ギャルの林原ちゃんと、「友達はいなくていい」というぼっちの陽菜の交流を中心に、学校生活を瑞々しく描いていて、Twitterで共感が集まっている朝日夜さんの『ギャルとぼっち』。2020年6月22日に待望の単行本がガンガンコミックスpixiv(スクエア・エニックス)より刊行となります。


今回、朝日さんに『ギャルとぼっち』を描き続けている理由や、ストーリーを考える上でのポイントなどをお伺いしました。





--『ギャルとぼっち』をネットに公開された当初、長く続ける話になったり、単行本化されると考えていらっしゃったのでしょうか?


朝日夜さん(以下、朝日):全くそんなことは思ってもいませんでした。なかなか連載会議に通らず路頭に迷っていたので、原点に振り返り描きたいものを描こうと思ったのがギャルでした。『ギャルとぼっち』の一話目がとてもたくさんの方に読んでいただけて、いろんな出版者様からお声をかけていただき、いまの編集部様とやり取りさせていただくことにしました。拾って頂けて大変ありがたいです。


--中高生の頃に好きだった漫画や漫画家は?


朝日:私の作品の毛色とずいぶん違いますが、『NARUTO』や『金色のガッシュ!!』が大好きでした。好きな漫画家さんを挙げるとキリがないですが、参考にさせていただいてる作品は比較的最近流行っているものが多いです。


--学校を舞台にした漫画やドラマなどを参考にされたものがあれば教えてください。


朝日:アニメ『宇宙よりも遠い場所』が大好きで、何回も見ました。すごく参考にさせていただいています。





--ご自身の高校生時代の話をTwitterにアップされていましたが、『ギャルとぼっち』を着想された時にはその頃の思い出も反映されていたのでしょうか?


朝日:ギャルのリアルさは反映させているつもりですが、実はお話自体には全く反映させていないです。あくまで主人公のひなちゃんのお話になります。


--朝日さんがお考えになっている「ギャル」とは、どういう存在なのでしょう?


朝日:これはよく聞かれるのですが、私もギャルの定義は未だに模索中です。ただ一つ感じたのは、自分と他人の境界をしっかりもっている子が多いなと思いました。


--林原ちゃんが一人称「あーし」な理由は?


朝日:これは、学生時代に仲が良かったギャルが「あーし」と言っていたからですね(笑)。「こんな一人称の人間はいないよ!」と何度かリプライをいただいたことがあるのですが、「本当にいますよ」とここでお伝えいたします。


--担任の先生が悩んでいる話も出てきます。朝日さんにとって学校を描くことにどんな意味があるのでしょう?


朝日:学校は日本で暮らしていると大抵の方が通われることになります。人生最初の社会ですので、たくさんの悩みや葛藤、衝突があります。大人の方が読んでも、現役の高校生に読んでもらっても学校での出来事というのは共感していただけるかと思っていますので、過去のそういった話をギャルの林原ちゃんに吹き飛ばしてもらったり、陽菜ちゃんと一緒に悩んだりしていただけることに意味があるかなと思っています。


--校則の話や摂食障害の話といったテーマの話もあります。こういったストーリーを描く上で気をつけていることはありますか?


朝日:漫画的すぎるハッピーエンドはリアリティがないので、ちゃんとリアルに描きたいと思っています。キャラクターたちと一緒に考え、悩みます。





--朝日さんが特に思い入れのある回があれば教えてください。


朝日:ひなちゃんが朝登校するとき同じような状況に置かれている小学生の女の子と出会うお話です。林原ちゃんに「おはよう」と言うために練習する姿が思い浮かんだとき、はじめてひなちゃんのことが理解できたような気がしました。


--これまでTwitterなどで応援してきた読者に向けて、メッセージをお願いします。


朝日:本当にいつも支えになっています。読んでくださり、そしてキャラクターを愛してくださりありがとうございます。応援していただけたらその分やる気が出る単純な人間ですので、これからも応援していただけたら幸いです。



『ギャルとぼっち』刊行を記念して、ゲーマーズ・とらのあな・メロンブックス・アニメイトでは、それぞれブロマイド、イラストカードが特典として用意されています。電子版にもイラストデータが収録されるので、キュートな林原ちゃんとひなちゃんの姿をゲットしたいという人は事前にチェックしましょう。


『ギャルとぼっち』(pixivコミック)

https://comic.pixiv.net/works/6635 [リンク]


『ギャルとぼっち』(Twitterモーメント)

https://twitter.com/i/events/1161457526811967488 [リンク]


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情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 一人称「あーし」のギャルは本当にいる!? コミック『ギャルとぼっち』刊行の朝日夜さんが考える「学校生活を描く」ということ