腕時計と聞いてどの国をイメージするだろうか?高級時計を展開するスイス、高機能で硬派なドイツ、ファッショナブルなデザインのイタリアを頭に思い浮かぶ方が多いことだろう。上記の国々は長きにわたり世界中で愛されてきたわけだが、近年注目を集めているのが北欧ブランドだ。自然色のような落ち着いた色やシンプルなデザインが特徴の北欧ブランド。その中でもデザインと価格、そして機能面で北欧ブランドの魅力に誘ってくれるのが「About Vintage」である。

「About Vintage」は、2014年にデンマークの首都コペンハーゲンで幼なじみで時計愛好家のトマス・アナセン氏とセバスチャン・スコウ氏が発ち上げた新興の腕時計ブランド。「金庫で保管される程の価値のある腕時計を良心的な価格で製作する」という信念のもと、これまでにさまざまなモデルを展開している。今回は数あるモデルの中から、「1964 Horizon Quartz」を紹介する。

「1964 Horizon Quartz」は日本のデザイン・シンプルさ・機能性に敬意を払ったモデル。名前の由来は日本の時計メーカーであるSEIKOが、1964年の東京オリンピックで公式時計を担当したことに由来する。故に「1964 Horizon Quartz」のデザインは、その他「About Vintage」のラインナップとは一線を画するものとなっている。

「1964 Horizon Quartz」は、ステンレス製で高級感があり、一般的には「ラグスポ」にカテゴライズされる1本。「ラグスポ」とは「ラグジュアリースポーツ」の略で、高級感があり、厚みは薄く使い勝手が良いスポーツウィッチのことを指す言葉。どんなシーンにも合わせることができる万能タイプで、腕時計愛好家からの人気は根強い。競合他社が「ラグスポ」として販売しているモデルは、使い勝手の良さを活かしつつも、どちらかといえば重厚感のあるデザインで、値段も「高級」であることが共通している。

「ラグジュアリースポーツ」をミニマルに仕上げた「1964 Horizon Quartz」

そんな中、「1964 Horizon Quartz」は無骨でありながらも、北欧らしい無駄を省いたデザインが特徴的。高級感は損なわず、品格を示してくれるデザインは競合他社の高級腕時計に引けを取らない作り込み。にも関わらず、手の届きやすい値段に設定されている。高級なモデルが並ぶ「ラグスポ」というジャンルにおいても、ブランドの根幹にある品質と良心的な価格の両立という信念は揺るぐことはない。これが「About Vintage」の最大の特徴であり、魅力でもあるのだ。

高級感がありながらも主張しすぎない絶妙のバランスが魅力

デザインだけではなく、機能面も充実している。ダイヤルやベルトのバックルには316L サージカルステンレススチールを使用。金属アレルギーを引き起こしにくく、比較的人体に優しいスチールが使われている。

ラグスポでありながらも、シンプルに仕上げられているからこそ、マッチする牛革製ダークブラウンのベルト

ベルトはイタリア製で天然素材の牛皮から作られたダークブラウンのベルトに加え、今回は追加でシグネーチャーブレスレットのベルトも注文。付け替えて使用してみたが、汗をかく夏場においてもストレスなく着用することができた。また、気分や行き先の雰囲気に合わせて手軽にベルトを交換できるのも良い。ベルトを交換しただけでも腕時計の印象は大きく変わる。1本の時計を仕事やプライベート、TPOで使い分けられるのはかなり重宝した。使い分けていくうちに、長年使い続けることができる時計であると実感。それは「金庫で保管されるほどの価値のある腕時計」という企業理念にも通ずるもの。人生に寄り添い、次の世代にも託される時計。本体の作り込みはもちろん、細部のこだわりからも、創業者の想いが伝わってきた。

シグネーチャーブレスレットのベルトを装着すると、ラグスポらしい重厚感が際立つ印象に

ガラスには傷に強い素材であるクリスタルサファイヤガラスが使われているほか、サンレイ仕上げのダスティーブルーのダイヤル、信頼度の高い日本製ミヨタのムーブメントが採用されている。傷に強く、10ATMの防水機能も備わっていることから、日常使いで非常に重宝する1本。私自身、厚さも11.75mmと薄く作り込まれていることもあり、在宅勤務や外出先、帰宅後も入浴するまでつけっぱなしでいることが多かったほどだ。高級腕時計に使われている素材や技術が盛り込まれているにも関わらず、「1964 Horizon Quartz」は4万円で購入可能。驚きと同時に、ブランドの信念を見事に体現していることに感服するほかない。

「About Vintage」ではさまざまな社会貢献に積極的に参加しており、この「1964 Horizon Quartz」の購入者もユニセフのプログラムに貢献することができる。「1964 Horizon Quartz」を1本すると、通学用カバン2つに相当する金額がユニセフに直接寄付される仕組みになっている。また、モデルによってさまざまなプログラムが用意されているので要チェックだ。

日本でのディストリビューターや法人はないが、越境ECでの展開を行っており、公式サイトから購入することができる。さまざまな言語に対応しており、日本語での購入も可能だ。また、公式の日本語版ツイッターやインスタグラムもあり、日本人スタッフによるサポートも充実している。最新情報に加え、親切で購入者に寄り添った日本人スタッフのきめ細かい対応も魅力。ぜひチェックしてみてほしい。

情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 北欧腕時計ブランド「About Vintage」の「1964 Horizon Quartz」をチェック