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元エリート弁護士がかつてのライバル検事と激突、66分の騙し合いバトルを描く映画『ペテン狂騒曲』が、池袋HUMAXシネマズほか全国順次公開中です。監督・脚本は、『カルマカルト』『現代怪奇百物語』などを手がけた松本了。今作も完全オリジナル作品です。
ハイエナと呼ばれる元エリート弁護士・坂木誠人(林 光哲)と、かつてのライバルだった検事・我妻泰史(武本悠佑)が再会し激突。半グレ・売人・詐欺師などが絡み、金×名誉×プライドが交錯する騙し合いのバトルが繰り広げられます。
イケメンたちによる金と嘘が絡み合う映画『ペテン狂騒曲』。主人公の弁護士・坂本誠人役の林 光哲さんにお話をうかがいました。
■公式サイト:https://peten-revely.info/#event [リンク]
●本作の主演が決まった時、率直にいかがでしたか?
最初は「いやまさかウソでしょ!?」という感じでした。舞台のお話は来るのですが、映像はなかなかないんですよね。去年の舞台『刀剣乱舞』は大きな反響をいただきましたが、主演などまだ全然だと自分では思っていて。その不安もあるなか「どうして自分に話が来たのか!?」と思っていたのですが、台本を開いたらちょっと納得出来たところもありまして。
●それはどういう点でしょうか?
主人公の坂木誠人のキャラクターが、自分ぽかったんですよね。飾ってないですし、自分と似ているので腑に落ちるところはありました。
坂木誠人は弁護士で、ある刑事事件で無罪判決を奇跡的に勝ち取るも、事務所を開いたら破産してしまい、借金取りに追われているんです。でも性格的には明るくて茶目っ気があり、人に慕われている。僕も舞台の公演中に共演者にいじられやすいので(苦笑)、構われているところは共通しているなと思いました。
あとは人との縁が良くも悪くもあるキャラクターなんです。見た目や能力よりも、人柄がキーになっているキャラクターかなと思いました。
●反対にご自身と異なるところはいかがですか?
僕は先のことを考えて行動することが得意ではないのですが、誠人はかなり先のことまで考えるので、平たく言うと頭がいい人ですね。
●法律がモチーフになっている側面もありましたが、物語の感想はいかがでしたか?
分かりやいストーリーである一方、法律の知識を駆使しての逆転劇、悪知恵みたいなものを使った抜け穴も出て来ます。監督自身が法律を志して、司法試験を受けていたらしいので、その目線が入っているんですよね。監督が言っていたのですが、観ていただければ分かるように法の抜け穴と言ってもよくあるドラマのように大きな展開があるわけではなく、本当に小さなことしか出来ないのだそうす。
そこを観た人はドラマのような感じと違うと思うかも知れませんが、リアルな目線だとあの程度の感じだと思うんです。つまり現実に近い意味での法律の抜け穴が描かれていると思うので、それは面白いかなと思います。
●法律家という意味で役作りでこだわったところはありますか?
糸口になればと、実際に裁判の傍聴に行きました。とても淡々としている感じで、バトルみたいなものは5件中、1件だったかな。検察側がイライラしていて裁判長がなだめる感じでしたが、リアルな裁判はこういうものかと思いました。なのでそういう意味でも、先ほど言った作品に漂っているリアルにつながるのかなと思いました。
●若手俳優のみなさんがたくさん出ていらっしゃいますが、共演の感想はいかがでしたか?
確かに撮影現場は、若い現場ではあったと思いますね。撮影は短い期間でしたが、みんな個性的ですごく面白くて。年下ばかりでしたが、人柄もよくて助かりました。僕は人見知りが激しいのですが、みんなのしっかりした個性のおかげで撮影中もそうじゃない時も助かりました。スタッフさんも迅速に動いてくれて、いろいろなところで支えでいてくれました。
●少しだけ近況の話をうかがいますが、ファンクラブを発足され一年ですが、振り返ってみていかがですか?
それまでなかったものなので、自分が今立ち続けていられているのは、みんなのおかげということが実感できたことが大きいですかね。その方たちがいなければ、舞台も成り立たないわけですよね。自分の実力半分、みなさんの応援半分、それがひとつになるありがたみが、形となって現れてるんです。本当にみなさんに歩かせてもらっている感じです。
●最後になりますが、本作はどういう人に観てほしいでしょうか?
監督の言葉を借りれば、全員ダメな奴なんですよね。それぞれが落ちぶれた立場にいて、僕が演じている弁護士・坂木誠人は特にそうなんです。たとえば、落ち込んでいる人が観るといいかなと思います。彼らがあがいている姿を観ることで、自分自信も頑張れる、背中を押されると思う。スカッとするといよりは、ちょっと元気が出ればいいなと思っています。
■ストーリー
ハイエナと呼ばれた弁護士・坂木誠人と、裁判に勝つためには手段を選ばない検事・我妻泰史。
二人が真っ向から対決した殺人事件判決が無罪判決で坂木の勝利に終わった。
時の人となり栄光を掴み取った坂木弁護士。一方、エリートキャリア組から脱落し地方へ左遷された我妻検事。
『驕れる者久しからず』
数年後、経営失敗により破産し、弁護士資格を失った坂木は借金取りから逃げ回る日々を送っていたが、かつて坂木が弁護した殺人事件の被害者・内田光流の甘い誘いにより、マルチ詐欺に参加する。
そんな坂木を、左遷から戻った我妻が?視眈々と狙っていた。
(C) 2024「ペテン狂騒曲」製作委員会/ユーフォリア
(執筆者: ときたたかし)