いま、多くの企業で働き方改革や健康経営が推進されており、実に多様な取り組みが行われています。

今回は、そうして取り組みを先駆的に検証する、22社が参画する異業種連携による働き方改革コミュニティ「MINDS」にインタビューを行いました。従業員の健康や働き方、満足度アップのための取り組みは必見です。

■異業種連携によるミレニアル世代の働き方改革コミュニティ「MINDS」とは?

MINDSは「Millennial Innovation for the Next Diverse Society」の略称で、異業種連携によるミレニアル世代の働き方改革推進コミュニティです。

ミレニアル世代とは、1980年代半ばから 2000 年代初頭までに生まれ、2000年代に成人を迎える世代のこと。2025年には全世界の労働人口の約75%を占めると予測されています。

MINDSは、企業の一般的な健康経営施策とミレニアル世代が日々行う健康行動にギャップがあると感じ、新しい「健康経営」施策を社会に浸透させることをビジョンに掲げ、各社から有志のメンバーが集まって設立されました。

日本社会のイノベーション創出のために、「New Work Style」を提言・普及することを目的に、さまざまな活動しています。

■睡眠の質とビジネスパフォーマンスの相関検証開始

最新の取り組みとして、睡眠関連の検証プロジェクトが今年4月に発表されました。

これは株式会社ブレインスリープ、株式会社ユーグレナと共同で、睡眠の質とビジネスパフォーマンスの相関関係の検証を実施するものです。

MINDSのメンバーが、睡眠の重要性を改めて見直し、より良質な睡眠を得るために有効といわれるアクションを実施します。そしてその効果や体感を発信することで、 日本のビジネスパーソンが自身の睡眠について振り返り、改善していくきっかけを提供したいと考えているそうです。

キリンホールディングス株式会社 人財戦略部に在籍するMINDSプロジェクトリーダーの根津拓登さんは、次のようなコメントをしています。

「企業の一般的な健康経営施策とミレニアル世代が日々行う健康行動にギャップがあると感じ、新しい『健康経営』施策を社会に浸透させることをビジョンに掲げ、各社から有志のメンバーが集まりました。『睡眠』は従業員の健康だけでなく、ビジネスパフォーマンスにも大きな影響を与えます。MINDS参加企業の人事や健康経営担当と一緒に睡眠改善に向けた新たなサービスや商品を体験し、自社や日本社会の健康経営のあり方を見つめなおします」

●検証方法

ブレインスリープは、検証の効果検証を支援し、ユーグレナは睡眠改善行動における商品の提供を行っています。

本検証では、検証に参加する人が検証期間中、睡眠改善行動に取り組みます。その実施前後での睡眠状態を比較するものです。

睡眠状態の評価は、ブレインスリープ社が企業に対して提供する健康経営サービス「睡眠偏差値for Biz」および「ブレインスリープ コイン」を用います。
また検証に利用する主なアイテムは次のとおりです。

●「からだにユーグレナ 睡眠・ストレスWサポート 機能性表示食品」

ユーグレナが開発したサプリメントです。ユーグレナグラシリス由来パラミロン(β-1,3-グルカンとして)を機能性関与成分として、ダブルの機能性を持ちます。
一つが睡眠の質の悩みの原因となりうる「イライラ感や緊張感といったストレス」を緩和することが報告されている機能、そしてもう一つが「眠りの深さ、すっきりとした目覚め」といった睡眠の質を改善することが報告されている機能です。

●「スリーププロテイン」

株式会社セルフケアテクノロジーズによる「栄養補給」と「睡眠」をフルサポートするプロテインです。アミノ酸スコア100のプロテインに、睡眠をサポートする成分を配合。運動・食事・睡眠のすべてに自己投資したい人向け。

■ワーケーションの検証でタイピング速度・ブレストアイデア数アップ!

これまでも、MINDSはワーケーションや地方創生プロジェクトなどの取り組みを行ってきたそうです。根津さんによれば、これまでの取り組みで、従業員に次のような変化が起きているようです。

●ワーケーション

「異業種メンバーで複数回、ワーケーションを行い、自治体との交流や仕事のパフォーマンスの測定を行いました。『リゾートで休暇を楽しみながら働く』イメージが連想されるワーケーションですが、通常の出勤時よりも時間を意識した働き方になり、タイピング速度が向上したり、普段と異なる勤務環境によりブレインストーミングのアイデア発想数が上がるなどの結果が得られました」

●ストレス値の測定

「プレゼンティーズムの予防のために日々のストレス値を測定した検証では、前日の睡眠時間と質が自律神経に影響を与えることが分かりました。忙しい毎日を過ごすビジネスパーソンが日々の睡眠の質を可視化することで、睡眠が健康だけなく、仕事のパフォーマンスに与える影響を解き明かします」

これらの検証の成果が、今後の日本全体の企業へ良い影響をもたらし、働き方改革や健康経営が、従業員にやさしい形で実現すればいいですね。

【取材協力】

根津拓登さん
キリンホールディングス株式会社 人財戦略部
2019年入社。キリンビール横浜工場で総務広報担当に着任。2021年秋に石川県に異動し、スーパーマーケット向けの酒類営業を担当。2023年春に現部署に着任し、主に外国籍人財の採用や育成担当。入社2年目にして役員を巻き込む企画を立案するなど社内有志活動“キリンアカデミア”の運営をリードし、2021年4月からは第2期運営メンバーを担う。

情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 ビジネスパーソンの健康を底上げ!大企業が集まる働き方改革コミュニティの取り組みとは?