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仕事がうまくいくか、失敗するかを決める大きな要因の一つに、「話し方」があります。仕事以外の人間関係も、話し方ひとつで左右されるものです。
おもちゃクリエーターでありアイデア発想の専門家、高橋晋平氏の2023年2月22日発売の新刊『1日1アイデア 1分で読めて、悩みの種が片付いていく』(KADOKAWA)では、人生で起こる様々な悩みの解決法アイデア、ベスト365が掲載されています。今回は同書をもとに、仕事で成功する話し方のコツを紹介します。
僕は起業した当初、「アイデアや企画力がウリです!」みたいな感じで自己アピールをしながら、いろいろな会社に営業に行きましたが、いいマッチングはまったく起こりませんでした。「さっきの奴は一体何をしに来たんだろう……」みたいに思われていた気がします。
凸(強み)を最初に語りながら他人にアピールして、それが相手の足りない部分である凹(弱み)に偶然ぴったりはまるなんて、奇跡のようなものです。マッチングは、自分の凹(弱み)を先に見せて、その形に相手の凸(強み)を合わせてもらう方がうまくいきます。弱みの形は変えづらいけれど、強みは前向きに形を変えて、相手の弱みに寄り添えるからです。
創業後は次第に、「僕っておもちゃ開発者なのに絵が苦手で、デザイン弱いんですよね~」など、自分の凹の話から始めるようになっていきました。そうするとお客様から「うちの強みはデザインなんだよ。でも、商品アイデアがなくてね~」などの話が聞けて、「じゃあ僕、企画考えてみて良いですか?」というマッチングが生まれるようになりました。
不安だと、どうしても先に強みを見せたくなってしまいますが、強みを押し付けても良いことはほとんど起こらないと、起業して丸1年ほどかけてようやくわかりました。その後は営業しようとは考えず、凹と凸でくっついていろいろな人と友達になっていきました。人の役に立てる仕事ができるようになったのはその後です。
椎名美智さんの『「させていただく」の使い方』(角川新書、2022年)という本を読んだのをきっかけに、自分が近年、仕事上で「〇〇させていただきます」という言葉を非常に多く使っていることに気が付きました。納期を聞かれれば「この日までに提出させていただきます」と答えたり、SNSで新商品の告知をするときは「この度こんな商品を発売させていただくことになりました」と書き込んだりしていました。
この本では冒頭、アイドルグループのSMAPとV6の解散発表時の違いについて触れられています。SMAPは「解散させていただくことになりました」という挨拶文を各所に流したのに対して、V6は「僕たち、解散します」と言ったそうです。この表現により、なんとなくそれぞれのグループの解散時の状況が想像できる、と。妙に納得感があります。
「させていただく」という言葉を使ってはいけないわけではありません。しかし僕は、この本を読んで、「〇〇をしたいから、そうします」という意思を持ち、それを言葉で相手に伝えたいなと思いました。
いつまでに提出「します」。こんな商品を発売「します」。「させていただく」と意味は特に変わらないのに、やる意思や、やりたい気持ちがにじみ出ます。日本人はストレートな表現が苦手なのかもしれませんが、意思を見せる表現をする癖をつけることで、行動力も変わってきます。言葉は、行動を作ります。
『1日1アイデア 1分で読めて、悩みの種が片付いていく』 (高橋晋平・著 KADOKAWA)(Amazonページ)
アイデアとは、自分の心の中の願望が実現するきっかけです――
この本では、世界中の事例や著者の経験から厳選した「人生を楽しくラクにするアイデア」が1日1つずつ、日付入りで365個紹介されています。すぐに試せるものから仕事のスキルを上げるものまで、それぞれ1ページにやり方と考え方を凝縮。読めば読むほど、アイデア発想力が養われていく仕掛けの、これまでにない革新的発想本です。
ぜひ、この本を参考に、自分の今のお悩み事を解決する1アイデアを探してみてください。
筆者:高橋 晋平(たかはし・しんぺい)
株式会社ウサギ代表取締役、おもちゃクリエーター。
HP:https://usagi-inc.com/[リンク]