『「この素晴らしい世界に祝福を!」コンサート~この素晴らしい音楽に喝采を!~』夜の部が3日、東京・池袋の東京芸術劇場 大ホールで開かれカズマ役・福島潤、アクア役・雨宮天、めぐみん役・高橋李依、ダクネス役・茅野愛衣、第1期、第2期のTVアニメOP主題歌を担当した歌手・Machico、劇伴作家の甲田雅人氏が登壇し、オーケストラ演奏、朗読劇、トークで観客達と楽しんだ。
“このすば”の愛称でも親しまれる『この素晴らしい世界に祝福を!』は作家・暁なつめ氏のライトノベル。ひょんなことから死んでしまい異世界に転生した主人公・カズマが、高スペックながらどこか“駄女神”なアクア、最強の爆裂魔法しか使えない“頭のおかしい”魔法使い・めぐみん、攻撃が全く当たらないドMのクルセイダー・ダクネスとパーティーを組み、冒険を繰り広げたり、ときに口八町と度胸で苦難を切り抜けていくファンタジー作品。TVアニメは、2016年1月から第1期が1クールで、17年1月から第2期が2クールで放送され人気を博しており、今年『映画この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』の公開も予定されている。
昼の部『旅立つ我らに祝福を!』はTVアニメ第1期BGMを中心に展開されたが、夜の部『受難の日々に福音を!』はTVアニメ第2期BGMを中心に展開。
まずは、劇中に登場する“荒くれ者”の声が場内に響いたかと思うと、司会の百花繚乱が登場。この日の指揮を務める甲田氏と、Machicoを呼び込む。甲田氏は「いよいよですね!こんなに多くの方に来て頂けて嬉しいです!」と喜びを口にし、「昼の部からセットリストは全取っ替えしてます」と、第1部から参加しているファンも楽しみなコメントが。
Machicoはといえば、この日は数色のパステルカラーで彩られたロングドレス姿で、TVアニメ第2期OP『TOMORROW』を歌唱へ。東京ニューシティ管弦楽団のオーケストラをバックにした同曲は、雄大さを感じさせる構成で、生ならではの臨場感もあり、観客の視線を釘付けにした。
そのままコンサートに突入!ステージ中央の大スクリーンにTVアニメ第2期の映像が流れるなか、そこに東京ニューシティ管弦楽団が生演奏するという、まさにアニメとオーケストラの融合といった様相を見せる。照明もシーンに合わせて色を変えたり、点滅をしたりと、場内の雰囲気をさらに盛り上げた。
中盤には、福島、雨宮、高橋、茅野、甲田氏が登場しトークへ。雨宮が「オーケストラでやる日が来るなんて!」と、喜びを爆発させれば、茅野は「こんな素晴らしい場所でイベントをさせて頂けることを嬉しく感じました!」と、笑みを見せる。福島はといえば、コンサートの音楽を聴いてみた感想へ、「見知った話なのに、全然違う話に見えるくらい。OPの『TOMORROW』は壮大な冒険に見えました!」と、印象が全然違ったという。
甲田氏へは、『このすば』に初めて触れたときの第一印象を質問。「説明では異世界に転生して、壮大なファンタジーと聞いたんです。でも、第1期って冒険とかってしましたっけ?」と、ツッコんでキャスト、観客たちも大爆笑し福島も「冒険はしてないかな……」と、苦笑い。
続けて、甲田氏は「2期はやっと冒険するらしい。そう聞いたんで、アクセルの街とは違う音楽をと言われました。新しい街という感じで。ちゃんと冒険用に作った曲が冒険用に使われた感じです」と話したり、苦労した楽曲へ「アクシズ教団の曲ですね。確か、とにかく『押して、押して、押しの強い』という感じでした」と、振り返る。さらには、とある曲に至っては「RPGのバトルみたいに使われると思ったら、パンツを……」と甲田氏も思いもよらない使い方をされたといい、これに福島も「あの曲はバトル用だったんですか!?」と驚けば、高橋も「私も超格好いい曲だと思っていたんですけど、まさか……」と、反応していた。
また、百花繚乱からは、昼の部と夜の部の間の楽屋が、コンサートホールの楽屋とは思えないくらいの仲の良さで大騒ぎだったと証言。すると福島は「このすばのキャストで、ゲームをやっていたんです」といえば、茅野は、キャスト陣が自分が演じる役とコンサートのキービジュアルと同じ色の服装を着ているということで「この色を見たらわかりますよね」と、ニッコリで、高橋は「UNOやってました!」と、ネタバラシ。百花繚乱によると、「高橋さんの悲鳴が聞こえてましたよ!」と、相当に白熱したそうで、4人のチームワークの良さを伺わせるエピソードとなった。
そのままキャスト陣による生朗読劇へ。カズマたちの拠点としているアクセルの街にてコンサートが開かれたという設定で朗読劇が展開。しかし、朗読中には会場内の物販で販売しているおせんべいをかじりながらの高橋の生演技や、アクアがコーラス隊を連れてきたという設定で、本イベントに実際に参加したコーラスの方々が雨宮の指揮に合わせて歌うというハチャメチャな展開も!ついにはコーラス隊の方々が、“出がらし女神が売られていくよ~”と、第1期でお茶の間を爆笑させた歌まで歌うというぶっ飛んだもので笑いを誘った。
後半もさまざまな楽曲が披露されたが、その最後には雨宮、高橋、茅野による第2期エンディングの『おうちに帰りたい』の歌唱へ。カントリー調の同曲を雰囲気たっぷりに歌い上げると高橋は「これを3人で横並びで歌えるのが嬉しいなって」といえば雨宮は「歌っているときに目が合ったりして」と、3人でほほ笑みあい、茅野も「オーケストラの音を後ろに感じながら、(観客の)みなさんの表情をみていました」と、普段とは違った感じを楽しんだようだった。
あっという間に終演前となり、高橋が「楽曲たちを紡げてよかったです!」といえば、茅野は「このすばって大好きって思いました!劇場版も頑張りますし、『このすば』はいつでも攻めの姿勢でやっていきます。みなさんついてきてください!」と呼びかけ、雨宮も「これからも愛してもらえれば」と、アピール。
そして福島は、「僕らのパーティー自体はあまり冒険していませんが、『このすば』自体は冒険をしています。1期が終わって2期が放送されたり、ゲーム化、映画化など、いろんな奇跡を起こしています。どこまでも、できる限りしていきたいと思います。ついてきてください!」と、思いの丈を伝え、ラストは甲田氏が「『このすば』といえばこの曲ということで」と、カズマたちがクエストを受けて冒険に旅立つときの音楽を勇壮にアレンジした楽曲を演奏し、万雷の拍手が送られるなか終演を迎えていた。
※記事内写真は(C)暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/映画このすば製作委員会