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大阪府出身。東京大学医学部卒業後、平成23年に三鷹はなふさ皮膚科を開設。その後は新座、国分寺、久我山などにも分院を開設。「The Japan Times」紙によりアジアの次世代を担うリーダー100人に選出されたほか、テレビ情報番組「とくダネ」「ビビット」「めざましテレビ」や新聞・雑誌などでコメントをするなどメディア出演も多数。
――埼玉の中心部である大宮に新たに開院した理由をお聞かせください。
一番は患者様のユーザビリティを考えてですね。遠方から治療を受けに来てくださる方も多く、埼玉の中心部でアクセスの良い大宮に開院することにしました。
――開院してすぐに予約が殺到したとのことですが、なぜそんなに多くの患者さんが訪れているのでしょうか。
実は、大宮以北(北関東)のエリアは皮膚科医療の高い需要に対して供給がまったく足りていないといわれていたんです。そのエリアにお住まいの方々にとって、もっともアクセスの良い場所のひとつが大宮。ですから、大宮院はある程度のニーズがあると確信していたのですが、想像以上の需要の高さに驚いているのが正直なところです。広告もほとんど出さず、最初はひっそりとプレオープンしてガラガラの状態から慣らしながらやっていこうかと思っていたのですが、嬉しい誤算というか……。大宮院は6院目になりますが、開院当初からこれほど予約が殺到したケースは初めてです。
――大宮院はどのような治療に特化しているのでしょう?
粉瘤や脂肪腫の治療といった皮膚外科に力を入れているのは当然のことですが、そのほかに、ニキビ跡などの治療に力を入れています。厚労省より認可が下りているニキビ跡などの治療機器「炭酸ガスフレクショナルレーザー」を備えており、これは大宮院だけとなります。また、4月からはまた体制が変わる部分があるのですが、現状では「皮膚外科」に特化したクリニックになっているのも大きな特徴です。
――大宮院は6院目ということですが、分院展開に注力されている理由は?
一番の理由は「日本の皮膚科のレベルを上げたい」ということです。ひとつの医院だけでやっていても、なかなか業界全体に声は届かない。分院展開で多くの患者様を救い、業界内で特別な存在になることで日本の皮膚科のレベルを上げたいという使命感があります。
――日本の皮膚科はレベルが低いのでしょうか?
アメリカと比べると低いのは間違いありません。米国のガイドラインなら手術をしないといけないような症状でも、日本の皮膚科では手術をしないことが多いんです。アメリカに比べて日本は保険点数が低く、皮膚科で手術に時間が掛かると赤字になってしまう可能性もある。なので、日本の皮膚科は「切りたがらない」傾向があり、適切な手術を受けられずに困っている患者さんがたくさんいるんです。
――どのように全体のレベルを上げていこうとお考えなのでしょうか?
大事なのは、外科技術を高めてスピーディーにしっかりとした手術をすること。当院は「皮膚外科」の技術に自信があり、それを日本の皮膚科全体に広げていけたらと考えています。日本でもアメリカでも皮膚科のニーズは年々高まっているのですが、実は日本だけでなくアメリカでも皮膚科の医師が手術を避けたがる傾向が強まっています。皮膚外科は血や膿にまみれる仕事で、ヒアルロン酸注入のような治療と比べると決してキレイなものではありません。しかし、患者様のことを第一に考えれば外科手術は必要な治療法。自分が率先して道を切り開いていくつもりで「皮膚外科」という分野を広めていきたいと考えています。
――なぜそこまで情熱を持つことができるのでしょうか?
やはり、患者様からの後押しですね。つい最近も、皮膚科に行ったけど手術をしてくれずに形成外科に行けと言われ、そこでも手術をしてくれずにたらい回しにされ、困り果てて当院を訪れた患者様がいらっしゃいました。そういった患者様たちのためにも、皮膚外科という分野を広めるために頑張っていかなければと思っています。
――最後に、今後の分院展開についてお聞かせください。
今年の8月に朝霞に開院することが決まっています。同時に、たくさんの患者様にいらっしゃっていただいている大宮での事業を早々に拡大したいなと思っている次第です。その後は、都心や神奈川方面なども構想に入っています。
「皮膚外科」に特化したクリニックに患者が殺到する背景には、日本の皮膚科業界の大きな問題点が隠れていたようです。そうした問題に真っ向から立ち向かい、悩める患者たちのために奮闘している花房先生への注目度は今後ますます高まっていきそうです。