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まずはDX人材に求められるスキルセットは次の5つです。
それぞれ詳しく解説します。
DXに携わる人材とはいえ、高度なプログラムを組んだり、専門的な職種のスキルを持っていたりすることは必須条件ではありません。
しかし、ITに関する基礎的な知識を持っていなければ、プロジェクト内でエンジニアと共通言語で会話することすらできないでしょう。
そのため、DX人材はクラウドサービスやビッグデータ分析ツール、AIや機械学習などについての基礎知識を持ち、それらのツールを適切に「使える」能力が必要となります。
DXとは「デジタル技術とデータを活用し、既存のモノやコトを変革させ、新たな価値を創出することで人々の生活をより良くする」という意味である以上、変化を続けて、新しい何かを生み出さなければなりません。
デジタルの進歩は日に日に速度を増し、常に新しい技術が誕生・発表されています。
つまり、新しい価値を創出するために利用可能な技術やツールが、常に生み出されているということです。
DXは「1度やったから終わり」という性質のものではないため、IT情報や業界動向にアンテナを張り続け、トレンドを把握しようという能力はDX人材の必須能力です。
DXプロジェクトには、多くの人材、チームが関わることがあります。
その中で円滑にプロジェクトを進めていくためには、プロジェクトマネジメント能力が求められます。
これはDXに限らず、ビジネス全般に共通する話ですが、特に試行錯誤の連続であるDXプロジェクトを進めていくには重要な能力です。
DXにおいては、現状の課題を把握し、プロジェクトを検討する。そして、必要に応じて修正していくというサイクルを繰り返しながら、プロジェクトを進めることが求められます。
そのため、他者とのコミュニケーションを適切に取り、業務をマネジメントしていく能力が必要となるのです。
ビッグデータや機械学習から得られるデータの分析・予測は、DXを進めていく上で欠かすことのできないピースであり、その分析力の高まりとともに、その重要性も日に日に増しています。
これからのビジネス業界で生き残っていくためには、データの活用は欠かせません。
そのため、データサイエンティストのような専門職の人材でなくとも、データの重要性を理解し、データ解析ツールなどを適切に利用できる力が必要なのです。
また、その分析結果などを具体的にビジネスに活用していくためには、それらのデータからどのような結果が得られるのかや、どのような課題解決が必要なのかを正確に把握する能力も、DX人材には欠かせない能力といえます。
DXプロジェクトは、多くの場合においてこれまでは人が行っていた作業を、デジタル技術などを用いて自動化・簡略化していくことから始まります。
こうした試みは、「自分たちの仕事を楽にするもの」であると同時に、そこから生まれる付加価値が重要となってきます。
付加価値を生み出すためには、まず何より「ユーザーファースト」な視点でプロジェクトを進めることが求められます。
そうしたユーザーにとって価値を提供しようとして生まれたアイデアを、製品やシステム、サービスといった形にするためには、「全体像を企画して形にする力=デザイン能力」が必要です。
そして、「アイデアを形にする企画づくりをする役割」を持った人材を「DXデザイナー」と呼びますが、このようなシステムやサービスのデザイン能力は、DXデザイナーでなくとも持っていなければなりません。
次に、DX人材に求められるマインドセットは以下の5つです。
それぞれ詳しく解説します。
DXの本質は「変革」にあります。
そのため、現状を当たり前だと思うマインドでは、DXを成功させることは不可能です。
決して現状に満足せず、「どうすればもっと効率よくなるのか?」「どうすればよりユーザにとって利用しやすくなるか」などを考え続ける意欲的な人材が望まれます。
強い好奇心を持ち、主体的に変革を求める人材こそ、DX推進に必要な人物像です。
いつの時代でもユーザーのニーズは常に変化し続けています。
特に、デジタル技術の急速な発展を背景に、生活スタイルや価値観も多様化している現代においては、ニーズの変化を予め正確に予測することは困難です。
DXを進める中でも想定外の状況はいくらでも起こりえます。また、ユーザーのニーズだけでなく、社内の状況が変わることもしばしばでしょう。
ユーザのニーズや社内状況の変化、さらにはデジタル技術の進歩、コロナ禍などによる社会全体の変化まで含めて、当初の想定とは異なる大小さまざまなイレギュラーな事態は必ず発生するものです。
そうした変化に対応できるように、当初のプランや手法、スケジュールなどに固執せずに、臨機応変に柔軟な対応をしようとするマインドが求められます。
DXは時として、企業の理念やあり方そのものを根底から変革する必要があります。
その影響は一部の部署・部門に留まらず、社内の全従業員、さらには関係する金融機関や投資家、顧客など全てのステークホルダーにまで及びます。
むしろ、真の意味でDXを成功させるためには、こうした社内外のステークホルダーを広く巻き込む形でプロジェクトを進めていくことが重要です。
DX推進チームは、強力なリーダーシップでプロジェクトを推進していく役割を担いますが、同時にチーム外の人々とも協働していかなければ成功はあり得ません。
プロジェクトメンバーが中心になりつつも、外部からも適切なスキルを持った人材の協力を取り付けたり、関連する部署や社外のステークホルダーの意見を取り入れたりと、DX推進の輪を広げていこうとする、外に開かれたオープンマインドも必要となってくるでしょう。
新たな価値創出を目標とするDXは、当然ながら短期的に達成できるものでなく、中長期的に取り組む必要があるものです。
ある施策で一定の成果が出たとしても、それで終わりというわけではなく、常にその次の施策を展開していかなければなりません。
市場の変化や顧客動向、新しいテクノロジーの登場など、社内外の環境の変化に合わせていつでも最適解を探し続ける必要があります。
変化する状況を踏まえながら、長期的なプロジェクトを実行していくためには、常に学習する意欲を持ち続け、自身のスキルやマインドをアップデートしていくことが欠かせません。
学習する意欲を失ってしまえば、時代の変化にあっという間に置いていかれてしまうでしょう。
これまで紹介してきたようなスキルを身に着け、DXに必要なマインドを持って取り組んだとしても、DXは容易に達成できるプロジェクトではありません。
DXとは小さな成功と失敗の繰り返しです。全てが当初の予定通り、滞りなく進めることなどそもそもあり得ないのです。
そんな時に、状況の変化を受け入れ、周囲の人々からのフィードバックなどを素直に聞きながら障害を乗り越えていこうとする強い意思。その諦めない力こそが、DX人材に最も必要なマインドセットだと言えるでしょう。
DX人材に求められるスキルセットとマインドセットをご紹介しました。
DXを推進するためには、このようなスキルとマインドを持った人材が欠かせません。
もし現状、貴社にこのような人材がいないとしたら、DXスキルの育成に力を注いだり、新規雇用や外部ベンダーとの協業を検討してみるのも良いでしょう。
スキルとマインドはどちらも欠かせない要素ですが、企業のDXを進める上では、専門的なスキルよりもむしろマインドの方が重要です。
DX推進は貴社の社運を賭して行わなければならない、現代の企業が直面する喫緊の課題です。
大きな変化を伴うプロジェクトの推進には、並々ならぬ胆力が必要となります。
DXマインドさえあれば、後から必要なスキルを身に着けることはできますが、スキルだけがあってもマインドが欠けていれば、新たな価値の創出を担う人材にはなれないでしょう。
変化を求め、常に学習意欲を持ち、他者と協力して柔軟に物事を進められる。そのうえで「何があってもこのプロジェクトを成功させる」という強固な意思。このマインドセットを持った人材を中心にDXを進めていけば、どんな困難も乗り越えていけるはずです。
こうした人材が育ちやすい企業風土を創り上げることこそ、企業トップが成すべき仕事であり、DXを成功させるために最も重要な戦略だと言えるでしょう。
5つのスキルセットと5つのマインドセット。今一度その重要性を再確認し、貴社のDX推進プロジェクトを成功へと導く人材育成に力を注いでください。
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