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ご存知の通り『ファミコン必勝本』は1986年3月に創刊された“ファミリーコンピューター攻略系雑誌”の一つ。
当時は『ファミリーコンピューターMagazine』(ファミマガ)が先行して発売され、そのあとを追うようにこの『ファミコン必勝本』や『ファミコン通信』『マルカツファミコン』『ゲームボーイ』『ハイスコア』といった雑誌が続々と創刊されたという。ちなみに『Beep』はこれらより前、1984年12月に発売された模様。
そんな“ファミコン攻略本”戦国時代を戦い抜いた『ファミコン必勝本』全104号の中から選り抜きの記事などで再構成したのが、この本なのだ。
全般に言えるのは「今だからこそ読んで新たな発見がある」ということ。筆者が気になった「今改めて読みたい」ページタイトルを挙げてみよう。
・大特集 ロールプレイングゲームの時代だ!! ドラゴンクエスト 本格的RPGがいよいよ登場
・びっくり仰天特報スペシャル版 つ、ついに来た!! スーパーファミコン 来年後半に発売が決定!! スーパーファミコンの特筆すべき3つの特徴
・新春スペシャル 必本独占 堀井雄二 特報インタビュー ドラクエ三部作を作り終えて
・スペシャルレポート 1989年ハード戦争 さぁーてどれがお得!? スーパファミコン セガ・メガドライブ PCエンジン 三つ巴の戦い
・特別対談 山下章・田尻智がクインティを語る
・アレクシィ・パジトノフ氏来日記念インタビュー『私とテトリス』
いかがだろう。これらは抜粋した一部なのだが、どれもこれもグッと惹かれるタイトルばかりではないだろうか?
個人的には、『他紙を徹底批評! ファミコン雑誌スクランブル』が好み。『ファミマガ』『ハイスコア』『マルカツファミコン』『ゲームボーイ』『ファミ通』『ファミコン必勝本』『Beep』の各編集人、編集長が一堂に甘辛いコメントを寄せることで、一期一会の趣深いページとなっている。
また、「特別企画! “必本”三大事件簿」として
(1)伝説のスーパーマリオ256ワールド
(2)女子高生編集者さとみちゃんフィーバー
(3)出版社対抗ナムコットゲーム大会V2達成!
の3つが挙げられている。
特に「マリオ256ワールド」はインパクト絶大だ。正常な動作ではないとはいえ、人気ソフトの裏側を垣間見れるような内容は当時衝撃だった。
限られた情報しかなかった時代ゆえ、誌面の影響力は非常に大きかったこともうかがえる。
あの頃を振り返る資料としても有用な『蘇るファミコン必勝本』、記憶の旅のガイドとしてお勧めしたい。