参議院議員選挙が近づくにつれ、各候補者や政治家、支援者のネット活用が目立ってきていますが、誤った情報が拡散してしまう危険性に注意を払う必要があります。

2022年6月2日に、あるTwitterユーザーが自由民主党広報本部長の河野太郎前規制改革担当大臣が、立憲民主党から比例代表の公認候補者として出馬が決まっている辻元清美前参議院議員と並ぶ画像つきで「自民党の河野太郎、敵の党の立憲民主党の辻元清美の決起大会に出て、応援している。河野太郎は売国奴だ。自民党は河野太郎を敵対行為として、除名処分しろ」とツイート。2022年6月4日夜の時点で約2700のRTと4000以上の「いいね」を集めて拡散しています。

これに対して、当の河野氏は2022年6月4日昼過ぎになって以下のようにツイートし、画像が第三次安倍晋三内閣外務大臣の時に辻元国対委員長(当時)のパーティで挨拶した時のものだと説明しています。

この写真を使って、他党の決起大会に出ていいのか、他党の候補者の応援に行っていいのかとかツイートしている人がいるけど、これは何年か前の当時の辻元国対委員長のパーティの写真。外務大臣の国会対応に配慮してもらっていたので、御礼も兼ねて挨拶してます。

河野氏と辻元氏はともに1996年の第41回衆議院議員総選挙で初当選した間柄。「たとえ政敵でも交流は大切」「スジを通したもので問題ない」という反応があったほか、「デマはやめよう」「服装で季節が違うとすぐわかる」「総裁選以来ヘンな人に絡まれていて気の毒」という声も上がっていた今回のケース。デマを流す事そのものを規制する法律はありませんが、刑法第233条に規定されている信用毀損罪に該当するおそれがあります。

刑法第233条 信用毀損および偽計業務妨害

虚偽の風説を流布し、または偽計を用いて、人の信用を毀損し、またはその業務を妨害した者は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。

信用毀損罪はデマが発生した時点で危険が発生したと見なされるので、ツイートやアカウントを削除したとしても罪に問われる可能性があります。また、橋下徹元府知事がジャーナリストの岩上安身氏を相手に虚偽の内容のツイートをRTしたとして名誉毀損で訴え勝訴したという判例があります。名誉毀損は民事法ですが、刑事法の信用毀損罪がRTした人にも同様の判断を下される公算が高いとする法律の専門家もいます。

いずれにしても、選挙を前にしてTwitterなどのSNSの真偽不明の情報に対して、安易に反応しないことが大事なのではないでしょうか。

※画像はTwitterより
https://twitter.com/konotarogomame/status/1532939591124103169 [リンク]

情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 「政敵でも交流は大切」「デマはやめよう」 河野太郎氏が「辻元清美氏の決起集会に出て応援」ツイートを過去の画像と否定