- 週間ランキング
今年のアカデミー賞を獲りまくった『シェイプ・オブ・ウォーター』で半魚人へメロメロになった方も多いと思います。ラブ・ファンタジーだった『シェイプ~』に対して、大量投入された半魚人が観れるのがサスペンス・ホラーの本作。
南極海の果ての小島へ転属になった気象観測員の主人公。作業は1人ぼっち。孤独と戦うつもりで島に来て1日目の夜。海から姿を見せる大量の人影。なんと戦う相手は孤独なんて甘っちょろいモンではなく、殺しても殺しても押し寄せてくる半魚人の群れだったと発覚!! なかなか全貌を見せない半魚人たちが恐怖をあおります!!
毎晩、夜になると陸へ上がり、主人公を襲撃してくる半魚たち。こいつはマズイ所へ来てしまったと、テンパる主人公。
島に居るのは、主人公と灯台守のヤサぐれオヤジの2人だけ。このオヤジが、また半魚人殺しに人生捧げてるようなオヤジで、信用度はゲキ薄!! 半魚人を殺す為なら、ヘッチャラで嘘つく、職場の先輩としてはパワハラですが、サスペンス映画のキーマンとしては合格なお方。
次に船が来るのは、「後任者が決まってから」というアバウトな約束のみ。いつ終わるともしれない半魚人たちとの殺し合い。果たして、主人公は、生き残れるのか?
そして、物語が進むにつれ、怪しい行動が目立ち過ぎる灯台守のオヤジと半魚人の、ある秘密が……。
なんと言っても、本作の魅力は暗闇で、しかも群れになって襲ってくる半魚人たち。ゾンビテイストなキモ系クリーチャーとして描写。夜にしか現れない半魚人に対して、昼間のうちに限られた資源で、どれだけ準備できるかが肝になってくるサバイバル展開。
そして、主人公を襲うのは半魚人だけではないんです。舞台が南極という事もあり、とにかく寒い!! 昼は装備の準備。夜は眠らず、寒さに耐えながら、ひたすら半魚人たちからの襲撃に備える……という過酷すぎる気象観測員の職場を垣間見れます。
メガホンを取ったのは、フランス生まれのザビエ・ジャン監督。殺し屋残酷物語な『ヒットマン』やギャングVSゾンビの『ザ・ホード 死霊の大群』、ポスト『悪魔のいけにえ』を狙った『フロンティア』など、フランス発「午後ロード」行きなスプラッター寄りのサスペンス・スリラーを手掛けてきたブレない人。その偏りのある職人技が本作でも遺憾なく発揮されています!!
半魚人好きだけでなく、『エイリアン』や『遊星からの物体X』などのモンスター&クリーチャー好きにもオススメな一本!!
その他のジャンル作品を一挙公開中の新宿シネマカリテの特集企画【カリコレ2018/カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2018】は8月24日まで上映中!!
映画『コールド・スキン』(原題:COLD SKIN)
「カリコレ2018」(東京・新宿シネマカリテ:2018年7月14日(土)~8月24(金))・大阪・シネマート心斎橋ほかにて上映。 配給:ハピネット
© Skin Producciones A.I.E - Babieka Films - Babieka Entertainment - Kanzaman France - Pontas Films (2016)