『パシフィック・リム』『キングコング:髑髏島の巨神』に続く、巨大怪獣パニック・アクション『ランペイジ 巨獣大乱闘』が5月18日より公開。今回は、アメコミ・映画ライターの杉山すぴ豊さんによるレビューをご紹介します!



『ランペインジ 巨獣大乱闘』レビュー/杉山すぴ豊


嬉しくなるような都市型怪獣アクション映画!(笑)


実はこの作品の製作が発表された時、僕は勝手にコメディだと思っていたのです。というのもこの映画が”ランペイジ”というゲームが元になっていると聞いて試しにググッてみたら、キングコングのような猿と恐竜みたいな怪獣と狼男が勢ぞろいしているポップなイラストが出てきました。これの映画化と言われたので、どう考えてもギャグだろうと。しかし、映画の冒頭からそれはものの見事に裏切られました。冒頭の、宇宙ステーションでのクライシス。ここはもうバリバリのSFホラー演出でこの映画が決してお笑い映画ではない、と宣言するかのようなオープニングです……。


この宇宙ステーションから地球に落ちてきたある物質に触れた、動物たちが変異をとげ巨獣化。そこから後は巨獣たちがランペイジする(暴れまわる)、SFパニック映画になっていきます。ゲーム(オリジナル版)での”恐竜みたいな怪獣”は超巨大ワニに、”狼男”はジャイアント・ウルフに、”キングコングのような猿”はスーパーサイズ白猿に、置き換えられました。ゲームでは怪獣でしたが、映画ではただの巨大生物になった?

違うのです! 巨大化だけでなく、他の生物の、様々な能力を身につけており、だから狼はなんとムササビのように空も飛べるのです! ただの巨大生物なら、通常兵器でも倒せるでしょう。しかしここまですごくなっているから人類は歯がたたない。戦車や戦闘機を総動員して戦争規模で”害獣駆除”にあたるわけです(笑)。


怪獣映画のケレン味タップリですが、この映画の最大の魅力はスピーディなアクションにあります。考えてみればここ数年は巨大怪獣映画の当たり年て「シン・ゴジラ」「ジュラシック・ワールド」「キングコング:髑髏島の巨神」があります。どれも傑作なのですが、ジュラシック・ワールドやキングコングは舞台が島・ジャングルで、怪獣映画の魅力の1つである”街を壊す”がない。東京に上陸したシン・ゴジラは巨大すぎて、

奴が移動することで結果的に街が壊れているという感じです。それに比べ本作の巨獣たちは、大都会を壊しくまくりながら迫ってきます! しかもそれを迎え撃つのがアクション・スターのドウェイン・ジョンソン! 冒頭で”都市型怪獣アクション映画”と言ったのはそのためです。これは本作が、もともとアクション・ゲームを元にしているからでしょう。ゲームの”ランペイジ”は、プレイヤーが好きな怪獣を選んで、ビルを壊す。

しかも垂直のビル(つまり高層ビル)によじのぼりながら、ガンガン叩いて倒壊させていくのです。本作では、まさに巨獣たちが、このアクションを再現。今までの怪獣映画とは一味違う”壊し方”で楽しませてくれます。


*ドウェイン・ジョンソン演じる主人公が、元特殊部隊の兵士でいまは霊長類学者!

*謎の物体に触れるだけで生物は遺伝子変化を起こし怪獣化!


というとっても便利な設定(笑)で、余計なことを考えさせずテンポ良く楽しませてくれます。


個人的には、昔の東宝の怪獣映画で、宇宙生物がとりつきイカ、亀、カニが怪獣化する「ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣」と当時旬だったアクション・スターのシュワちゃんが宇宙怪人と戦う「プレデター」そして昔持っていたワニゴンという怪獣のプラモデルを思い出しました。映画館を出た後、巨獣たちにまた会いたくなる。ちょっとクセになる魅力を持ったエンタテインメントです!


【執筆者プロフィール】杉山すぴ豊

アメキャラ系ライターの肩書でアメコミ映画や洋物モンスター映画のコラムを映画雑誌やWEB、劇場パンフで展開。エマ・ストーンに”あなた、日本のスパイダーマンね”と言われたことが自慢。


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『ランペイジ 巨獣大乱闘』特集

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情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 コメディかと思いきや…スピーディなアクションに怪獣が“街を壊す”醍醐味がたっぷり!『ランペインジ 巨獣大乱闘』:映画レビュー