若狭勝弁護士(2019年8月撮影)

吉本興業は7日、20代女性への不同意性交などの疑いで警視庁に書類送検された、お笑いトリオ、ジャングルポケット斉藤慎二(41)とのマネジメント契約解除を発表した。元衆院議員で元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士(67)が取材に応じ、不同意性交等罪についてや、今後の捜査の流れについて語った。

不同意性交等罪は2023年の刑法改正で強制性交罪(2017年の刑法改正前は強姦罪)から名称や内容が変わったもの。若狭部弁護士は「より女性を保護するためにつくられた罪で、暴行や脅迫といった手段だけではない性的な暴行も処罰の対象になりました。すごく重い罪でもあり、通常は5年以上20年以下の懲役となります。今回は本人が容疑を認めているので逮捕されずに書類送検になったのではないでしょうか」と語った。

女性側は「許すことは絶対にできません」と語っており、今後は起訴となるかどうかがポイントのひとつにもなってくるという。「今のままだと起訴されて重い刑が下されることが予想されます。なので、斉藤さん側は弁護士が示談交渉を行うなどしていくでしょう。交渉の結果、被害者側がそうした行為を許す、いわゆる『宥恕』しても良いということになれば、起訴されても執行猶予などがつく可能性もあります。書類送検だったからと言って、まだ現状では寛大な処分につながるかどうかはわからないと思います」と話した。

また、被害が発生した7月から約2カ月強が経過しての書類送検という期間については「いろいろと捜査していく期間も必要なので、特に遅いわけではない」と語った。

捜査関係者らによると、斉藤は7月に東京・新宿区内にとまっていたテレビ番組で使用したロケバス内で20代女性インフルエンサーに性的暴行を加えた。車内では女性と2人きりだった。斉藤は「軽率な行為で相手や自分の家族に迷惑をかけ、反省している」と容疑を認めている。

◆不同意性交等罪 刑法第177条。2023年(令5)の刑法改正で、強制性交罪(2017年の刑法改正前は強姦罪)から名称や内容が変わった。暴行もしくは脅迫、心身の障害、アルコールや薬物、虐待、経済的または社会的による影響力などを背景に、性的同意のない状況で「性交等」を行った者について、5年以上の有期拘禁刑に処すると定めている。「拘禁刑」は懲役刑と禁錮刑の一本化されたもので2025年6月施行。それまでは5年以上の有期懲役刑。「性交等」については、性器による性交のほか、肛門性交、口腔(こうくう)性交、性器や肛門への性器以外の体の部位や異物挿入の行為も含まれる。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 ジャンポケ斉藤は「書類送検だからといって寛大な処分につながるかはわからない」若狭弁護士解説