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この4月から、全国の小学校でプログラミング教育が一斉に必修化されるという話は、お子さんをお持ちでなくてもテレビのニュースなどでそれとなく知っている方も多いでしょう。「まだ小学生なのにプログラミングって、そもそも必要あるの?」とか、「私が子供に教えられないんですけど~」など、ちょっとばかり不安を抱いている親御さんはたくさんいらっしゃると思います。
でも、新型コロナウイルス対策ではじまった臨時休校やニュースで知る海外のオンライン授業の様子を目の当たりにして、日本の子ども達はこのまま勉強をしない日々が続いてしまって大丈夫なのだろうか……といった不安の方が今は大きくなっているのではないでしょうか。
そこでオススメなのが『マンガでなるほど!親子で学ぶ プログラミング教育』(インプレス刊)という本で、プログラミング教育とはなんぞやというそもそもの疑問や、子どもとコンピューターの上手なつきあい方といった基本の「き」を教えてくれる一冊です。
主人公の「マルサイさん」は、3人の子供を抱えながら自宅でマンガやイラストの仕事をしている、デジタルが大の苦手のお母さん。
そんなマルサイ一家の隣に引っ越してきた、プログラミング教育のスペシャリスト「ナナコ先生」が、これから始まるプログラミング教育にまつわる様々な情報をわかりやすい言葉とイラストを使って教えてくれる、というのが大まかな内容です。昭和の子供には昔懐かしい学習まんが「〇〇のひみつ」シリーズ的な、もっと簡単版といっていいでしょう。
なお、「ナナコ先生」のモデルは、文科省のプログラミング教育有識者メンバーでNPO法人CANVAS理事長の石戸奈々子さんです。
ところで、「プログラミング教育」とは具体的に何をどうするのか、ご存知でしょうか。「国語、算数、理科、社会などのほかに『プログラミング』の時間割が加わる?」と思われた方、残念ながら不正解です(筆者もこの本に出会うまでそう思っていたのでご安心を)。
プログラミング教育が目指している目標は以下の3つ。
①プログラミング的思考を身につける
②コンピューターや情報社会について学ぶ
③各教科で学びをより確実なものにする
国語、算数、理科、社会など各教科それぞれを、プログラミング的思考を重視しながら学んで、学習成果をコンピューター社会と言われる現代向けにアップデートするといったところでしょうか。
たとえば、算数の授業で「正三角形とはどう書けばいいか、プログラミングで説明しなさい」と問われたらどう答えるのが正しいか、わかりますか? 本書に書かれているのを例に取ると、「5cmの直線を書く」「右に60°曲がる」「5cmの直線を書く」「右に60°曲がる」「5cmの直線を書く」という具合になります。
こういったプログラミング思考の基本をわかりやすく解説し、コンピューターとの付き合いが日常化するであろう(もうほとんどそうなっているわけですが)これからの時代にビクビクではなくワクワクする気持ちになってもらおうというのがこの本の最大の狙いと言っていいでしょう。
プログラミングという言葉を意識しすぎるあまり、いきなりウン十万円のパソコンを我が子に買い与えなければならないのか、と頭を抱える親御さんも少なくないでしょう。実際、本書でも触れていますが、日本のパソコン普及率は他の主要国と比べて大きく遅れを取っているのは間違いない事実です。それを解消するのもプログラミング教育を導入する狙いの一つです。幸い、日本でも2023年度までに生徒1人につき1台のパソコンを配置する方針が決まっています。
コンピューターと正しく付き合うための一人ひとりの素養を育てることも肝心ではないか、本書でナナコ先生が強調しているのはまさにこの点です。いつオンライン授業がスタートしてもいいように、まずは家にあるタブレット端末やスマホなどでデジタルの操作に慣れておいて、少しずつ日常に取り入れていくのがよいかもしれません。
このマンガのなかのマルサイさんのように、仕事で毎日タブレット端末を使っているのに、コンピューターの仕組みはチンプンカンプンという大人は大勢います。しかし、この本を読むことで、コンピューターの仕組みを知ること以上に、コンピューターをいかに道具として使いこなすかが重要なのかということに気づくことができます。今こそ読んでいただきたい一冊です。
『マンガでなるほど!親子で学ぶ プログラミング教育』
(インプレス刊)イラスト:マルサイ / 監修:石戸奈々子
定価:1,360円+税
(執筆者: インプレスPRスタッフ)