9月20日から22日の3日間にわたって千葉の幕張メッセで開催されたX Games Chiba 2024。

2日目に行われたスケートボード・ストリート種目ベストトリックで、池慧野巨(いけけやき23歳)がX Games初出場にして優勝、準優勝はカナダのコルダノ・ラッセル(20歳)、3位はアメリカのナイジャ・ヒューストン(29歳)となった。

同日に行われた女子ストリート決勝で伊藤美優(17歳)が銀メダル、赤間凛音(15歳)が銅メダルを獲得、優勝はオーストラリアのクロエ・コベル(14歳)だった。

最終日に行われた男子ストリート決勝は、日本勢による表彰台独占の快挙となり、優勝は白井空良(22歳)、準優勝が根附海龍(21歳)、3位に小野寺吟雲(14歳)が表彰台に立った。X Gamesゴールドメダル通算15個の記録を持つ、ナイジャ・ヒューストンは今大会ゴールドメダル記録を伸ばすことができずに終わり、BMXストリートのギャレット・レイノルズ(アメリカ)が今大会で通算16個目のゴールドメダルを獲得、さらに記録を更新した。

今大会は、東京オリンピック&パリオリンピック金メダリストの堀米雄斗や東京オリンピック金メダリストの西矢椛、東京オリンピック銀メダル&パリオリンピック銅メダリストのライッサ・レアウなどは参加していない。

【ベストトリック優勝/池慧野巨】

池慧野巨/ノーリービッグスピンヒールフリップ バックサイドテールスライド

ストリート・ベストトリックは男子のみの開催で、7人のスケーターによる20分間のジャムセッション方式で争われた。

日本勢からは池慧野巨、小野寺吟雲、佐々木来夢が出場。海外勢はブラジルのケルビン・ホフラー、フィリペ・モタ、アメリカのナイジャ・ヒューストン、カナダのコルダノ・ラッセルがエントリー。

池慧野巨は1本目からノーリービッグスピンヒールフリップ バックサイドテールスライドにトライするもミス。
フィリペ・モタがキャバレリアルハリケーングラインドを1本目にメイク。

その後、小野寺が2本目にスイッチヒールフリップ フロントサイドノーズスライドをメイクしトップに立つ。
続いてコルダノ・ラッセルがフェイキーヒールフリップ バックサイドリップスライドをメイクし首位に。

4本目には池が1本目から果敢にトライし続けた、ノーリービッグスピンヒールフリップ バックサイドテールスライド フェイキーアウトをメイクしてトップに立つ。

続けてコルダノが、フロントサイドキャバレリアルテールスライドをメイクするが、暫定2位のポジションは変わらず。
さらに続けてナイジャがハーフキャブキックフリップ Kグラインドをメイクし3位に。

最終9本目にコルダノがフロントサイドハーフキャブフリップ ノーズスライドをメイクするも順位は変わることなく競技を終えた。

競技終了直後、池に向かってナイジャが「Insane(ヤバイ)ノーリービッグスピンヒールバックテール、ネクストレベル!」と話していたのが印象的だった。

【女子ストリート/完全アウェイを制したクロエ・コベル】

クロエ・コベル/ノーリーキックフリップ

女子ストリートは初日に予選が行われ、オーストラリアのクロエ・コベルが首位で決勝に駒を進めた。
ストリート決勝は45秒のランを3本行い、その内のベストランで順位を競う。

今大会は海外勢がクロエ・コベルとタイのワリーラヤー・スッカセム(12歳)のみで10人中(当初出場予定だった織田夢海は怪我のため棄権)8人が日本人という国際大会と呼ぶには寂しいメンツとなったが、パリオリンピック金メダリストの吉沢恋、同じくパリオリンピック銀メダリストの赤間凛音といった世界トップレベルのスケーターが出場した。

吉沢恋/ビッグスピンフロントサイドボードスライド

パリオリンピック金メダリスト、吉沢のラン1本目。
メインハンドレールで、キックフリップフロントサイドボードスライド。
レッジでバックサイドノーズスライド ビッグスピンアウトなどを決める。
最後には、ハンドレールでビッグスピン フロントサイドボードスライドを決めると、82.66点で暫定首位に。

伊藤美優/キックフリップ

その後の伊藤のラン1本目。
メインのハンドレールで、フロントサイドフィーブルグラインド。
レッジでバックサイドテールスライド。
バンクtoバンクでキックフリップ。
レールでフロントサイドブラントスライドなどを決める。
最後にはハンドレールで、バックサイドリップスライドを決めると84.00点を獲得し、吉沢抜いて暫定トップに立つ。

クロエ・コベル/バックサイドスミスグラインド

その直後、クロエのラン1本目。
メインのステアでキックフリップ。
ヒップでスイッチキックフリップ。
バンクtoバンクでノーリーキックフリップ。
レッジでバックサイドテールスライド。
最後にハンドレールでバックサイドスミスグラインドを決めると、87.33点で伊藤を抜き暫定トップに。

赤間凛音/フロントサイド270リップスライド

ラン2本目は吉沢がフルメイク(ミスなく滑りきること)することができず。
直後の赤間のラン2本目。
メインのハンドレールでバックサイドスミスグラインド。
バンクでフロントサイドビッグスピン。
ダウンレールでバックサイドリップスライド。
レールでバーレーグラインド リバートなどを決める。

最後にはハンドレールでフロントサイド270リップスライドを決めて、フルメイクの滑りを見せると83.00点を獲得し、暫定3位につける。

伊藤は2本目ラストトリックにメインステアでハードフリップに挑むがミス。

暫定トップのクロエは2本目のランでさらに難易度を上げ、予選で完璧にメイクしていたレッジでのキックフリップバックサイドテールスライドに挑むも失敗。

その後3本目のランでは全員フルメイクの滑りを見せることができず、クロエの優勝が決まった。

【男子ストリート/日本勢が表彰台を独占】

ナイジャ・ヒューストン/スイッチフロントサイドキックフリップ

男子ストリートは2日目に予選が行われ、ナイジャ・ヒューストンが首位通過。

日本勢は先日、ワールドスケートゲームズ2024イタリア大会を制し、世界王者となった佐々木音憧が2位、髪型をコーンロウにして気合いの入る池田大暉が3位、白井空良が4位、小野寺吟雲が5位、根附海龍が6位と続いた。

小野寺吟雲/盆栽越えのバックサイド360キックフリップ

決勝のラン1本目、小野寺のラン。
ハンドレールでキックフリップバックサイドリップスライド ショービットアウト。
レッジでスイッチヒールフリップ フロントサイドノーズスライド。
バンクtoバンクをバリアルキックフリップで越えると、
続けざまにヒップで盆栽越えのバックサイド360キックフリップ。
ビッグスピンキックフリップ。
レールでスイッチバーレーグラインド。
最後にハンドレールで、キックフリップバックサイドテールスライド ビッグスピンアウトを決め、フルメイクの滑りを見せて89.00点を獲得。

白井空良/キャバレリアルバックサイドテールスライド ビッグスピンアウト

その直後、白井のラン1本目。
ハンドレールでノーリービッグスピンバックサイドテールスライドから入ると、
バンクtoバンクを360キックフリップ。
ダウンレールでバックサイドシュガーケーングラインド。
レールでフロントサイド270ボードスライドなどを決める。

ラストトリックは、ハンドレールでキャバレリアルバックサイドテールスライド ビッグスピンアウトで締めくくると、侍ポーズまでフルメイク。
92.00点を獲得し、一気に首位に躍り出る。

池田大暉/スイッチフロントサイドキックフリップ

さらにその直後、負けてられない池田のラン1本目。
キックフリップバックサイドリップスライドやハードフリップ、スイッチフロントサイドキックフリップ、キャバレリアルノーズブラントスライド、キャバレリアルバックサイドリップスライドフェイキーなど、フルメイクの滑りを見せ82.66点で3位につける。

根附海龍/ノーリーインワードヒールフリップ フロントサイドボードスライド

迎えた根附のラン2本目。
ダウンレールでヒールフリップバックサイドテールスライド。
バンクでキャバレリアルヒールフリップ。
レッジでフロントサイドテールスライド270アウト。
レールでビッグスピン フロントサイドブラントスライドフェイキー。
ハンドレールでインワードヒールフリップ フロントサイドボードスライド。
バンクtoバンクでバックサイドレイトビッグスピンなどをフルメイクし、85.33点で3位につける。

その後、小野寺、白井が難易度を上げたランを見せるもフルメイクすることができず、佐々木、ナイジャも1度もフルメイクの滑りを見せることができずにラン2本目を終える。

この時点で、暫定トップが白井、2位に小野寺、3位に根附の順で3本目のランへ。

根附海龍/ビッグスピンフロントサイドブラントスライド

ラン3本目。
根附がダウンレールでヒールフリップバックサイドテールスライドをさらにビッグスピンアウトに難易度を上げたランを見せ、93.00点を獲得し白井を抜き暫定トップに立つ。

ここで3位に下がった小野寺も難易度を上げたランを見せ、ラストトリックではスイッチヒールフリップ フロントサイドノーズスライドをメインハンドレールでトライするが惜しくも決めきれずに終わる。

白井空良

その直後、白井のラン3本目。
ハンドレールでキャバレリアル バックサイドテールスライドフェイキー。
バンクtoバンクで360キックフリップ。

レッジでアーリーウープからのバックサイド180フェイキー50-50グラインド。
ダウンレールでバックサイドシュガーケーングラインド。
レールでフロントサイド270ボードスライド。

ハンドレールでノーリービッグスピンバックサイドテールスライド ビッグスピンアウトを完璧にメイクし、驚異の94.66点でトップに返り咲くと、その後は池田、佐々木、ナイジャがフルメイクの滑りを見せることができず、白井のX Games初優勝が決まった。

【X Games Chiba2024ストリート・ベストトリック結果】

1位 池 慧野巨
2位 コルダノ・ラッセル(カナダ)
3位 ナイジャ・ヒューストン(アメリカ)
4位 小野寺 吟雲
5位 佐々木 来夢
6位 フィリペ・モタ(ブラジル)
7位 ケルビン・ホフラー(ブラジル)

【X Games Chiba2024男子ストリート結果】

1位 白井 空良–94.66
2位 根附 海龍–93.00
3位 小野寺 吟雲–89.00
4位 ケルビン・ホフラー(ブラジル)–83.33
5位 池田 大暉–82.66
6位 コルダノ・ラッセル(カナダ)–79.66
7位 佐々木 音憧–73.00
8位 ナイジャ・ヒューストン(アメリカ)–71.33

【X Games Chiba2024女子ストリート結果】

1位 クロエ・コベル(オーストラリア)–87.33
2位 伊藤 美優–84.00
3位 赤間 凛音–83.00
4位 吉沢 恋-82.66
5位 松本 雪聖–79.33
6位 中山 楓奈–77.66
7位 上村 葵–75.66
8位 ワリーラヤー・スッカセム(タイ)–70.00

写真・文 小嶋勝美
スケートボードに関する情報を幅広く執筆する、スケートボードライター兼放送作家。
10年間のお笑い芸人生活を経たのち、放送作家をしています。

情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 【X Games Chiba 2024ストリート】男子は日本勢が表彰台を独占&ベストトリックで池慧野巨が優勝!女子は伊藤美優が銀メダル・赤間凛音が銅メダル