登壇した米倉涼子(撮影・丹羽敏通)

米倉涼子(49)が8日、都内で行われた主演映画「劇場版 ドクターX」(12月6日公開)完成報告会見で、12年10月期にテレビ朝日系ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」の終了を、自らの口で明言した。「12年間、育んで育ててきた…何回も終わる、終わると言いながら続けてきた。映画で最後の『ドクターX』になります」。21年10月期まで7シリーズにわたって放送された国民的医療ドラマシリーズは、初の映画化となる今回の映画で、12年にわたる歩みにピリオドを打つ。

決めぜりふ「私、失敗しないので」が、誰もが知る国民的ワードになった、米倉演じる“ハケンの外科医”大門未知子が、スクリーンで最後のオペをする。米倉は会の冒頭で、過去12年の映像が流れるのを見て、涙をこらえようとしたのか、何度も大きく息をついた。映像が終了し、発表の段になると「今、浸ってたところなんですけど今、言わなきゃ、いけない?」と口にした。そして「愛されてきたのは、ここにいる仲間たち、たびたびのシーズンで敵役で出ていただいた共演者、スタッフ、何より応援してくださった視聴者の皆さんのおかげだと心底思っています。愛情が詰まった仲間と締めくくることができた」と万感の思いを口にした。

米倉演じる大門未知子は、大学病院の医局に属さず、怪しい名医紹介所に所属しながら、さまざまな病院を渡り歩く孤高のフリーランスの外科医だ。「論文のお手伝い、学会のお供、ゴルフの送り迎え、医師免許がなくてもできる仕事は、一切致しません」と口にして、病院組織で騒動を巻き起こしながらも、外科医の本質である手術や治療を成し遂げるため、一切の妥協を許さず突き進んだ。「どんな手術もいたします。私、失敗しないので」の言葉が視聴者の心をわしづかみにし、第7シリーズまで放送された10年間、全てが連続ドラマクール平均1位を記録した。

今回の映画は、未知子の誕生の秘密を描くエピソードゼロ的作品となる。染谷将太(32)が一人二役で演じる、サイコパスな東帝大学病院の新院長・神津比呂人と、医療機器メーカーのCEOで比呂人の双子の弟・多可人が最強の敵として登場。なにわ男子の西畑大吾(27)が東帝大学病院に配属された研修医・東村練役、綾野剛(42)が未知子の医大生時代の同期で、未知子の知られざる過去を知る唯一の人物、河野明彦役で出演する。

劇中で、未知子の盟友の麻酔医・城之内博美を演じた内田有紀(48)は「いつも最後と思って演じてきた。これで降りて、最後という気持ちを応援するだけと思った。米倉涼子に感謝したい」と米倉に感謝。見つめた米倉は涙を浮かべて「私が感謝」と口にした。

会見には、 田中圭(40=森本光役)勝村政信(61=加地秀樹役)鈴木浩介(49=原守役)遠藤憲一(63=海老名敬役)岸部一徳(77=神原晶役)西田敏行(76=蛭間重勝役)も登壇した。

<「ドクターX」シリーズの主なデータ>

◆第1シリーズ 2012年10月18日~12月13日放送。平均視聴率・個人10.4%、世帯19.1%、

◆第2シリーズ 2013年10月17日~12月19日放送。平均視聴率・個人12.8%、世帯23.0%

◆第3シリーズ 2014年10月9日~12月18日放送。平均視聴率・個人13.0%、世帯22.9%

◆ドラマスペシャル 2016年7月3日放送。平均視聴率・個人12.5%、世帯22.0%

◆第4シリーズ 2016年10月13日~12月22日放送。平均視聴率・個人12.1%、世帯21.5%

◆第5シリーズ 2017年10月12日~12月14日放送。平均視聴率・個人12.0%、世帯20.9%

◆第6シリーズ 2019年10月17日~12月19日放送。平均視聴率・個人11.0%、世帯18.5%

◆第7シリーズ 2021年10月14日~12月16日放送。平均視聴率・個人9.7%、世帯16.5%

※視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 「ドクターX」シリーズ12年の歴史に幕 米倉涼子「映画で最後になります」涙で終了宣言