2022年8月13日・14日に東京ビッグサイトで開催された『コミックマーケット100(C100)』。2日間でサークル数約2万を数え、来場者は約170000人を集めましたが、大きな混乱もなく終了となりました。

『C100』には、表現の自由を政策で重視している政治家が数多く参加。2022年7月の参議院議員選挙で自由民主党から出馬して当選した漫画家の赤松健氏がサークルで同人誌を頒布するなど、さまざまな活動が注目を集めていました。

「オタク議員」として大田区議会議員としての立場を超えた発信力を持つ荻野稔氏は、Vtuberおぎのみのりのコスプレをした売り子と一緒に今回も参戦。参院選を表現の自由運動を中心に振り返る『地方議員の日常本2022vol.2』と、千葉県松戸市のご当地Vtuber戸定梨香の交通安全PR動画が全国フェミニスト議連の抗議を受けて削除された問題を扱った『地方議員の日常本2022vol.1 キャンセルカルチャー編』を頒布していました。

品川区議会議員の松本常広氏は、「品川区表現の自由研究会」として『誰が表現の自由を守るのか!? 2』を頒布。自身が所属する日本維新の会における表現の自由の扱いに関してや、参院選時の内幕を本音ベースで振り返る内容になっていました。

そのお隣は杉並区議会議員の國﨑隆志氏。当人は所用で不在でしたが、スタッフが『とある杉並区議会議員はアニメ業界を盛り上げたい』と題した活動記録を頒布。コピー本なのがGOOD。

神奈川県大和市議会議員の山本光宏氏は、参院選における大和市の各候補者の得票数をデータにした『とある自治体の選挙結果』を頒布。『とある魔術の禁書目録』のロゴ画像生成サービスを使った思しき表紙について、「自分も好きな作品なので」と語っていました。

川崎市の同人印刷会社ねこのしっぽの内田朋紀社長(@chiruson)は、C100政治島に参加した議員との画像をTwitterに投稿。こうしてみると、だいぶ政治関係の参加者が増えた印象です。

参院選に立候補した前東京都議会議員の栗下善行氏は、自身の選挙戦を日記形式でまとめた同人誌を頒布。BL漫画家の星崎レオさんによる、2022年7月8日の安倍晋三氏の銃撃事件時の事務所の様子を描いたマンガも収録されており、短い制作期間ながらしっかりと「同人誌」しています。

栗下氏は、1日目の午後から会場入りした山田太郎参議院議員とのツーショットをツイート。党派を超えた尊敬の念を語っています。

なお、同じく参院選で自民党から出馬して落選した藤末健三氏はサークル参加でしたが、海外出張のために不在。配られたペーパーによると、「創作文化に対しては、何らかの形でこの分野が盛り上げっていくよう、引き続き貢献していきたいと思っております」としており、今後は「アカデミックの分野に籍を置き、活動を行なっていく予定」とのこと。

参院選で538053票を獲得して当選を果たした赤松氏の1日目の頒布誌は2時間ほどで完売。『魔法先生ネギま!』連載の頃まで同人活動をしていたこともあり、さすがといったところ。

『C100』が開催されたことに関して、「純粋にうれしいですね」という赤松氏は、同年代の漫画家たちが次々にコミケに姿を見せなくなっていることに触れて、「みんなが戻ってこれる場所になるために、ここにいます」と話します。

今回は一般参加に事前チケットが必要で、サークルも両日で20000と制限された中だったこともあり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が残る中での開催でしたが、創作文化に明るい人が政治の世界に入ることで、今後も表現の自由のあり方を訴える場として機能していくことになるのか注目されます。

次回の『C101』は2022年12月30日・31日の2日間開催。コミックマーケット準備会は「様々な対策の継続が想定される中、今回のチケット販売数、会場の混雑状況、そして直近の状況を見ながら、より多くの方に参加していただける“場”を目指します」としています。

コミックマーケット公式サイト
https://www.comiket.co.jp/ [リンク]

情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 赤松健氏「みんなが戻ってこれる場所になるためにここにいる」 『C100』政治家系サークルが表現の自由を訴える同人誌を頒布