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「メンドリと赤いてぶくろ」(作:安東みきえ 絵:村尾亘 出版社:KADOKAWA)
赤い手袋が左右離れ離れになり、その片方がメンドリトと出会うことでいろんなことに気付くという物語でございます。その“いろんなこと”が、ネタばれになるのでここではお話できませんが、大人のドラマのテーマでも扱われるようなテーマなのでございます。そう、大人にも刺さる、むしろ大人の方が刺さるお話になっております。
ちなみに、出版社の内容紹介には、こう書かれております。
「自分のままじゃいけないの?と悩むメンドリと、立派ってなんだろう?と考えるようになる赤いてぶくろ。冬の日の偶然の出会いが、ふたりの未来を大きく変えます」。
…これだけ読むと(メンドリと赤い手袋が人物の名前に差し替えると)、まるでテレビドラマのあらすじでございます。
もう一冊、こちらも赤い手袋のお話でございます。
「あかいてぶくろ」(文:林木林 絵:岡田千晶 出版社:小峰書店)
こちらも手袋が離れ離れになる物語でございます。こちらも大人のドラマで使われようなテーマが題材になっております。離れ離れになったふたり(左右の手袋)が、それそれ違う人生を歩み始めます。そしてある日、再開を果たします。お互い自分の人生を歩み初めていたふたりは昔のような2人の関係に戻れるのか?戻るのか……。ドラマを1本見たくらいの満足感が得られるのではないかと存じます。
2作品とも、大人が「絵本って、こんなに面白いんだ」と思うこと間違いナッシングな大人絵本でございます。是非、この機会にご体験頂ければと存じます。
(文:絵本トレンドライター N田N昌)