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通常カップヌードルは熱湯を注いで3分待って作りますが、シーフードヌードルやカレーヌードルを牛乳で作るとクリーミーで抜群に美味しく仕上がります。特にシーフードヌードルの牛乳アレンジは実際に「北海道濃厚ミルクシーフー道ヌードル」として商品化されるほど。
こういう感じで、お湯以外を使ってカップヌードルを作るアレンジは無限の可能性を秘めているんじゃないかしら。
そんなわけで今回試してみたのは、カップヌードルのオリジナル味をお湯ではなく煮干し出汁で作るというアレンジ。
だって、コク深い醤油ベースのカップヌードルに煮干しの要素を加えたら、美味しい煮干しラーメンになりそうな予感がしませんか? なんで今までみんなやらなかったんだろうと不思議にさえ思えてきます。
ところが、いざ煮干し出汁を作り始めてみると、これまで誰も試してこなかった理由がすぐにわかりました。煮干し出汁を作るのはべらぼうにめんどくさかったです。
煮干しの頭やはらわたは苦味が強く出てしまうので下準備の段階で取り除くのですが、まずこの時点でかなり手間がかかります。さらに煮干しを水に浸すこと30分。そこから一度沸騰させてアクを取り、弱火で10分以上かけて煮出したら、トータルで1時間はかかってしまいました。カップヌードルを食べるのにまさか1時間もかけることになるなんて。そりゃ、誰もやらないわ。
ちなみに煮干し出汁を作るときの目安は煮干し10gに対して水500mlくらい。煮ている間に蒸発したり、煮干しが水分を吸収したりするので、500mlで作ったらカップヌードル1杯分を確保するのがギリギリでした。もうちょっと多めに用意したほうが安心かも。
最後に煮干しを取り除いたらようやく煮干し出汁の完成。いやあ、煮干しラーメンを出しているお店は凄いですね。一度大変さを体験すると、次からは今まで以上に美味しく食べられそうな気がします。
というわけでどうにか煮干し出汁を作れたので、あとはカップヌードルに入れて3分待つだけ。結果を先に言ってしまいますと、問題なく麺もかやくも柔らかく戻りましたし、信じられないほど旨味が増幅して激ウマ化しました。
見てくださいよ、このウマそうなビジュアルを。いつものカップヌードルとまったく一緒です。
わかりやすいちょい足しをしたのではなく、ほぼ透明色の煮干し出汁を入れただけ。見た目が変化するわけがありませんね。でもスープ味は本当に感動的!
煮干しの要素が入ってくることで、もちろん煮干しらしい風味とかも強烈に感じられるんですが、それ以上にカップヌードル本来のチキンやポークの旨味がかなり目立つようになるんですよね。まるで煮干しによって素材の旨味が引き立てられているかのように進化するのです!
牛乳で作るシーフードヌードルのようなわかりやすさはないですし、まあ地味ではありますけど、結構な手間をかけた甲斐があったと思える絶品煮干しヌードルに仕上がりました。
さすがに1杯のカップヌードルのために1時間かけて煮干し出汁を作るのはアホらしいですけど、何かの料理で煮干し出汁を作るときは多めに作っておき、煮干しカップヌードルを楽しむというのが最高のプランになるのではないでしょうか。
煮干しラーメンの苦味が好きだという人はあえて頭などを残して作ってもいいでしょうし、もっと濃いめに作ってもいいかもしれません。機会があればぜひお試しを。
(執筆者: ノジーマ)