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建築・建設業界の担い手不足や今後の就業者数の減少へと対応策が必要になる中、一建設(はじめけんせつ)株式会社は、業界への興味関心を高めるために、工業高校の建築科で学習する高校生に対して熱心な取り組みを続けています。
今回は、2024年6月12日(水)と13日(木)に、愛知県立碧南工科高等学校(以下、碧南工科高校)の建築デザイン科2年生39名を対象に開催した、木造住宅の建築現場見学会と住宅設計体験会の内容をレポートします。
年間46,000戸以上の住宅を供給する飯田グループホールディングスの中核企業である一建設は、学生向けにさまざまな取り組みを行っています。今回は自社の経験と知見、実績を活かして、木造住宅の建築現場見学会と住宅設計体験会を高校生に向けて開催しました。
こうした機会を提供する背景には、建築・建設業界の人手不足といった課題があります。今回の取り組みは、将来の建築・建設業界を担う建築科の高校生に新しい発見や気づきを得てもらい、現場の働き方を知ってもらうことを目的に実施しました。
実際の木造住宅の現場での説明や実演のほか、デジタル技術を活用した効率的な業務の進め方が紹介されました。
木造住宅の建築現場見学会では、開会の挨拶として、一建設の執行役員 西日本工事統括本部 本部長 土屋誠氏が「新たな発見や気づきを得ていただくと共に、木造住宅の仕事に少しでも関心を持っていただければと思います」などと述べました。
また、碧南工科高校の谷澤校長先生は「私も木造建築の現場を見るのは初めてです。普段、教科書で勉強していることを実際に間近で見て、大工さんたちがどのように協力して建物を造りあげているかを学んでもらえればと思います」などと生徒たちに呼びかけました。
その後、学生たちが建築中の木造住宅内に入り、同社の社員が基礎工事や躯体工事、工具、材料などの説明を行いました。また、電動丸ノコなどの使い方と危険性を説明した後、高校生5名が代表して実際にビス打ちなどを体験。学生は初めての経験ということもあり、緊張している様子でした。
また、iPadやスマートフォンで操作ができる施工管理アプリ「ANDPAD(アンドパッド)」を用いた業務管理の説明、「請負大工と社員大工との違い」などのキャリアの説明も行いました。
終了後、生徒からは「実際に建築現場の中に入って、ここはこんな部屋になるのかな?と想像するのが楽しかった。授業では図面で学んでいるので、それが実際に現場で見られて新しい発見もあった」「こんな機会はなかなかない。作っている最中の家を見られるのはすごくありがたいこと。多くの方々が僕たちのために建築の未来を見据えて教えてくれて、とても感謝しています。未来に活かせるいい経験でした」などの感想の声が上がりました。
2日目に、碧南工科高校の教室で開催した住宅設計体験会では、一建設の社員より住宅設計の仕事内容や、設計に用いる3D CADを使った住宅設計の実演を行いました。
また、高校生1名が代表して3D CADを実際に操作して住宅設計を行ったり、高校生全員が建売住宅の設計プランを作成したりとさまざまな体験が提供されました。設計プランの作成においては、作図用方眼紙を用いて「自分の住みたい家」の住宅図面を作成し、代表して3名の高校生が作成した住宅図面をスライドに映して発表しました。
終了後、生徒からは「ゼロから自分で考えて書くのは初めてでむずかしかったです」などの率直な感想が上がりました。
また、1日目と2日目を通した生徒の感想として「将来は大工など建築系の仕事に就きたいと考えていましたが、今回の見学会で柱の立て方や木の組み方などを知り、より大工になりたいという気持ちが強くなりました。自分が作れたらかっこいいなと思いました」などの将来のキャリアに関する声も上がりました。
同社の執行役員である土屋氏は、「生徒さんの楽しそうな表情が見られたので、開催してよかったです。授業で学んだことを実際の現場で見る機会は貴重だと思いますので、ぜひ続けていきたいと思います」と2日間の感想を述べました。
また、今後の展望として、「今回のような見学会や取り組みは各エリアで行っていく予定です。今後も継続することで、当社に入社していただく方が増えるとともに、建築業全体に興味を持つ方が増えれば良いと考えております」と話しました。
2日間に渡って行われた一建設による木造住宅の建築現場見学会と住宅設計体験会は、高校生たちに貴重な学びと経験の機会を提供することができ、大成功に終わりました。未来の建築・建設業界の担い手となり得る高校生たち。今後、今回の経験がどこかで活かされるときが訪れることでしょう。