「SixTONES」としてデビュー後、京本大我が初の映画単独主演を務めることで話題を呼び、確かな演技力で魅了する古川琴音が初めて恋愛映画のヒロイン役に挑戦した注目の映画『言えない秘密』が現在公開中です。

過去の出来事からトラウマを抱えた音大生・湊人(みなと)は、どこか謎めいた雰囲気のある雪乃(ゆきの)が奏でるピアノの音色に導かれ、運命的な出逢いを果たす。自然と惹かれ合い、雪乃の天真爛漫なキャラクターと心動かすピアノ演奏は、湊人が抱えるトラウマを癒し、やがて 2 人で過ごす日々は愛おしくかけがえのないものになって いく。しかし、ある日突然雪乃は湊人の前から姿を消してしまうーー。

本作の監督を務めた河合勇人監督にお話を伺いました。

――本作大変楽しく拝見させていただきました!本作は台湾映画『言えない秘密』(2007)を原案にしていますが、監督ももともとお好きな作品だったのですか?

ギャガの山田実さんの企画でお話をいただいたのですが、僕も観ていて、好きな作品だったので光栄でした。(台湾映画『言えない秘密』の)ノスタルジーな全体のルックとか、ヒロインのミステリアスな魅力がとても印象に残っていました。お話の仕掛け自体は少し強引なところもあるのですが、それはそれで成立させてしまうパワーも感じられて。

リメイクするにあたっては同じことをやっても仕方が無いので、台湾版の『言えない秘密』の持つ1番重要なところは崩さずに日本なりのストーリーが描けたらと思いました。タイトルにもなっていますが、“秘密”をどの様に展開していくか。主人公の湊人と同じ目線で理解していくストーリーにしたいと脚本の松田さんと相談して進めていきました。結末を迎えた時に「あの時のあれはそういうことだったんだ」ということを追体験してもらえるような作品になれたら嬉しいです。
あとは、台湾版以上に「Secret」をもっと印象に残る楽曲にしたいなと思っていました。

――「Secret」が本当に美しくて、映像ともあいまって素晴らしかったです…!

音楽を担当していただいた富貴晴美さんとも最初に「Secret」の重要性についてお話をしました。劇中ではショパンなどの楽曲も演奏するので、それらの名曲と並ぶわけですよね。富貴さんになら、そんな力を持っている楽曲を作っていただけると思い、引き受けてくださり感謝でした。魅力的な楽曲であり、京本さんと古川さんに弾いていただけないといけませんから、そこらへんの塩梅はとても難しかったと思います。

――キャスティングについてお伺いします。湊人役を京本大我さんにお願いした理由はどんなことですか?

結構前にドラマで一度ご一緒したことがあるのですが、その時はキャラクターをかなり作り込むよう役柄でした。今回は等身大の大学生役だったので、京本さんだと華やかすぎるかなとも思ったのですが、彼が引き受けてくれるのならば、そこはうまく調整していこうと思いました。湊人を演じる気持ちだけちゃんと作ってきてくれれば、そのままの自然体な表情を撮りたいと思ったんです。この役柄を演じる上で、ピアノを猛特訓していただく必要がありますし、本人は多分色々大変だったと思うのですが、さすが見事に仕上げてきてくださって感謝しています。

――古川琴音さんについてはいかがですか?

ノスタルジックな雰囲気があって、彼女の存在自体が本作で描きたかったルックとピッタリだなと思いました。もともと持っているミステリアスな魅力も雪乃に説得力を与えてくれています。

――少しレトロなお洋服も彼女が着るとすごくオシャレで素敵でした。

本作を作るにあたり、音楽大学について調べたり取材させていただいたのですが、授業料も高いし、基本的には経済的に余裕のある家庭の子が多いんですよね。なので質の良い洋服や持ち物も身につけているだろうと。それでいて嫌味がなくて品がある。お芝居はもちろん、古川さんのもともと持っている存在感にとても助けられました。

――2人の雰囲気がすごく良くて、ずっと見ていたいなと思いました。

2人による連弾も見せ場の1つで、2人の関係が深まっていくきっかけとなるシーンになっていると思います。現場ではもう本当に仲良しで、息がピッタリと合っていて、さほどテイクも重ねずに撮影が出来たので、ありがたかったですね。

――個人的な話になりますが、最近トリッキーな恋愛映画を観ることが多かったので、それも素敵ですが、本作でまっすぐなラブストーリーを味わえて、とても心が癒されました。

2人のお互いを思いやる気持ちがとても良いですよね。物語の中では、2人の間に大きな障害があるのですが、それを気持ちによって乗り越えていく。そういうピュアな愛の力みたいなものをストレートに描けている作品じゃないかなと思いますよね。そこに素晴らしい音楽が入って、盛り上げてくれる。2人がピアノを弾く部屋などロケ地や美術にもこだわっていますし、とにかく「Secret」を映画館の良い音響で味わっていただきたいです。

――先ほど監督が「湊人と同じ目線で追体験して欲しい」とおっしゃっていましたが、結末を知った上でもう一度観直したいなとも思いました。

そうですよね。そうするとさらに「あの時の表情にはこんな感情があったのではないか」など細かなところも楽しんでいただけるのではないかと思います。ぜひ何度も楽しんでいただけたら嬉しいです。

――今日は素敵なお話をありがとうございました!

【ストーリー】
過去の出来事からトラウマを抱えた音大生・湊人(みなと)は、どこか謎めいた雰囲気のある雪乃(ゆきの)が奏でるピアノの音色に導かれ、運命的な出逢いを果たす。自然と惹かれ合い、雪乃の天真爛漫なキャラクターと心動かすピアノ演奏は、湊人が抱えるトラウマを癒し、やがて 2 人で過ごす日々は愛おしくかけがえのないものになっていく。しかし、ある日突然雪乃は湊人の前から姿を消してしまうーー。

【クレジット】
出演:京本大我 古川琴音
横田真悠 三浦獠太 坂口涼太郎 / 皆川猿時 西田尚美 尾美としのり
監督:河合勇人
脚本:松田沙也
音楽:富貴晴美
製作:「言えない秘密」製作委員会
配給:ギャガ
(C)2024「言えない秘密」製作委員会
公式サイト:https://gaga.ne.jp/IenaiHimitsu/
公式 X:@Ienai_H_movie
公式 Instagram:@ienaihimitsu_movie

情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 映画『言えない秘密』河合勇人監督インタビュー「ピュアな愛の力みたいなものをストレートに描けている作品」