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サントリーウエルネスか発表した「実感年齢白書2022」によれば、実年齢とは別に、自分が実感する年齢が若い人ほど、満足感や幸福度が高いことが判明しました。
果たして、いつまでも気持ちも体も若くいる秘訣とは? 本白書の気になるトピックスをご紹介します。
「実感年齢」とは、サントリーウエルネスが独自に提唱している概念で、「実年齢」とは異なり、自分自身で感じる自分の年齢のこと。「カラダ+ココロ」の相互関係から感じられる本人の主観を含んだ年齢の基準であり、同じ実年齢であっても、個人によって「実感年齢」は異なる結果になります。
その実感年齢について、2021年12月に、全国の20歳~79歳の男女 10,894名に対して調査が実施されました。
あなたは「おじさん・おばさん」は何歳からだと思っていますか?
日常でよく聞く年齢にまつわる様々な「呼び方」について、世の中の人は何歳くらいのイメージを持っているのかを調査したところ、何歳以上から「おじさん・おばさん」かの問いに対しては、平均49.0歳という結果に。「シニア」は平均61.6歳、「おじいさん・おばあさん」は平均69.0歳、「お年寄り」は平均73.1歳となりました。シニアとおじいさんは同じように思えますが、異なるとは驚きですね。
そして、面白い事実が判明! 「生活全般におけるあなたの満足度は?」の問いに対して、「幸福度」「健康」「容姿」「仕事」「人間関係」「趣味」いずれも実感年齢が若いグループのほうが、実感年齢が高いグループより割合が多くなっていたのです。
つまりこれは、実感年齢が若い人ほど、幸福であるという傾向が出ているということです。
今20代の人は、まだ若いとはいえ、いつまでも、若さをキープできるわけではありません。誰でも老いていくもの。でも、実感年齢を若く保てば、幸せでいられるという希望が見えてきました。
そこで、本白書では、実感年齢が若い人の特徴をまとめていました。
食生活や睡眠・休息、運動、パーソナリティ、人との交流、美容・ファッションいずれも健康かつアクティブで人との交流が多く、リーダー的な存在の人物像が見えてきました。
「自分の姿を鏡でよくチェックするほうだ」については実感年齢が若いグループが49.0%で、高いグループが27.7%という結果に。約2倍の差が開いていたのは驚きです。
本白書では、実感年齢が若い人の「心持ち」の側面から得られたヒントが紹介されていました。ぜひ取り入れてみましょう。
Hint1 何事にも楽しむ工夫を取り入れてみる!
Hint2 まずは小さな目標からコツコツと自信に変えてみる!
Hint3 少しお洒落したくなるような外出の予定を増やしてみる!
本調査を監修した京都橘大学健康科学の兒玉隆之教授に今、20代の男性読者がこれから、若々しく年を重ねていくにあたって、どんなことを意識しながら生活をすればいいかヒントをいただきました。
「人は、生きていく上で“歳を重ねる”ことから逃れることはできません。歳を重ねる、つまり人生を重ねる中で、いつしか人間関係や社会的な役割の拡大に伴い利他的な生き方となってしまうことも多いと思います。反面、その代償として自分自身への気づきや労(いたわ)りといったものを見失いがちになります。このような『自己への内観力(見つめる力)』が低下すると、自分が何をどこまでどれだけできるのかといったことを分析できる力、私はこれを“見積もり力”と呼んでいますが、この力も低下してきます。さらには、自己効力感(※)や幸福感といった心の状態にも大きな影響が出てきます。
実感年齢のような自身が感じる年齢をいつまでも若く保つために必要なことの一つとして、自分自身をきちんと評価できることが重要です。決してうまくいかないことがあっても、自身と向き合うことから避けることをせず、反省の中にも一つ、二つでよいので、自身が頑張った点や良かった点を心の中で見つけてあげること。何でもかんでもポジティブに捉える自己肯定感とは違います。
二つ目は、仕事でもプライベートでも常に目標を設定することです。コツコツと努力を重ね達成されたとき、自己効力感は高まるとされています。運動や栄養バランスの取れた食生活などは、"無理のない毎日の積み重ね"の代表的な目標となるかもしれません」(兒玉教授)
※自己効力感とは:効果的に遂行できるかどうかの確実な自信のこと。
キーワードは、「自分を見つめる内観力」や「自己効力感」「目標設定」「コツコツ毎日努力を積み重ねること」といえそうです。ぜひ取り組んでみましょう!
全国で実感年齢を比べてみると、1位は「和歌山県」、2位は「高知県」、3位は「大阪府」と、いずれも西日本になりました!あなたの出身地は入っていましたか?
あなたの実感年齢は、何歳でしたか? 実年齢と比べて若かったなら、ぜひさらに若い年齢を目指して前向きに進みましょう。もし、実年齢と比べて高かったなら、今回の内容をヒントにしてアクティブに人生を送りたいですね。
【調査出典】
サントリーウエルネス「日本全国実感年齢白書2022」
PC:(https://www.suntory-kenko.com/contents/aginglabo/jikkan_nenrei/hakusyo.aspx)
SP:(https://www.suntory-kenko.com/sp/contents/aginglabo/jikkan_nenrei/hakusyo/)
【調査監修・取材協力】
兒玉隆之 教授
1992年国立療養所福岡東病院附属リハビリテーション学院卒業後、理学療法士として脳神経障害患者のリハビリテーションに従事しながら、久留米大学大学院医学研究科を修了(博士(医学))。現在は、京都橘大学健康科学部教授および久留米大学高次脳疾患研究所研究員を務める。専門である神経生理学およびリハビリテーション科学領域の立場から、脳波解析を主なツールとし人の「脳内機能ネットワーク」や「こころとからだの健康」の解明に取り組んでいる。近年は、応用脳科学の視点から脳波による情動可視化の研究にも取り組んでおり、自動車や化粧品会社などとの企業共同研究も行っている。日本ヘルスプロモーション理学療法学会理事・評議員。著書・共著に『神経・生理心理学』、『Neurological Physical Therapy』などがある。