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本作がなぜ話題になっているのか?しかも、『ア・ゴースト・ストーリー』と言うタイトルにも関わらず、ホラーが苦手なはずの女性にファンが多い様子。
古めかしいながらも趣のある一軒家に住んでいる夫婦の静かな生活。
……と思ってたら、いきなり事故現場!物語も始まって早々に、突然、夫が交通事故で亡くなってしまいます。
安置所で遺体に被せてあるシーツが起き上がるんです。見ると、シーツを被って、目の所だけ穴が空いてるんです。そうなんです。夫が幽霊になったんですよ。貞子スタイルかゾンビ顔スタイルが幽霊のオーソドックスになった昨今、シーツを被った幽霊(というかオバケって感じ)は逆に新鮮!
オバケになった夫はトコトコ歩いて家へ帰るんです。勿論、奥さんには見えません。ただ、様子を見てるだけ。奥さんは夫の突然の死にノイローゼ状態。しかし夫のオバケはただ見てるだけ。何もしてあげられないんですよ。もう見てるだけで切ない…
本作は、まさかのオバケが主人公の映画なんです。この後は、オバケの目線で物語が進んでいきます。
物語が進むと、奥さんが知らない男と帰って来るようになり、挙げ句、家を引っ越してしまいます。でも、夫のオバケはこの家に居続けるんです。その後、ヒスパニック系の家族が入居。さらに時間が経ち、若者たちが入居。そんな感じで次々と新しい入居者がやって来ます。
夫のオバケは基本、見てるだけなんですが、気になるのは妻の残したメモ。何が書かれているか解らないこのメモ。妻が引っ越す際に、壁にできた隙間に入れていったんです。夫のオバケは何とか取り出したいんですけど、上からペンキで塗り固めてあるから、なかなか出せない…
果たして、妻の残したメモには何の意味があったのか?!作品内では、どのくらい時間が経ったか明確に説明はないんですけど、何十年も時間が経過してるんです。淡々と、でもテンポ良く。だから、ついつい観入ってしまいます。
お気づきでしょうか?今作は全然ホラー映画じゃないんです!もう切ないファンタジーなんですよ!
メガホンを取ったのは、39歳のアメリカ人監督のデヴィッド・ロウリー。 このロウリー監督、監督作品はまだ多くないものの、なかなかキレ者。ディズニー製作&配給のドラゴンと少年の友情を描いた映画『ピートと秘密の友達』から、1970年代の強盗カップルのクライム・アクション映画『セインツ -約束の果て-』まで撮ってしまう職人監督。
さらに、その評価も高く、2013年の『セインツ』ではカンヌ国際映画祭の批評家週間部門にて特別上映されてるんです。
本作の夫婦役には『セインツ』でもタッグを組んだオスカー俳優のケイシー・アフレック&カンヌ国際映画祭で主演女優賞を受賞したルーニー・マーラ。このとき、意気投合して、3~4年に1本ペースで作品作りを約束したとの事。
ちなみに本作も、シッチェス カタロニア国際映画祭で撮影賞を受賞。サンダンス映画祭では観客賞にノミネート。
アフレックはほぼ全編シーツを被りっぱなし。マーラはパイを4分間、勢いよく食べ続ける1カット長回しシーンにチャレンジ。さすがの演技力です!!
映画 『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』は現在、公開中です。
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