町田康の傑作小説を、主演・綾野剛、脚本・宮藤官九郎、監督・石井岳龍という超豪華布陣で実写映画化。もう2度と集まれないかもしれない豪華すぎるキャスト達が個性を爆発させた映画『パンク侍、斬られて候』が6月30日公開となります。



『パンク侍、斬られて候』ストーリー

ある日、とある街道に一人の浪人があらわれ、巡礼の物乞いを突如斬りつける。自らを“超人的剣客”と表すその浪人の名は掛十之進。掛は、「この者たちは、いずれこの土地に恐るべき災いをもたらす」と語るが……。江戸時代にもかかわらず、今っぽい口語の応酬、掛を含めた超個性的な登場人物たち、そしてだれも予測することができない、驚くべきストーリー展開!果たして掛の真の狙いとは? そして最後に生き残るのは誰なのか!?


本作の主人公で超人的剣客にしてテキトーなプータロー侍・掛十之進を演じている綾野剛さんが、本作の監督・石井岳龍さんからとんでもない要望を告げられていたことを明かしています。


「クランクインする前に、監督からこう言われたんです。『掛は宇宙と戦うから』と」宇宙と戦う!? これ以上の無茶な要望は果たしてあるでしょうか? 確かに掛は超人的な剣客。しかし、1人の侍が宇宙を相手に戦うとはいったいどういうことなのか? しかし綾さんはこんな無茶ぶりにも関わらず、素直に二つ返事で受け入れたそう。


多くの謎のベールに包まれている猿将軍・大臼延珍を演じた永瀬正敏さんも、石井監督のとんでもない要望に応えてきた1人。永瀬は「毎回撮影前とか撮影中にぽろっと仰ることが、自分の想像をはるかに超えているんですよね。でもそれを言われると“来た!来た!これぞ石井組!!”と思うんですよ。“うぉー頑張んなきゃな!!”と思ってしまうんです」と語り、逆に役者魂に火がついてしまうことを話します。


永瀬はさん『DEAD END RUN』(03)、綾野さんも『シャニダールの花』(13)以来、幾度も石井監督と組んできました。そんな2人が、“想像をはるかに超える”要望に対しても臆することなく、逆にそれに応えようと燃えてしまう理由はどこにあるのか? その理由を綾野は「監督の言葉には嘘がないんですよね『もうちょっと宇宙と戦って欲しい』とホントに心の底から思っている。初めての人はびっくりするかもしれませんが、でもそれに応えたいなと思うんです。宇宙と戦うってどういうことだろう?というよりも、それに対して演技で返してゆきたい。何とかして自分の35年間の人生を懸けて表現したいと思わせてくれる監督なんです」と語り、石井監督の人柄にあることを明かしています。


とんでもない要望を投げかけているのにも関わらず、役者たちから高いリスペクトを受けている石井監督は、デビュー当時より鬼才と謳われ熱狂的なファンを数多く生み出し、海外からも高い評価を受けている監督の一人。そんな石井監督の無茶ぶりには実は大事な意味があることを、本作で腹ふり党の首領茶山を演じる浅野忠信さんは語ります。「“監督が何かを決めてつけてはいない”ということだと思うのです。どのシーンにおいても、“台本には書かれている。でもそれは決め事ではないんだ”ということが常にあるんです。『ここからもう一歩君が踏みだしたら何か起こる?』という監督の投げかけがそこにはあるのだと思うのです」


不出世の鬼才石井岳龍からの想定外の要望には、“その壁を越えてみろ!”という役者たちに対する発破の意味があったそう。そしてそれに応えるようとする役者たちは、それまでの自分の殻を脱ぎ捨て、まだ見ぬ新しい顔を我々にを見せてくれるのです。しかし時に限界もあるようで、綾野さんは「まー、時にホントにパンク過ぎて何言ってるんだろう?と思ったこともありますけど (笑)」と締めくくっています。


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情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 映画『パンク侍、斬られて候』 “超人的剣客”を演じる綾野剛が告げられた監督からのとんでもない要望とは?