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映画『カタシロReplica』が6月21日(金)よりテアトル新宿にて上映。本作はYouTubeで流行しているTRPG (テーブルトークロールプレイングゲーム) 「カタシロ」の初の劇場公開作品となっています。……実は、この記事を作成している間に、前売り券が10分で完売、全て満席に!その反響を受け、テアトル梅田、アップリンク京都での追加上映が決定!上映日程はテアトル梅田アップリンク京都共に8/9(金)~8/15(木)の1週間限定上映 (1日1本レイト回) を予定。チケット発売日は梅田・京都共に、8/2 (金) 18時より1週間分、全席のチケット販売予定となります。
TRPGは進行役とプレイヤーが協力して一つの物語を作り上げる、ゲーム機を使用しない対話型のゲームで、用意されたシナリオに沿って進行役がプレイヤーに様々な質問をしたり行動を促します。プレイヤーはそのシナリオの登場人物になりきり、即興で質問に答えたり舞台上で行動していくことでストーリーが進行。出演キャストのリアルなリアクションや、スリリングな演出が見どころとなっており、今回舞台セットではなく実際の病院 (スタジオ) で収録することで、これまでより、よりリアリティが加わり、さらに映像や音声の編集が加わることによって、映画とも演劇とも異なる新たな作品。初めて見る人はもちろん、すでに「カタシロ」を一度は見たことのある人にも出演キャストによって異なるストーリー展開を楽しめる映画となっています。
本作の魅力や「カタシロ」の可能性について、カタシロの生みの親であり、本作で脚本・演出・進行役を務めているディズムさんにお話を伺いました!
――クラウドファンディングでは5日間で目標金額の1,500万円を達成し、今も伸ばし続けていますが、嬉しかったコメントなどはありますか?
本当にありがたいですね。以前舞台版でもクラウドファンディングを2回やっているので、今回で3度目なのですが、それにも関わらず3,000人以上の方がご支援くださいました。TRPGのシナリオを好きで遊んでくださっている方がこんなにたくさんいて、「カタシロ」のシナリオを出してからもう4、5年経つんですけど、今も楽しんでくださっているということが実感出来て嬉しかったです。
――映画化するということも大きな挑戦だったかと思います。TRPGとも舞台とも違う作り方が必要になってきますよね。
僕は映画を観ることは好きなのですが、映像を作る側になると全くの素人ですので、あらゆるプロに任せました。大勢のスタッフの方に入ってもらって、たくさん撮影をしていけば使えるカットは何かしらあるだろうという、これも素人の考えなのですが。たくさんのプロの方のおかげで、面白い作品になっていると思います。
――キャスティングもユニークですよね!
俳優陣との繋がりなんて、僕には当然無いですから、映画化のお話をくださった、東京テアトルさんとProduction Kaiさんが協力してくださって。「患者役」には多種多様な職業の方を起用して欲しいとお願いしました。大人になると1日の半分近くや半分以上仕事をしていて、その人に大きな影響を与えているのが仕事、職業と言えると思うんですね。出てくる言葉にも必ず影響が出てくるものなので。
――本当そうですよね。環境が違えば考え方も違いますものね。
台本を相手に渡さないとはいえ、こちらとしてはある程度結末を想定していて、選択を迫った時に、その選択から外れたものが、「本当に自分が思っていること」だったりしますよね。行動で示してくる。
テスト撮影で『moon』『ufo』『王様物語』などの家庭用ゲームソフトを手掛けられた倉島一幸さんに患者役をやっていただいたのですが、クリエイターの方が主役を演じるってなかなか無いことで、目の付けどころや直眼点が他の回と全然違って面白かったです。セットとかカメラとか裏側の部分に興味を持っていましたし、「物づくりの観点から見た物語」みたいなお話をその場でも出来て楽しかったです。他の回では聞かれなかったような質問もどんどん出てきて、勉強になりました。
――倉島さんご自身が作り手側だからこそ、気になるポイントがたくさんあるのですね。千原せいじさんやみりちゃむさんの患者役もとても気になります。
せいじさんは、最初、お話がスパッとしすぎていて。「会話をしよう」というのがテーマにあるんですけど、「そうか、そりゃそうやな」って言って終わるんですよ(笑)。 あまりにも切れ味がすごいので、僕も「そうだよな」って納得してしまうのですが、それだと30分で終わってしまうなと思い、なんとか言葉を引き出そう引き出そうと。そこはさすがプロなんで、意図を汲み取ってどんどん話を広げてくれました。面白くてカメラマンさんも笑い出していましたね。
みりちゃむさんは、「ギャルって存在したんだ!」と驚くほどの素晴らしいギャルを見せてくれました。僕はこれまでギャルの方とお話しする機会がなかったので、怖い部分もあったのですが、とにかく素直というか、 ギャルマインドってこうなんだと初めて知りました。言葉でかいですけれど、みんなギャルになれば世界が平和になるんじゃないか?と思うほどの素晴らしい考え方で。このギャルマインドがもっともっと広まっていけばいいのになと感動しました。
あとは、この8回の中には“ホラー”な会もあって、黒沢あすかさんがさすがでした。とても楽しそうにやられていたけれど、迫力と凄みがすごすぎて…ぜひ期待してください。
――以前、ひろゆきさんが参加されている会を見て(https://www.youtube.com/watch?v=xC7VUF44QY8)、飛び出てくる言葉に本当に“らしさ”がつまっているなと思いました。
ひろゆきさんの会は、まさに“第3の答え”を出している会だったんですよね。今回もそういう楽しさが全ての会にありますので、演者さんのファンの方はもちろん、初めてご覧になる方も楽しんでいただけると思います。
――人間がつまっていますよね!
人間がつまっている、本当にそうですね。人間って、占いとか診断とか、「自分のことを知りたい」というのが根底にあるんじゃないかなと僕は思っていて。この物語に触れた時に自然と「自分がどういうものなのか」というのが出てくるのだと思います。
――MBTI診断の流行も、「自分のことを知りたい」からなんだろうなと思います。
みんなやっていますし、聞かれますよね。自分が何だったのかすぐ忘れちゃうのですが(笑)。
「カタシロ」も相手がどういう人なのか知りたいときに、根掘り葉掘りは聞けないけれど、ゲームを通してなら知ることが出来るのではないかと思って作りました。思考実験をいきなり友人には振らないけれど、“場“があれば聞けたりするんですよね。なんか旅行先でしか話せないことみたいなのってあるじゃないですか。特殊な環境、状況に自分を置いて、その時の自分はどう選択するのか、何を喋るのかっていう実験というか遊びができるんじゃないかと考えていました。
――改めて「カタシロ」という素晴らしいTRPGを生み出されて、ディズムさんってすごいなあと思っております。
ありがとうございます。TPRG自体を生み出したのではなくて、その中の小さなシナリオの1つでしかないんですけどね。第三者に見てもらうという観点で、視聴者が楽しめるものを作ったのは新しいのではないかと作者としても思います。
――今回の映画では、TRPGに触れてこなかった様な演者さんも多いですし、これまでやってこなかった人たちにもどんどん参加していただきたいですよね。
ゲームなのでワイワイ楽しくやっていればいいんですけど、出来ることなら僕はもっとその村に色々な人が入ってきてくれて、色々なTRPGを見たいなと思います。どうにかその村の垣根を超える方法を考えたいと思っているうちに、今回の様に映画まで作れました。若い世代とかTRPGに興味が無い方にどう伝わるか。映画化という形を取った時にちょっと変わらないかな、という期待もあります。
――映画化も新しい挑戦となりますが、今後やってみたいことを教えてください!
もうめちゃくちゃなこと言いますけど、台本を渡さないでミュージカルをやりたいです。何からやるんだ?どうやるんだ?と自分で言っておいて分からないことだらけですけれど、成立したら前代未聞だろうなと。以前呂布カルマさんに遊んでもらったこともありますが、ラップバトルの様にその場で展開するミュージカルがあったら新しいだろうと。
本作も、テスト撮影を含め8回分あって、理想を言えば全て観てその違いを堪能していただきたいですが、どれか一つでも「こんな物語、台本無しで作り上げられるんだ」と驚いていただけると思います。ぜひ劇場でお楽しみください!
――ミュージカルの実現、いちファンとしても楽しみにしております。今日は本当に貴重なお話をありがとうございました!
◆チケット争奪戦に悔しくも敗れたカタシロファンに朗報!
『カタシロReplica』のテスト撮影が 6月28日(金) 21:00よりYouTubeで配信決定!出演キャストは患者役に、伝説のRPG『moon』のイラストを手掛け、ゲームグラフィックデザイナー、アニメーターとして活躍する倉島一幸、もう一人の患者役には、福岡を拠点とするプロeスポーツチーム「Sengoku Gaming」に所属する人気ストリーマー天ノ川ねるが出演!映画のチケットを取れなかった人はもちろん、すでにカタシロを鑑賞した事がある方もキャストによって全く違う「カタシロ」を楽しめること間違いなし。ぜひ6月28日 (金) の配信をお楽しみに!
(C)カタシロProject