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2018年にスタートした同コンテストは、日本の食文化ともいえる郷土料理を健康的な切り口から再構成し後世に伝えていくとともに、その魅力を国内外に発信して地域活性化に結び付けようと企画されたものです。
5回目の節目となる今回は、従来のテーマ「タニタが考える健康的な食事の目安」に加え、新たに「免疫力と抵抗力を高める食材をバランスよく配する」を設定。全国5ブロック(北海道・東北、関東・甲信越、中部・近畿・北陸、中国・四国、九州・沖縄)から選ばれた代表14チームが、考案したレシピをプレゼンテーションと実食でアピールしました。
また、今回から「株式会社タニタ」の谷田千里代表取締役社長や「服部栄養専門学校」の校服部幸應校長ら食や健康の専門家とともに、高校生を中心とした一般審査が取り入れられ、次代を担う高校生ならではのフレッシュな感覚やSDGsの視点から審査を行い、グランプリ1チーム、準グランプリ2チーム、第5回大会記念特別賞1チームが選出されました。
【グランプリ】住吉友香さんチーム『黄ニラ香る贅沢おかやまばら寿司』(岡山県)
受賞コメント:栄養学生が学んでいる減塩などの些細な学びを活かして挑んだコンテストで、このような素晴らしい賞をいただけて嬉しいです。岡山の郷土の魅力と文化が全国に発信できたと思います。
1.黄ニラ香る贅沢おかやまばら寿司 2.ジャンピーばち汁 沢煮椀仕立て 3.桃太郎トマトの淡雪かん
【準グランプリ】柴美佐紀さんチーム『東経135°瀬戸内海パエリア』(兵庫県)
受賞コメント:忙しいなか試作を重ねながらメニューを考えたので受賞は本当に嬉しいです。これを機に兵庫県の料理などを広められたらいいと思います。
1.東経135°瀬戸内海パエリア 2.はグラ粕のはオトナの味 3.姫路おでん風べっちょないサラダ
【準グランプリ】名越万邑子さんチーム『黒豚とんこつの彩野菜添え』(鹿児島県)
受賞コメント:管理栄養士の学校に通いながらコンテストに応募すること自体、大きな挑戦でした。家族や先生のサポートのおかけで賞がとれたと思います。(祖母から渡された大島紬を着てのプレゼン)
1.黒豚とんこつの彩り野菜添え 2.カンパチの宝石箱 3.知覧茶だがね
【第5回開催記念特別賞】清水佳奈さん『どさんこ満足御膳』(北海道)
受賞コメント:若い世代のアイディアとお母さん世代のアイディアで意見を出し合って決めたメニューです。何度も試作を重ねて味を調整しました。(最多9品を応募)
1.Miso豚丼 2.乳和食!ピーマンに乗った鮭ちゃん 3.肉巻きいももチーズ 他
岡山県の「ばら寿司」は、祝いごとがあるときにいただく岡山の郷土料理。海の幸や山の幸を華やかに盛りつけたお寿司です。2年連続で美作大学のチームとして出場した住吉さんは、コンテストに出品するにあたり減塩をコンセプトに、塩のかわりに同じく岡山県特産「赤酢」を使用。塩分を抑えるとともに、見栄えも美しく仕上げました。
住吉さんは「ばら寿司をおばあちゃんに作ってもらったという県民は多いと思う。けれども日常的に食べるものではないので、若い世代からは馴染みがなくなってきている。赤酢もまた馴染みがなくなりつつある。それらを組み込むことで、郷土料理としての魅力をアピールしました」とレシピに採用した経緯を話し、「さまざまな県から美作大学に進学してくる生徒さん達に岡山県の郷土料理を知ってもらい、生徒さん達を通して岡山の魅力を全国にひろめたい」と抱負を。また、メンバーからは「“優勝しかない!”という気持ちで取り組んできました。お寿司は大好きなので地域の特産品をいれてしっかり考えてつくりました」と喜びの声を聞くことができました。
審査の点数にバラつきがなく、審査員全員の意見が一致したという今回。服部幸應校長は総評として「プレゼンテーションに関しても良いところを表現していた。モノを大切にする心を試食しながら感じた」とふりかえり、「全国で郷土料理は1230くらいある。食料自給率が低い日本では、このような郷土料理を大事にしていかなければいけない。むかしからの食材や希少な動植物がどんどんと姿を消すなか、地元の食材を生産する人達にも声をかけ、いろいろなかたちで残していきたい。そういう想いをコンテストで繋げていけたら」と挨拶し大会を締めくくりました。
なお、今回受賞したレシピは、今年度中に丸の内 タニタ食堂にて期間限定で提供される予定です。詳細は公式HP https://tanitagohan.net/ まで。