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2022年2月24日より始まったロシアによるウクライナ軍事侵攻で、SNS『テレグラム(Telegram)』が情報源として報道機関などから引用される機会が増えています。
『テレグラム』は、『LINE』『Skype』のようなメッセージアプリで、Android・iOS版アプリやPCを無料で利用可能。メッセージにdoc、zip、mp3といったファイル形式でも送信でき、最大200000人のグループ・チャンネルの開設や、音声通話とビデオ通話、ボイスチャット機能もあるなど、自由度が高いのが特徴といえるでしょう。現在、月間5億人のアクティブユーザー数がいるとされています。
ロシア人のニコライ・ドゥーロフ、パーヴェル・ドゥーロフ兄弟が2013年に立ち上げた『テレグラム』は、現在ドバイに開発拠点を置いています。AES-256による暗号化がなされ、プライベートチャットはエンドツーエンド暗号化(EE2E)されるなど、運営側はセキュリティを重視した開発を行っていると強調してます。
特にロシア・東欧でユーザー数が多いため、ウクライナではゼレンスキー大統領をはじめとする政治家や、公的機関・軍がアカウントを開設。政府ではロシア軍の攻撃を知らせるBotや、侵攻をユーザーが知らせるシステムなどを構築し、最大限に活用しています。
各メディアやジャーナリストのアカウントも多数あり、中には戦場の生々しい画像や動画が多数アップされています。
2018年にはロシア政府から使用禁止措置が取られたこともある『テレグラム』。プライベートチャットでのメッセージやファイルが設定した時間で自動的に消去されるようになっていることを悪用し、犯罪組織の連絡手段や薬物の売買などに利用されているとの指摘もあります。
一方で、2019年の香港民主化デモでは、『テレグラム』のメッセージやグループチャットを反政府デモ側が活用していたことが知られており、中国当局のサイバー戦の標的にもなりました。広告がなく、良くも悪くも運営側がユーザーに関知しない姿勢を貫いているため、今回のウクライナ侵攻でも「生」の情報を発信しやすいメディアになっているといえそうです。
Telegram
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