ツアーや父への思いを語った尾崎裕哉(撮影・阪口孝志)

シンガー・ソングライター尾崎裕哉(35)が12日、大阪市内で「ONE MAN STAND 2024 AUTUMN」(19日、梅田クラブクアトロ)の取材会に出席した。

尾崎が“ギター1本で挑む武者修行”と銘打ち、9月22日の新潟を皮切りに全国10会場を回るツアー。「等身大の自分を見せられる機会。お客さんとも近いので楽しい」。

コロナ禍の前は「聴かせる」ライブをしてきたが、ファンに参加してもらってこそのライブと気付いた。客からのリクエストに応じ、アコースティック・ギター1本で歌う。

「ラジオっぽい感じで。基本的に人の曲を歌ってきたのでカバーに抵抗感はないですけど、自分が歌ったらどう聞こえるかを考えて。遊びを入れないと飽きちゃうので」

リクエストがあればもちろん、父尾崎豊さんの曲も歌うが「デビューしたときは『もっとやって』って声がありましたけど、今はあんまり。カバーしたいときにするので今はやりやすい」。

尾崎を語る上で、父は切っても切れない。周りの反応に抵抗や嫌な思いを感じることもあったというが、「人が感じることは僕はどうすることもできない。聞く耳は持つけど、やるかやらないかは僕が決めることなので」と受け止める。

12、13歳の頃、父の曲にのめり込んだ。

「聴いてみたいと思って、家にあったベスト盤を聴いてたら、だんだんハマって。めっちゃいい音楽やってたんだな、カッコいいなって」

30代になり、自身の声質も変わった。父ではなく、尾崎裕哉の声質になったことは「うれしくも寂しくもあった」。そのタイミングで1度原点に返ろうと、父の「I LOVE YOU」「OH MY LITTLE GIRL」をカバーしたのが昨年のことだった。

尾崎の遊び心は音楽以外の分野にも広がっている。

趣味で友人と水ギョーザをプロデュースしており、「単純にギョーザが好きで。母親も『尾崎豊が好きだったギョーザ』みたいな感じで尾崎家のギョーザとか話してるんですけど、究極のギョーザを作れないかって。友人のおばあちゃんの『雅梅(がめい)ばあちゃん』のレシピがうまいと聞いて、一緒にやってみようと。FM802や大阪府のイベントにも出させてもらいました」と笑う。

そんな現在の尾崎にとって、改めて父はどんな存在なのか。

「昔も今も変わらず“オヤジ”。10代の頃はずっと見守ってくれてる感覚があった。無神論者ですけど、神は“いる”みたいな。大人になって自分の足で歩いているから頼ることもないけど、見守ってくれてる感覚はありますね。彼も大人になったんじゃないですか。『俺ばっかり頼るんじゃないよ』って」

屈託のない笑顔を見せながら、こう語った。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 尾崎裕哉、父豊さんは「昔も今も変わらず“オヤジ”。見守ってくれてる感覚はありますね」