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勉強や遊びで夜更かししがちな学生の中には、なかなか眠れない体質でお悩みの人も多いはず。
そんな方たちにぜひ見てほしいのがこの作品、『放課後インソムニア』。
石川県七尾市の高校を舞台に、不眠症を患った少年少女の秘密の関係を描いた、青春恋愛アニメです。
天文部の活動を通して描かれる人間模様は大変初々しく、主人公・中身丸太と曲伊咲が観測室で寄り添い合って眠るシーンのイノセンスな美しさには、胸キュンが止まりませんでした。
かけがえのない誰かと巡り逢い、自分らしくいられる居場所を見付ける物語には、青春の輝きが詰まっていますね。
『ホリミヤ』の堀京子はスクールカースト上位の優等生。
学校では社交的な人気者で通しているものの、共働きの両親に代わって弟を世話する、家庭的な一面を隠し持っていました。
ある日のこと、怪我をした弟を不審なピアス男が送り届けにきます。
それがクラスメイトのネクラ男子・宮村伊澄だと見抜いた堀は、教室でポツンとしている彼に、思いきって声を掛け……。
本作は堀さんと宮村くんを中心に展開するドラマを描いた群像劇。
様々な距離感や温度差のある男女の恋愛にとどまらず、同性への恋心や憧憬も丁寧に掘り下げ、視聴者の圧倒的共感を獲得しました。
見た目で誤解される苦悩やすれ違いを経験した方は、堀さんと宮村くんおよびその仲間たちが織り成す、炭酸のように爽やかな青春模様にぐっとくるはず。
『スキップとローファー』は「人間関係の教科書」「道徳の教材にしたい」と大絶賛の学園アニメ。
石川県の過疎地出身の女子高生・岩倉美津未が、東京の進学校で友達作りに励む本作の見所は、キャラクターの長所短所のフラットな描写。
第一印象は「イヤなヤツ」「めんどいヤツ」でも、理解が深まるに従いそれが「個性」に裏返るので、同じようなコンプレックスを持った視聴者の自己肯定感が引き上げられます。
田舎娘・ギャル・地味子・イケメン・お調子者・高嶺の花etc……。
勉強や行事に大忙しなスクールライフの充実感、皆がわちゃわちゃじゃれる放課後の弾けた解放感は、ローファーの履き方さえ十人十色な、若者たちの可能性を感じさせてくれました。
ド田舎育ちの中学生・明日小路(あけび こみち)が名門校に入学し、本気で友達100人を目指す青春学園アニメ『明日ちゃんのセーラー服』。
制服のデザインで学校を選んだ人なら、推しのセーラー服姿に一目惚れし、第一志望を決めた明日ちゃんの気持ちがわかるはず。
思春期の少女特有の透明感や仕草のフェチズムを追求した本作は、ローティーンの女の子の初々しい可愛さがギュッと凝縮され、見ているだけで心が癒されます。
天真爛漫な明日ちゃんと個性的なクラスメイトたちが、学校行事を通し仲良くなっていくストーリーは、服の皺やスカートの襞、髪のキューティクルや関節の柔軟さに至るまでこだわり抜いた美麗作画も相俟って、視聴者を引き込みました。
現在も根強い人気を誇る『桜蘭高校ホスト部』。
資産家の子息子女が集まる私立桜蘭高校には、有閑階級のイケメンがお客を接待する、ゴージャスなホスト部が存在しました。
自習に適した環境を求めてホスト部に迷い込んだ藤岡ハルヒは、うっかり割ってしまった花瓶を弁償する代わりに、100人分の指名をとってこいと命じられ……。
眼鏡を外せば美形な主人公(女子)が、タイプ別イケメンたちと交流しながら学園内のトラブルを解決していく、逆ハーレムアニメの決定版。
美形揃いのホスト部メンバーと見た目美少年なハルヒの恋愛イベントは、少女漫画とBLのおいしいとこどりでテンション上がりました。
主人公の素の言動が無自覚のうちに好感度を上げまくる、総受総愛され乙女ゲー好き必見!
『君に届け』の舞台は北海道の高校。
主人公の黒沼爽子は一日一善がモットーの優しい女の子ですが、引っ込み思案な性格と長く重たい黒髪、人と話す時に緊張で笑顔が強張る癖が誤解を招き、「貞子」のあだ名で怖がられていました。
そんなある日のこと、ふとしたきっかけで人気者の風早翔太と仲良くなり……。
自分に自信が持てず何事にも消極的だった爽子が、真っ直ぐな目をした風早や、悩みを分かち合える友人たちと心を通わせ、ゆっくりじっくり成長していくストーリーにじーん。
高校3年間の描写を丁寧に積み上げ辿り着いた原作ラストには、必ず涙腺崩壊します。
『氷菓』はハイクオリティ作画に定評ある京都アニメーションと、推理作家・米澤穂信が組んだ名作アニメ。
省エネ主義の高校生・折木奉太郎が、「わたし、気になります!」が口癖の好奇心旺盛なお嬢様・千反田えると古典部で出会い、学園が舞台の事件に挑む本作のテーマは「日常の謎」。
人間関係の機微にフォーカスしたミステリーは味わい深く、ほぼほぼ両想いの2人のじれったい恋模様と、ロジカルな推理劇が楽しめます。
見終わる頃には古典部メンバー全員に愛着が湧き、ほろ苦い事件を通して大人になった、彼等の成長ぶりに感慨を覚えました。
『フルーツバスケット』は女子高生・本田透と、十二支に憑かれた草摩一族のハートフルな交流を描いた作品。
草摩家の人々に焦点を当てたホームドラマパートと賑やかな学園パートを交互に配置し、視聴者の興味を引っ張りました。
夾・由希・透の三角関係、そこに絡む生徒会の思惑、スケバン魚谷ありさと電波少女花島咲の活躍はギャグとシリアスのメリハリ利いたストーリーを盛り上げ、最後までハラハラドキドキが止まりません。
修学旅行や文化祭で起きるちょっとしたハプニングが、2人との距離を縮めるきっかけになるのもおいしいです。
『僕の心のヤバいやつ』は正反対の中学生2人のラブコメ。
コミュ症陰キャぼっちの市川京太郎は、モデルをしている陽キャ美少女・山田杏奈を目障りに思い、暇さえあれば彼女を殺す妄想に耽っていました。
そんなある日、安息の地・図書室で天敵とニアミスし……。
スクールカーストトップの人気者女子とド底辺の中二病男子、本来交わるはずのない2人のじれじれ極まる恋愛は萌えとエモの嵐で悶絶もの!
色々拗らせまくって素直になれない市川、大胆に見えて中身は乙女な山田のすれ違いには、青春の甘酸っぱさが詰まっていました。
『かぐや様は告らせたい』の舞台は名門秀知院学園。
高等部の生徒会では、特待生の生徒会長・白銀御行と、副会長の四宮かぐやが恋愛頭脳戦を繰り広げていました。
双方ともにプライドが高く、相手が自分に好意を持っていると思い込み、「先に告白させたほうが勝ち」として駆け引きを仕掛けるのですが……。
「お可愛いこと」のキメ台詞と暗黒微笑にだまされるなかれ、本当にお可愛いのは白銀会長大好きなかぐや様自身!
両片想いカップルが盛大に空回るコントは爆笑必至、毎度悪あがきにしか見えない意地の張り合いにニヤニヤが止まりません。
以上、新学期に見たい学園アニメ傑作選でした。
恋や友情に一生懸命な学生たちを見ていると、彼等と一緒に日常を過ごしたくなりますよね。
筆者は『スキップとローファー』の美津未のように伸びやかで、『君に届け』の爽子のように裏表なく、『明日ちゃんのセーラー服』の明日ちゃんのように朗らかな友達が欲しいです!