NHKの稲葉稲葉延雄会長(2023年1月撮影)

NHKは16日、都内の同局で定例会長会見を行った。稲葉延雄会長は8月に起きた、ラジオ国際放送などの中国語ニュースで中国籍の外部スタッフが、沖縄県・尖閣諸島を「中国の領土」などと原稿にはない発言をした問題について言及した。

同問題で9月に辞任した傍田賢治理事が、わずか1週間後にメディア総局のエグゼクティブ・プロデューサーとして再雇用されていた件について稲葉会長は「再雇用は人事局で判断させていただいている」としつつ「責任をとることはしっかりとった。NHK全体としても反省している。そのことと本人をどう使うかは全く別の問題。形だけで処理してはいけないということを思っています」などと語った。

役員の責任の取り方には、労務管理に適切性を欠いたなど組織の大きな信頼を損なった時や限定的な業務範囲における責任をとる時の2パターンがあるとし、今回は後者にあたると説明。「特性をふまえ、(NHK側が)再雇用を提示することはあってもいい」と述べた。

NHKは9月10日に行った会見で問題を謝罪し、稲葉会長ら幹部の役員報酬1カ月分の50%を自主返納、傍田理事が本人の申し出から10日付で辞任、関連するNHKグローバルメディアサービスの社長やNHK国際放送局長らの減給などの処分を発表していた。

問題を受け、当該中国籍スタッフとは契約解除、信用毀損(きそん)などの損書賠償を求める訴訟も提起しており、刑事告訴についてもさまざまな観点から検討を進めている。同スタッフはすでに帰国したとみられるという。同スタッフは48歳の男性で2002年にNHKと業務委託を結んでいた。8月19日の生放送で、靖国神社で落書きが見つかったニュースを読み上げた後、尖閣諸島を「中国の領土」と発言した他、英語で「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな。彼女らは戦時の性奴隷だった。731部隊を忘れるな」などと述べた。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 NHK稲葉延雄会長、ラジオ国際放送問題で辞任の傍田理事再雇用に「提示はあってもいい」