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公共の場で鼻をかんだり、盛大なクシャミをするのは、周りに大変な嫌悪感を与えます。もちろん、当事者も気をつけているけれど、花粉症やアレルギーだから仕方ないのかもしれません。
特に飲食店。ここは他の客に迷惑をかけるとともに、自分さえも食事を美味しく感じられないのではないでしょうか。
2月20日(火)は、財団法人日本アレルギー協会によって1995年から“アレルギーの日”に制定されています。そして、スギやヒノキの花粉が猛威を振るい始める時期でもあります。
花粉症の症状として有名な「くしゃみ・鼻水・鼻づまり」。中でも日常生活に大きな影響を与えるのが「鼻づまり」です。鼻の奥にある鼻腔と呼ばれる空洞に鼻水がつまることで、鼻が閉鎖されているように感じる人が多いでしょう。これを「鼻づまり」と思うかもしれませんが、実は「鼻づまり」の要因は、鼻の粘膜の腫れによるものです。
花粉症をはじめとしたアレルギー性鼻炎などは、鼻の粘膜に炎症が生じて血管の拡張が起こります。結果、花の粘膜が膨張し、鼻腔が塞がれるのです。
「鼻づまり」は日常生活において大切な「食」に影響を及ぼします。嗅覚は食べる事においてとても重要で、コーヒーやニンニクなどの香りを嗅ぐことで癒し効果や食欲増進を促しますが、それ以外に「リスク管理」もしています。例えば料理の焦げた匂いや食材の傷んだ匂い。体に悪影響を及ぼす可能性がある食べ物を嗅覚で察知しています。
また、嗅覚は味覚にも大きな影響を与えます。「鼻づまり」によって食べ物の味が判らなくなるのは、味覚が麻痺しているのではなく、鼻がつまることで匂い物質が嗅上皮に届きにくくなるからです。
アルコールも要注意。スウェーデンで行われた調査によると成人男性の3%以上がアルコール摂取後にアレルギー症状が発症し、その中で79%が「鼻づまり」を引き起こしたそうです。アルコールは血管拡張作用があるとされており、そのため鼻の粘膜が膨張して鼻腔が塞がれるのです。
東京大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科学教室准教授の近藤健二先生は「『鼻づまり』と『鼻みず』は病気の仕組みが異なるので、それぞれに個別の対処が必要」とし、「耳鼻咽喉科では患者さんの症状と鼻の中の診察から、それぞれの方に適した治療法を提案しています。症状がつらい時は是非、近くの医療機関に相談を」と話しています。
一時的な解決法としては「鼻を蒸しタオルで温める」、「靴下・足湯・足裏カイロで温める」があります。さらに意外なことに「ペットボトルやラップの芯などを使ってわきの下に圧力をかける」のも有効だそう。
あくまで一時的な方法なので、症状が続くようなら医療機関を受診することが大切です。