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大会は2本のルーティンの合計得点と5本のベストトリックで優勝が争われ、世界中のトッププロでも出場するのが難しいストリートリーグで、日本人が2位になるのは初めてのこと。次の大会は8月13日、アメリカ・シカゴにて行われる。
堀米雄斗はベストトリックの3本目でバンクからノーリーバリアルヒールフリップをメイク。会場からはこの日一番とも思えるような大歓声が湧いた。
ポイントは8.8ポイントで1本目のノーリー270テールスライドのポイントを上回ることはできなかったが、会場からはその得点に対しブーイングが起こった。
もっとも印象的だったのは、堀米雄斗のトリックを受けて、ストリートリーグで何度もチャンピオンに輝いているナイジャ・ヒューストンの顔が焦っていたように見えたことだった。
結果は以下のとおり。
1位 Nyjah Huston – 36.1
2位 Yuto Horigome – 35.5
3位 Carlos Ribeiro – 34.2
4位 Chris Joslin – 33.9
5位 Kelvin Hoefler – 32.9
6位 Miles Silvas – 32.1
7位 Dashawn Jordan – 31.4
8位 Torey Pudwill – 19.5
今回のストリートリーグのライブ配信を見ていて、本当にすごい瞬間を見てしまったと思った。実は、筆者は彼がまだ小さい頃から、毎週のように都内のとあるスケートパークで滑っている所をよく見ていた。
そのスケートパークで昔よく一緒にスケートボードをしていた人が当時、こんな事を言っていた。
「ストリートリーグで日本人が優勝する事は絶対ありえない」「日本人はアメリカ人には絶対勝てない。なぜならアメリカはスケートボードに関する環境がなんちゃらで…、日本はまだまだなんちゃらで…」
“その人”はいわゆるスケートボードオタクで、ありとあらゆるスケートボード雑誌を読み、スケートボードに関わるいろんな情報を知っていた。
当時の自分も「こいつが言うなら、そうなんだろうな」くらいに思っていた。ところが、蓋を開けてみたら…「全然ありえるじゃねーか…」
堀米雄斗の活躍を見ていると、今でもその人の言葉を思い出す。
今、日本のスケートボード界では誰もが想像していなかった快挙が次々と起きている。彼らの活躍を信じて行動していた周りの大人たちがいた事は確かで、そんな人たちの想いと彼らの努力の末に、とてつもない結果がついてきているのだ。
スケートボードオタクの“その人”とはもう会わなくなってしまったが今頃、堀米雄斗の活躍を見て、今度はどんな言葉を発しているのだろうか?
文/小嶋 勝美
スケートボードを趣味としており、ライターとしてスケートボード関連の記事を執筆。約10年間芸人として活動後、現在は放送作家としても活動中。