女優・黒木華(28)、多部未華子(29)、鶴田真由(48)が13日、東京・新宿ピカデリーで映画『日日是好日』(監督・脚本:大森立嗣/配給:東京テアトル ヨアケ)初日舞台あいさつを原作者の森下典子氏(62)、大森監督(48)とともに開いた。
エッセイストとして知られる森下氏が茶道教室に通った20年の日々をつづったロングセラーが原作。真面目で、理屈っぽくておっちょこちょいな主人公・典子(黒木)がいとこの美智子(多部)とともにお茶を習いはじめたことから何かが変わっていく物語。瑞々しい心象風景や、お茶からの『気づき』など共感を呼ぶような事柄が詰め込まれている。
作品の見どころへ黒木は「茶器は本物を触らせて頂きました。この映画にかかわらないと触れない茶器だったり、掛け軸だったりを観て頂けるのではないかなって。大森監督は風の音、水の音も重視していて、四季を感じることができたかなって」と、アピールすれば、多部は「いろんなすごいなを感じたんです。口で言うのが難しくて」と、説明しようとしたがなかなか出てこず、もどかしげ。
さらに、黒木へは作品にかけて、大人になっての気づきはないかと質問が挙がったが、「休むのって大事だなって思いました。仕事がなくなってしまうんではないかとか不安だったんです。ちょっと疲れたなって3週間お休みを頂いてロンドンに行って、帰ってきたら、また新たに頑張れて。典子さんがお茶を立てたように、何も考えず自分の好きなことをする、吸収するっていうか、恐れずにするってことが、大事なんだなっていうのを最近気づきました。そこから自分の成長になるってことを、前向きになるっていうのが感じられた気がします」と、休みの重要性を語っていた。
また、本作といえば、先月15日に亡くなった女優・樹木希林さん(享年75)も出演しているとあり、大森監督は「一言で言うのは難しいですけど、出会えてよかった」と、すべてを1言に込め、多部は「いつかはご一緒したいと思っていた方なので、本当にご一緒できてよかったなって。お茶室という空間で2人でいる芝居主多かったので、なんてぜい沢なんだろうと過ごしていた時間でしたね。あまり言葉にできないというか……。こういうこと学びましたああいう姿が素敵ですというより、なんか言いづらいんですけど、人間性としてすごく格好いいところが多くて、映画をいろいろ観て知識も豊富で、自分が役者としてやらないきゃいけないことがあるって感じています」と、思い出を語り、「『初日迎えましたよ!』ってたぶん一緒にいると思います」と、樹木さんに呼びかけるようにコメント。
多部は「ご一緒する前は恐れ多い、怖いというイメージが凄く強くて。でも、撮影中にお話しする機会があったり、スタッフさんとかにお話されているのを観ていて、必ず1人1人と向き合ってお話していました。それと、いろんな姿勢を同じ茶室にいて感じることができたことが自分にとって貴重な経験になったなって強く思いますね」と、しみじみ話し、「2人でお話する機会があって、他愛のない話をしてありがとございましたってお伝えしたいです」と、なんでもない時間を共有できたことが嬉しかったようだ。
鶴田はといえば、「樹木さんはご自分に嘘をつかない方だなって。嘘をつかないけど、筋が通っているというか。佇まいにいろいろ教えてもらうことがあって、樹木さんが亡くなったときに、TVでやってましたし、ネットでも樹木さんの声を拾って、亡くなってからも教えて頂くことがあって、本当に出会えてよかったなって思うところが多いです」と、偲んでいた。
そして、黒木から「青春映画みたいなところもあり人生の気づきを感じる映画だと思います樹木さん演じるお茶の先生のお茶室も感じてもらいたいと思います」と、メッセージを寄せていた。
映画『日日是好日(にちにちこれこうじつ)』は全国公開中!