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東京に出てきて間もなく、都市伝説好きの友人に「派手な格好して自転車に乗ったおじさん知らない?見ると幸せになるって話あるんだよ」と言われた事がありました。それが新宿タイガーさんだったと後になって知りました。
新宿をタイガーマスクの仮面を被って、自転車で走る男。それが、新宿タイガーさん。そんなタイガーさんのドキュメンタリーが3月22日から公開される映画『新宿タイガー』。
本作には、もはや新宿の都市伝説になっているタイガーさんの日常とは?!一体、どんな仕事をしているのか?!結婚は?!趣味は!?
タイガーさんの仕事は新聞配達。毎朝、雨の日も風の日も新聞を配るタイガーさん。社員旅行で海外に行く際、いつもの格好で現れたタイガーさん。案の定、当たり前のように税関で止められたという景気の良いエピソードから、本作はスタート。
趣味は映画。休日にはヘッチャラで3本もの映画館をハシゴする程の映画好き。そんなタイガーさんの休日に密着するカメラ。映画館から出てきたタイガーさんは作品の感想を饒舌に語るんです。熱のこもり方が支離熱烈寸前ながら意外と見どころを抑えた所が聞き応え抜群。所で、一体、何を見せられてるんでしょう?
こんな感じで「映画」以外にも「美女」(実はモテモテ男)や「ロマン」といったテーマでタイガーさんの日常や半生が語られていくんです。
そこには、謎まみれのタイガーさんの真実が見えてくるんです。
そもそも、パッションで伝えるタイプの逸材のタイガーさん。発言の8割くらいが意味不明。そこで制作スタッフはタイガーさんの異常に広い交友関係を当たり、周りから攻めてく作戦を敢行。
その結果、タイガーさんがタイガーさんになったのは1972年と判明。1972年と言えば、学生運動の残り香がまだ新宿に残っていた時代。そこから新宿文化、あるいはアングラ文化、タイガーさんの入り浸るゴールデン街の歴史話へと発展。そこには、我々には思いもよらなかった、タイガーさんがタイガーさんとして生きる重要な理由が判明!!着地点を見失ったような前半からは想像も出来ない程、ホッコリとした気持ちにさせてくれます
タイガーさんが原宿を歩いていると、そのド派手な出立に、道行く人々が思わず二度見。所が、新宿を歩いていると、様々な人が一緒に写真を撮ったり、握手を求めたりするんです。それに対して、誰彼構わず、笑顔で「ありがとねー」を連発。
まさに新宿のマスコットキャラなのだと実感。先ほど、紹介した税関でのエピソード。帰りには「また、いつでも来い」と仲良くなっていたというのもタイガーさんの人懐っこさが伝わってきます。そんな素敵なタイガーさんの素敵な一面が見れるドキュメンタリー映画『新宿タイガー』は3月22日からテアトル新宿ほか全国で順次公開です。
(C)「新宿タイガー」の映画を作る会
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