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どうも、特殊犯罪アナリストの丸野裕行です。
警察の捜査技術が格段にあがり、恐ろしいほど事件解決のスピードが上がっています。昔は叩き上げの刑事が「どうした! なにがあった!」と慌ただしく電話連絡を取り合っていたドラマのイメージがありますが、現在では警察専用に開発された携帯電話を使っているそうです。
今回は警察官が携帯している警察専用端末に迫ります。
それが通称「ピーフォン」と呼ばれている携帯端末なんですね。2009年から導入されたこのピーフォンは、警察官の中で5,000台以上配られています。この端末が開発された理由は様々ありますが、以前起こった秋葉原通り魔殺人事件の際に、警察無線が錯綜して警察官同士、連絡が取れなくなったことが起因しているといわれています。
一般的な電話とは異なった電波を利用しているために、災害時でも警察官が迅速な統制を取れるということなんですね。
警察官にとっては非常に便利なアイテムであるピーフォンですが、その大まかな特徴は5つあります。
1.写真を5,000人以上が所持するピーフォンに一斉送信することが可能
2.5人限定ではあるが同時通話することができる
3.無線の電波が届かない地下やビル内でも通話することが可能
4.緊急通報の内容を文字に起こしてくれ、読むことができる
5.GPSで他の刑事や警察官の位置をすぐに確認することができる
2番目の機能があれば、犯人の写真や防犯カメラに映った犯人の顔をスクショして一斉送信することが可能なため、便利なのだそうです。この機能で犯人逮捕につながった例はいくつもあります。もちろん前述の他の機能も犯人逮捕につながることがあるわけです。
かつての刑事ドラマを観ていると「逆探知」ということがが出てきて、御大層なレコーダーの前で険しい顔をした刑事たちが、電話を受けている家人に「できるだけ電話を引き延ばしてください!」などと話すシーンが出てきていましたが、これはもはや昔話のようです。実際の誘拐などの現場ではそのような会話が交わされことは皆無だそうなんですね。
現在の捜査技術を駆使すれば、ものの1秒で「逆探知」ができると現役の刑事が話してくれました。
昔であれば、アナログ式電話交換機を使用していたので、どこから掛かってきた電話なのかを辿っていかなければならなかったのですが、現在ではデジタル交換機が使用され、ナンバーディスプレイのように発信元の電話番号を即座に割り出すことができるといいます。
ドラマなどの場面では犯人との駆け引きや最近ではネゴシエーター(交渉人)との関係性を演出していますが、実際の現場では簡略化されているものです。ですから、誘拐などを考えている方は、ドラマの観すぎに注意ですし、そんなにうまくはいきません。やめておいた方がいいですね。
これは犯罪者の会話を傍受し、それを犯罪未遂に導く画期的な方法です。通信の傍受というのは1999年に成立した、《通信傍受法(犯罪捜査のための通信傍受に関する法律)に基づいて制定されたものです。
無線傍受のルールとしては以下になります。
1.犯罪が行われているという事実把握
2.裁判所へ傍受令状請求
3.傍受の実施(電話内容やメールなど)
4.防磁記録を作成する
5.その後に傍受したことを傍受された人間に通知
6.捜査や公判にむけて使う
7.国会への報告
※傍受された人間は裁判所へ不服申し立てができます
「通信傍受法」と聞くと、共産党関係者が目くじらを立てて怒り出しそうですが、一般人に対しては影響がありません。これは組織犯罪(薬物犯罪、集団密輸、組織殺人、銃器の売買)の4つに該当しないと適用されることはありません。
さらに追加されたのは、オレオレ詐欺などの特殊犯罪。これは組織犯罪に当たるということで、厳罰化されているとのことです。
警察組織にはこのような通信技術と通信機器が毎年のようにバージョンアップされています。これで我々、一般市民の安全安心な生活を守っていてくれているわけですね。
毎日頑張っていただいている警察組織の方に敬礼!
(C)写真AC
(執筆者: 丸野裕行)