進出。大阪時代から全国ネット番組へ出演していた売れっ子だったが、そのた実績をつなげられなかった。

「(東京の劇場)ルミネ(theよしもと)出番が月2回。子供にも会えず。仕事ない、でも(東京と大阪の)二重生活。毎月20万円、消費者金融から借りて送ってたの。ほんなら1年間で首回らなくなって、離婚したの。お金が問題で。子供が生まれたタイミングと、東京へ行こうかって(時機が)ちょっとずれてくれてたら…」

それでも04年、三谷幸喜氏による大河ドラマ「新選組!」への出演が決まり「もう、これ(ガッツボーズのしぐさ)よ。離婚せんでええやん! って、めちゃ後悔した」と振り返った。

その後、東京の吉本新喜劇で、アキとともに座長を担うも、11年の東日本大震災で、劇場も閉まり、立て直しに苦戦していた。

「どうすんねん? って時に妹が亡くなった。38歳。翌年にお母さんが亡くなって。妹亡くなって、オカンが亡くなって、めっちゃつらかった」

涙声になりながら言葉を続け「この時、お笑いなんかできへんかったもん。親には自分が活躍してるとこ、見せたいしさ。うわ、見せられへんかったって。もう、無理やん」。

いったんは絶望したものの、再び意欲を取り戻し「後悔せえへんためにも、やっぱ東京で踏ん張って、少しでも僕のこと、知ってもらって、最終的に後悔しないように、そこに向かってく」と誓っていた。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 元“アイドル芸人”絶望から再起へ 離婚、38歳妹と母の相次ぐ死…壮絶人生を振り返る