躍進が進む中国のアニメ会社・ FANTAWILD が制作したフルCGアニメ映画『兵馬俑の城』が現在公開中です。本作は、2021年7月に中国で公開し、約7000万元(約 14 億円)のヒットを記録。第24 回上海国際映画祭(2021 年)最優秀アニメーション作品賞にノミネートされた話題作。心を持った兵俑のモンユエンと家族を奪われた人間の少女シーユイとの出会い、旅路の中で生まれる恋、そして世界を揺るがす霊獣との闘いが中国全土を魅了しました。

福山潤さん、寿美菜子さんなど豪華声優陣が集結している本作。日本語吹き替え版・主題歌『ミオソティス』を歌うLiyuuさんにお話を伺いました。

──本作大変楽しく拝見させていただきました!Liyuuさんはどんな感想を抱きましたか?

中国にある「俑」(死者と一緒に埋葬される人形)をフィーチャーした作品で、テーマにすごく興味がわきました。「俑」の魅力がちゃんと伝わるような内容になっていて良かったです。この「俑」というのは、中国人なら誰でも知っていると思いますが、国土が広いので、実物に触れる機会がなかなか無いんですよね。私も実際に見たことはなく、本や動画でしか知らなかったです。

──とても伝統的な存在をこうしたアクションで描くということが個性的な作品ですよね。

「俑」が動く姿を見て、最初は人間のように描かれていると感じたのですが、戦いのシーンで陶器がぶつかるような音がちゃんと再現されていて。人間っぽくない部分もしっかり描かれていたことに好感を持てました。「死ぬ」というよりも「壊れる」に近いような印象を受けるんですよね。

──主題歌『ミオソティス』にはどの様な印象を受けましたか?

主題歌を歌わせていただくことが決まった時、中国で生まれた作品の主題歌を歌うということがすごく不思議な感覚でした。作曲者が中国の方で、「いまどきの中国の曲」という感じのオシャレな曲だなと感じました。ピアノアレンジも素敵です。

──MVも作品とシンクロした作りになっていて、Liyuuさんの歌声がとても素敵ですよね。

世界観が本当に素敵で、このMVでも映画の魅力を感じていただけるのではないかと思います。


──中国版テーマソング「少年のままで」のレコーディングで意識したことを教えてください。

「兵馬俑」をテーマにした壮大な歌詞で、ヒロイン・シーユイの心情も描かれています。切なさも込められていたので、詞に沿った歌い方を心がけました。原曲は映画の内容にあわせてパワフルに歌われていたのですが、スタッフさんとも相談して原曲をリスペクトしながらも、「Liyuuらしく歌おう」という方向性で作っています。

──今後の目標はどんなことですか?

今後、日本の作品が中国で上映されることになった際、中国版の主題歌を歌うことができたら嬉しいです。それを目標に頑張りますので、応援よろしくお願いします!

──楽しいお話をありがとうございました!

撮影:オサダコウジ

アニメ映画『兵馬俑の城』公開中
【ストーリー】中国歴代の皇帝によって作られた兵馬俑。その兵馬俑達が眠るはずの巨大な地下都市には、大きな秘密があった。兵馬俑達は、神から命を授けられ、もう一つの世界が作られていたのだったー。
兵俑の雑用係・モンユエンが住む秦陽城は、凶暴な霊獣たちの襲撃に悩まされていた。その霊獣に拮抗するシアホウ将軍の姿に憧れたモンユエンは精鋭部隊「鋭士」への入隊を希望するが、将軍から「霊獣・地吼(ディーホウ)を捕まえる」という条件を出される。
霊獣・地吼を追う旅の途中、モンユエンは謎多き少女シーユイと出会う。旅の途中で二人は地下の世界では見られない美しい風景や世界の広さを知る。次第に惹かれ合う二人。モンユエンは、家族を探すシーユイの力になりたいと考えるようになる。そして、二人はついに、地吼を追い詰めるが・・・。

(C)Fantawild Animation Inc.

情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 『兵馬俑の城』日本語吹き替え版・主題歌『ミオソティス』を歌うLiyuuインタビュー「中国人ならば誰でも知っている“俑”の物語」