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東京都文京区に実在した、日本一まずいラーメン屋『彦龍』をご存じでしょうか。店主は原憲彦さん。もともと人気がないラーメン屋だったのですが、お笑いコンビ『ダウンタウン』のマネージャーが偶然入り、あまりにもクソマズだったためダウンタウンの二人に報告。
『ダウンタウンのごっつええ感じ』や『タケシムケン』、『アッコにおまかせ』などの人気番組に出演するなど人気を博しました。
テレビ出演したことにより大ブレイク。「わざわざお金を払ってまずいラーメンを食べに行く」という不思議な現象が発生。まずいラーメンを食べるため客が殺到して大行列に。
驚きなのは、修学旅行の旅程に『彦龍』来店を入れ、バスで食べにやってきた学校もあったのだとか。信じられませんが事実です。
そんな『彦龍』のラーメンですが、確かに「すごくおいしい」といえるラーメンはなかったものの、「食えなくはない」と思えるラーメンは多数ありました。
そのため、実際に『彦龍』のラーメンを食べた人からは「思ったほどまずくはなかった」という声も出ていました。
まずさで人気を博しているラーメン屋ですので、もちろん「二度と食いたくない」「クソマズだった」との声も多数あります。
そこで今回は、『彦龍』に通い続けた筆者(クドウ@地球食べ歩き https://twitter.com/kudo_pon )が「本当にまずい」と感じた『彦龍』の料理を4つ厳選してお教えしたいと思います。
餃子は店主が手作りしたもので、冷凍状態で保存。なぜか凍ったままの餃子が調理場に無造作に放置されていることもあります。客からオーダーが入ったら冷凍状態の餃子を焼きながら解凍します。焼く時間が適当なのと、客と話したり煙草を吸ったりすると焼いていることを忘れるので、ガッツリ焦げてしまうこともあります。
焦げても作り直すことはなく、焦げたまま客に出されます。本来なら怒る客もいるかと思いますが、ここは『彦龍』、誰も文句は言いません。良い意味で、誰もマトモな料理なんぞ求めていないのです。これはいいものだ。
油なのか、脂なのか、それともコラーゲンなのか、謎の膜がスープの表面に出来ているラーメン。調味料はほとんど使っておらず、お湯に近いテイスト。具はゆで卵1個を半分に割ったものだけ。店主の原憲彦さんの元カノをイメージして発案したラーメンと話していました。
濁ったお湯に近いテイストなので、かなり薄味。そもそも味があまりありません。醤油や酢などを自分で丼に注いで食べると、やや味を感じることができます。ただし、気分によってレシピが変わることもあるので、まったく違う味になることもありました。
日本一まずいラーメン屋『彦龍』の公式サイト完成を記念して作られた新作のレギュラーメニュー。とにかく何でもブッ込んで作ったラーメンは具だくさんた。食べるかどうかは客の自由。食べなくてもお金を払えば文句は言いません。
ワカメが豊富に入っているので、食生活や栄養バランスを考えている人には良いラーメンだったかもしれないです。そもそも『彦龍』は健康を考えている人が来るお店ではないと思いますがワカメは重要です。
『彦龍』の店主が勝手にダウンタウンの名称を使って売り出したラーメン。もやしをふんだんに使用している贅沢なラーメンで、ちょっとピリ辛な挽肉が特徴。『彦龍』のラーメンのなかで特に人気があったため、店主もレシピを忘れることなく毎回同じクオリティで作っていました。
テレビで『彦龍』を知って駆け付けた人たちの多くがダウンタウンラーメンと餃子をオーダーしていました。まずさのダブルパンチですが、わざわざまずい料理を食べに来ているわけで、客にとってむしろご褒美です。
ちなみに、ラーメンの麺には強いこだわりと信念があり、製麺所から届いた麺はわざわざ1日寝かせてから使っていました。麺が品切れになると、近くのスーパーマーケット『ハナマサ』で買ってきた麺を使っていました。麺切れで客を悲しませないプロ意識、さすがです。
ちなみに『彦龍』の店主は、「俺のラーメンはまずくない」といつも言っていました。そう、自分自身では「ものすごくおいしいラーメンを作っている」と思っていたのです。
それゆえ、客から「本当にまずいね」と言われてブチギレ激怒したことも多数あったのです。まずさをウリにしているのに「まずい」と言われるとキレる。ちょっと意味が分かりませんが、そのカオスっぷりが『彦龍』の良さであり、店主が人気だった理由ともいえます。
すでに店主の原憲彦さんは亡くなっているので、二度とまずいラーメンを食べることはできませんが、そう思うと、まずいラーメンでも食べたいと思えてくるのだから、グルメって不思議ですよね。確かに『彦龍』はまずいラーメン屋として有名になりましたが、ブームになるほど世間を楽しませた存在なのは確かで、人を笑顔にしたという意味では、おいしいラーメンを作っていたと言えるのではないでしょうか。
(執筆者: クドウ@地球食べ歩き)